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CAREER HACK

スモールチームのCTOに求められるサービス設計能力―schoo 篠原祐貴氏のCTO論。

2013-08-09

スモールチームのCTOに求められるサービス設計能力―schoo 篠原祐貴氏のCTO論。

企業の技術部門責任者・CTOの役割とは?特にアーリーステージのスタートアップにおいてはサービス設計のスキルが求められる、と語るのは、大型資金調達も実現した話題の教育系スタートアップ《schoo》CTO 篠原祐貴氏。その真意に迫った。

アーリーステージのスタートアップCTOに求められる役割。

CTOの存在意義や求められる能力にフィーチャーし、様々なCTOにインタビューを敢行しているCAREER HACK。次に目をつけたのは、話題の教育系スタートアップ《schoo》のCTO 篠原祐貴氏だ。

新卒で入社したYahoo! Japanで様々なサービス開発に携わった後、以前から親交のあったschooにCTOとしてジョイン。その後、大きなサイトリニューアルも手がけ、サービスの成長エンジンとなっているという。

大型資金調達を成功させ更に勢いを増すスタートアップのCTOは、どんな考えのもとCTOとしての役割を果たしているのだろうか?

スタートアップのサービスを正しく“設計”できるCTO。

― 篠原さんの考えるCTOの役割とは?


CTOの役割は、会社やプロダクト、サービスのフェーズによって変わっていくものだと思っています。

スタートアップ初期段階のCTOの大きな役割の一つとして、携わるサービスの“肝”をいかに丁寧に押さえておくかが、大事になってくるのかもしれません。



僕がschooに入った時にまず一番意識していたのは、様々な制約の中でも「絶対に落ちないサービス」をいかに構築していくかということでした。

時間・予算・エンジニア、そういった限られたリソースをいかに使ってサービスを動かしていくかを考え、開発を行なっていました。

― 第一に「サービスを落とさない」ことに注力した理由は?


schooはウェブ上で行なわれる“生放送授業”をユーザーに提供しています。そんなサービスの特性上、生放送中にサービスが落ちるとなれば、全てが水の泡。自分たちが提供したい価値を全く出せなくなるんです。それはユーザーだけでなく、授業を行なってくださる先生にも非常に失礼になります。


― スタートアップの初期段階において、CTOに必要なスキルとは?


サービスの“設計力”だと思います。

設計って面倒くさがられたり、アジャイルの開発が主流になってきて手を抜かれがちになってきていると思うんですが、アーリーステージのサービス設計はものすごく重要。

とってつけたような設計のサービスになると、後々の運用コストは間違い無く増加するし、不安定さも出る。開発した人じゃないとわからないことも出てくるかもしれません。

実は設計の重要性を学んだのは、前職時代の経験からなんです。僕が配属されていた部署は、比較的大きな開発を新規で行なう部門だったのですが、SIerから転職された方が先輩として多くいて、設計の重要性を叩きこまれました。

なぜかと言うと、例えばメガバンクの大規模なシステム統合に伴う開発などは、とんでもないお金と人、時間を費やして、絶対失敗できないサービスを作らなきゃいけないんです。そのためにも設計を重要視する文化がSIer出身者には根強い。

Yahoo! JAPANは開発と運用がきっちり分かれている会社で、莫大な量のアクセスもある。いかに最初の開発設計段階で、きっちりしたものを作るかが大切にされていたんです。

CTOがエンジニアメンバーの土台になる

― 会社の規模が大きくなり、エンジニアの数が増えていくと、CTOの役割はどう変化していくのでしょうか?


よりサービスとエンジニアを俯瞰してみる能力が求められるのではないでしょうか。個人的にはCTOである自分が土台となって、その上に長所を持ったエンジニアが乗っかるような組織にしていきたいんです。

これは自分の将来的な目標でもあるのですが、エンジニアメンバーを引っ張っていくCTOよりも持ち上げるようなCTOになりたいんですよ。CTO以上に各エンジニアそれぞれが個で存在感を発揮するチームがいいなと。僕、メディアとか出るのも得意じゃないので(笑)

CTOにも一定の技術力は当然求められると思いますが、あくまでもチームとして、エンジニアのメンバー同士、長所を生かしながら、ライバルとして切磋琢磨し、補完していけたらいいなと思っています。


CTO自ら、応用可能なベストプラクティスを見つける

― いまCTOとして心がけていることがあれば教えてください。


目線を外に向けることですね。

世の中のサービスがどんなふうに動いているのかきちんと知ろうとしています。自分たちと似たような状況になった時、他社はどうしたんだろうとか細かな点も含めて。

実はスタートアップにとって、自分で問題の解をイチから探す行為って非常に時間的ロスが大きいと思うんです。もちろん、正解を自ら導き出すことで得られることも大いにあると思います。ただ、世の中には既にベストプラクティスが提示されているかもしれないのに、知らないというだけでずっと損をし続けるのは非常にマズい。

CTOとして、いち技術者として当然プライドは持っていますが、一番重要なのはサービスをいかによくしていくか。そのためにも知れることは知っておく、聞けるとこには聞くという姿勢も大事だとおもいますね。



(つづく)▼《schoo》 CTO 篠原祐貴氏へのインタビュー第2弾
“手”が先に動くか?“頭”が先に動くか?―schoo CTO篠原氏の考える優秀なエンジニアとは。


[取材]梁取義宣 [文]松尾彰大



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