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日本におけるダイバーシティのあり方とは?Googleインターンの女子学生が見た、職場の理想形。

2013-09-26

日本におけるダイバーシティのあり方とは?Googleインターンの女子学生が見た、職場の理想形。

Google日本法人へダイバーシティをテーマにしたインタビュー第2弾。彼らはなぜ、女性、特に理系の女子学生へのアプローチに注力するのか?その理由は、日本にある社会と企業組織との“ギャップ”にあるという。

▼「ダイバーシティ」をテーマにしたGoogle日本法人へのインタビュー第1弾
“多様性”は組織に何をもたらすか?Googleが描く、ダイバーシティを実現する方法。

Googleはなぜ、理系女子学生にフォーカスするのか?

ダイバーシティのある組織であるには、様々な人を受け入れる“インクルージョン”=受容性が同時に求められ、個人個人が持つ無意識のバイアスを社員が認識することがその土壌となるというGoogleの組織づくり。

前回に引き続きお話を伺ったのは人事部の千谷(チタニ)さん、そしてダイバーシティプログラムの一環である「BOLDインターンシップ」に昨年参加し、現在は通常のインターンシップとしてGoogleに勤務している大野敬子さんだ。

日本のGoogleがダイバーシティに対する取り組みの中で、力を入れているテーマが“女性”、特に理系女子学生へのアプローチなのだという。

その理由とは一体何なのだろうか?そこには、日本が抱える特有の問題と、日本のGoogleが認識する課題があった。ダイバーシティのある組織を目指す、多くの企業必見のインタビュー第2弾。

ダイバーシティの阻害要因=“ギャップ”を見抜け!

― ダイバーシティの取り組みの中でも、日本のGoogleが特に理系の女子学生にフォーカスする理由は?


千谷:私たちが問題視しているのは“ギャップ”なんです。たとえば、他国のオフィスの例だと、社員のうち、その国の大半を占める民族や、特定のグループに属する人の割合が少ない、というようなギャップです。その原因をつきつめ、課題を明らかにし、内的要因なのか外的要因なのか、改善できるならばその方法までを探っています。


千谷裕子さん

グーグル 人事部 採用企画担当 千谷(チタニ)裕子さん


日本の場合、一番大きなギャップはコンピュータサイエンスの分野における“女性”の割合にあると考えています。Googleの日本法人にいるエンジニアの中で女性の割合は非常に低いのですが、定着率や出産後の復職率は高いので、そもそも理系女性が少ないことが課題のひとつではないかと考えているんです。人口は男性とほぼ変わらないですし、学士取得者の割合もほぼ半々。しかし、理系、特にコンピュータサイエンスの分野に限って、女性の数が男性と比べて非常に少ない。このギャップを埋める取り組みを行なっています。


― なるほど。具体的な取り組みとしてはどんなことを?


千谷:これまでも様々な取り組みを行なってきましたが、現在企画中のもので言えば、10代の女性向けの社内見学ツアーですね。若い方の抱くエンジニアのイメージというと、「PCに向かって黙々とキーボードを叩く仕事」といったものだと思うんです。そういったイメージを中高生の方に払拭してもらえるような取り組みになります。

また、毎年応募者を募っているのが、その一例が「BOLDインターンシップ」という、(Building Opportunities for Leadership and Development)主にコンピュータサイエンスを専攻する女子大学生を対象にしている人材育成プログラムです。

去年、このプログラムに参加してくださり、現在、通常のインターンシップに参加してくれているのが大野敬子さんです。

名ばかりではない受容性が根付いた多様性のある組織

― BOLDインターンシップに参加したきっかけは?


大野敬子さん

Googleにインターン生として勤務する大野敬子さん大学院にてコンピュータサイエンスを専攻中。

大野:あのGoogleで働ける!ということで、募集を知ってからすぐ応募しました。でも実は、私がBOLDインターンシップに応募したのは3回目なんです(笑)大学2年生から毎年応募し続けて、4年生の時にやっと受かったんですよ。

(※編集部注)大野さんの他にも、多くの女子学生がインターンに参加している。うち一名が、以前CAREER HACKで紹介した新多真琴さん。 ―音大卒でエンジニア!? ―カヤック・Google・Labitで経験を積んだ新多真琴のエンジニア観。


― 具体的にどのようなことをされてたんですか?


大野:Chromeチームの一員として、一人のメンターの方についていただきながら、クリップボードを同期させる拡張機能の開発を、もう一人のインターンと一緒に6週間に渡り携わりました。


― Googleの職場環境を体験して、ダイバーシティを感じた点は?


大野:いま私の所属するチームには、日本人だけではなく、アメリカやウクライナ、スウェーデン出身のエンジニアが在籍しています。会話は英語が中心なので、それだけでもダイバーシティを実感しますよね(笑)

インターンはGoogleの正社員の方とほぼ同じ待遇で働けるんです。世界中で使われているGoogle製品のコードを閲覧できたり、社内イベントにも分け隔てなく参加できることは、この環境でないと享受できない、貴重な体験でとても勉強になります。



特に衝撃を受けたのが、Tech Talkという社内向けの技術講演会ですね。主にエンジニアが自分の携わる製品に関わる技術プレゼンを行なうのですが、講演と質疑応答がもう切れ味バツグンなんです!講演者とは全く別のチームのエンジニアが自分の専門領域以外のことであっても、遠慮無く突っ込んでいくんですね。それに対して講演者は真摯に回答したり、受け入れる。


― 日本人的な考えだと、気になるけど遠慮して言えない…なんて事もありそうです。


大野:周りで見ていると、このあと険悪な空気になるんじゃないか…と思うくらい熱を帯びているのですが、そんなことは全くありません。これもエンジニアリングへの愛の現れであり、お互いをリスペクトしている証拠なんだなと思います。


― 現場レベルでも、やはりダイバーシティ:多様性とインクルージョン:受容性が体現されているのですね。


千谷:BOLDインターンシップの活動はギャップを埋めるためのプログラムとして、コンピュータサイエンスを学び、優秀なエンジニアとなる方の裾野を広げるという、地道なものではありますが、今後も積極的に支援していくことで、よりダイバーシティの実現した組織を目指していきたいと思っています。


― ダイバーシティに取り組む多くの企業にも非常に参考になるお話だったと思います。ありがとうございました!


(おわり)

[取材・文] 松尾彰大  [撮影] 城戸内大介



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