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PARTYとBasculeの学校『BaPA』一期生に訊く!「僕らが働きながら学校に通ったワケ」

2014-07-24

PARTYとBasculeの学校『BaPA』一期生に訊く!「僕らが働きながら学校に通ったワケ」

PARTYとBasculeが開校した次世代クリエイターを育てる学校『BaPA』。7月26日、27日にその卒業制作展が開催されるのだが、一期生である三島さんと南さんは現場で働くクリエイターとエンジニアだ。なぜ、彼らは働きながら学校に通おうと思ったのか?そこで得られたこととは?

「働きながら学校に通う」という選択

「20代、これからどんなキャリアを築いていくか?」、漠然と不安を持つ人は少なくない。

どうスキルを磨く?どう人脈を広げる?そんな悩みに対するひとつの解となり得るのが、「働きながら学校に通う」という選択だ。

もちろん、休日や仕事終わりの個人プロジェクトを行う、勉強会に参加する、といった活動でもキャリアを広げることはできるだろう。ただ、「長続きしなかった…」といった経験を持つ人も少なくないはず。その点、自らお金を払って通う学校は、取り組み方やマインドが変わってくるのかもしれない。

特に多忙なイメージがあるデザイナーとエンジニア。彼らが「働きながら学校に通う」ということは可能なのか?また、そこでは何が学べるのか。

こんな疑問を、『BaPA』(※)一期生である三島良太さん(28歳/デザイナー/BIRDMAN)と、南陽平さん(29歳/テクニカルディレクター兼フロントエンジニア/IMJ)に、ぶつけてみた。


▼(※)『BaPA』とは?
デザインとプログラミング、両方のスキルを備えた次世代クリエイターの育成を目的とする学校。インタラクティブ・クリエイティブ・カンパニー『バスキュール』とクリエイティブ・ラボ『PARTY』が主催する。世界で活躍する最高のクリエイターを講師に迎えた未来の学校だ。

(参考)バスキュール×PARTYが開く学校『BAPA』の狙い。


bapa


7月26日(土)27日(日)の2日間で、BAPA一期生卒展「BAPA展」が開催!ぜひ足を運んでみてください。

BAPA展
テーマ:「FANTASTIC! SHIBUYA」
期間: 2014年7月26日(土) - 2014年7月27日(日)
時間: 7/26 14:00-21:00 7/27 11:00-17:00
場所: 渋谷ヒカリエ8F COURT




勉強会で学べることは本でも学べるから興味がない

― それぞれ、『BaPA』に通おうと思ったきっかけから伺ってもいいですか?


三島良太

BIRDMANで働くデザイナー、
三島良太さん

三島:まず優秀な人が集まるだろうと思ったんですよね。そこで、自分の価値観や考え方を広げたかったんです。そういう経験を通じて、自分が魅力的な人になって「仕事を一緒にしたい」と思ってもらう。同時に「この人と一緒に仕事をしたい」という人を探す。ここが目的でした。

というのも、クリエイティブの世界に身を置くからには、やっぱり世界的な広告賞を獲る仕事を、優秀なチームでやってみたい気持ちがあって。そのためにも『BaPA』はすごくいい環境だと。…ただ、最初はどんなことやるか、全然知らなかったんですけどね(笑)


南:最初のきっかけで言えば、「とりあえず課題だけやって応募してみれば?」と同僚にそそのかされて…ですね(笑)。それで受かったから入ってみよう、と。

もちろんすごい「楽しそうな匂い」は感じていました。普段、WEBのプログラミングをメインでやってて、クリエイティブコーディングだったり、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたフィジカルなプロダクトは作ったことがなくて。そこに触れてみたい気持ちがありました。

でも、もともと人見知りだし、勉強会とかは知らない人ばっかだし…あまり興味がなくて。ぶっちゃけ勉強会で学べることなんて本で学べるし、ネットで調べて自分でやればいいだけかな、と。

でも、『BaPA』は選ばれた人が集まるし、超一流の方々の話を直接聴ける機会でもある。閉鎖感を打ち破る機会としてもいいと思ったんです。

転職を意識したキャリア形成より、可能性を広げるための刺激

― クリエイターやエンジニアは自分の名を売ることも大事な時代ですよね。そこから「市場価値を上げて、会社を飛び出しても活躍できるように」という気持ちもあるのでしょうか?


南陽平

IMJで働くエンジニア、
南陽平さん

南:現状でいえば、今の会社でどれだけ自分が尖れるか?というところだけですね。たとえば、社外でおもしろい人とつながったら、それを社内の人とつなげてもいい。社内的なブランディングも含めて「技術屋なのに何か面白いものをつくる奴」みたいになりたいんです。社外的には、今いる会社が「こんな会社なんだ」って思われるようなことをしていきたいですね。


三島:ぼくも今の会社で面白いことをやらせてもらえているので、飛び出そうという気持ちはなくて。たとえば、自分の目指す方向が見つかった時に、人脈であったり、それは大切だと思っていますが、それは会社に在籍していることと、飛び出すことは関係ないというか。


― なるほど。ちなみに学校に通うことに関して会社の理解は得られましたか?


三島:そうですね。代表に話をして…じつは会社にお金も出してもらって。すごくありがたいですね。もちろん、それだけ「ちゃんとやれよ」というプレッシャーでもあるんですけど(笑)


南:会社に出してもらったんですか!?うらやましい…。もしかしたら、そういう制度もあったのかもしれませんが、私の場合は自腹ですね。身近な人にはちゃんと報告してあって、SNSにも書き込んだりしているから、だいたいはバレてると思いますが(笑)


― 仕事との両立は大変ではないですか?


三島:もちろん仕事を優先しなくちゃいけないから、どうしてもスケジューリングが上手くいかないとか、寝る時間削るしかないとか、ありますね。『BaPA』は、卒展で発表する作品を作るのですが、作っては壊し、作っては壊し…という感じだから、なかなか予定が組めないという部分もあって。


南:私は仕事の案件調整はあらかたできているので、コントロールはしやすくて。それほど問題なかったんですけど…大変なのは、プライベートとの両立ですかね。たとえば、週末に友だちと遊ぶ時間がなくなるとか、身近な人と過ごす時間が減るとか。じゃあ卒業制作の工数を削減するか?それで果たしていいものが作れるか?このあたりのバランスも考えつつ、という感じじゃないですかね。

結局は作り出してナンボ

― 最後の質問になるのですが、『BaPA』で得たものを教えてください。

おとしもの

三島さんが所属するチームの作品
『おとしもの』。拾った人も拾われた人も
ちょっぴり幸せになれる。

三島:多様なスキルや考えを持ったメンバーとどうコミュニケーションを取るか?すごく勉強になって。ぼくはデザイナーですけど、「アニメーションをつけたい」とか提案をする時は、プログラムのことがわかっていたほうがいい。

同時にどんな風に伝えれば相手に納得してもらえるのか?相手が伝えてくることをどう噛み砕けば自分が理解できるか。全員が同じ意識でゴールに向かうのは簡単ではありませんが、クライアントワークでも同じようなジレンマってあって。そういった意味でもコミュニケーションの重要性が感じられました。


南:私の場合は、今までWEBでは全く使わなかったopenFrameworksだったり、マイコンだったり、MIDIだったり、そういう新しい技術に触れられたのは凄い大きいですね。プログラムと音楽を組み合わせたり、発想や考え方が一気に広がった感覚があります。

ただ、「わかること」と「できること」は違って。一流の方の話をまとめて聞いて、インプットするとやっぱり自分が変わった気にはなれるんですよね。あとはどれだけ自分でアウトプットができるか。


三島:そうですよね。…ちょっと話が変わるかもしれませんが、『BaPA』の卒業制作は、一応仮想クライアントはいるものの、かなり自由度が高いんです。だから、極端にいえば何でもつくっていい。ただ、実はそうじゃなくて、課題が設定されてないからこそ示すべき道も自分で探さなきゃいけない。まずは自分が何を作りたいか?が問われるんです。その「なぜつくりたいのか」という部分を探すのがこんなにも体力使うものなのか…と。


南:自分で考えて、作り出す。それを世の中に波及させて評価をもらって…というサイクルを繰り返していかないと、成長は止まってしまうのかもしれません。特に私は依頼を受ける側のエンジニアだったので、自分で創作することがほとんどありませんでした。結局は作り出してなんぼ。そういうことをそろそろやっていかなきゃいけない時期なのかな、と。


MASS RHYTHM

南さんが所属するチームの作品
『MASS RHYTHM』。スクランブル交差点を
渡る人の周期性を音とグラフィックに
変換するインタラクション

― 来た球を打つんじゃなくて、どんな球を投げてどう打つかっていうところから考えるというか。


南:そうですね。プログラミングにしても、ただの手段でしかないんで、やっぱり技術だけ持ってても作るものがなければ何も生まれないんですよね。


三島:もちろんクライアントワークだったらクライアントありきなんですけど、どんなに綺麗なもの作ってもつまんないと言われるものはあって。尖ったところが見えるから、突き抜けて見えたりするのかもしれませんね。それは別にWEBに限った話ではないと思いますが、それぞれが持つ作家性じゃないですけど、「突き抜けたところ」が大事になって、そういう時代になるのかな、とは感じています。


― 確かにクライアントとしても、想像通りのモノが上がってきても、感動は無いですよね。表現の質がどんど上がってる時代、自分の可能性を広げるためにも「学校」はひとつの選択肢になるのかもしれません。本日はありがとうございました!


[取材・文]白石勝也



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