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クックパッドの新規事業を新卒が立ち上げたワケ|Holiday 友巻憲史郎

2014-09-24

クックパッドの新規事業を新卒が立ち上げたワケ|Holiday 友巻憲史郎

クックパッドの新規事業としてローンチされた、おでかけプランの投稿・共有サービス《Holiday》のプロジェクトリーダー友巻憲史郎さんにインタビュー。開発チームごとクックパッドに新卒入社した彼らが手掛ける新規事業は、徹底的にユーザーファースト原則を貫いているという。

クックパッドの新卒イントレプレナー

何もないスタートアップでゼロから事業を始める、事業会社で新たな収益源として事業を始める、既存の事業へのシナジーを想定して…。

新規事業と一言で言っても、一括りにはできない。そこにはそれぞれの思惑や思想がある。日々、次々と新しいウェブサービスやプロダクトが生まれる中、それらの目的や背景、思想とは一体何なのだろうか?


Holiday Cookpad


今回お話を伺ったのは、9月11日にクックパッドの新規事業としてβ版ローンチされた、おでかけプランの投稿・共有サービス《Holiday》のプロジェクトリーダーを務める友巻憲史郎さん。2014年4月に新卒入社した同期5人で立ち上げたという新規事業の背景や狙いとは一体何なのか?

内定辞退を経て出会ったクックパッド

― Holidayは友巻さんたちが学生時代に開発していたプロダクトが前身となっているそうですね。


はい。僕が大学休学中に作っていたPicolaというレジャー予約サイトが前身となっています。集まったメンバーでチームを組んだのですが、誰も開発経験がなかったんですね(笑)。そこで「俺はギターで」「私はベース担当」と高校生のバンド活動みたいなノリで、開発エンジニア、デザイナー、ディレクターと役割を決めてウェブサービスを作っていました。

その後、メンバーそれぞれ、就職活動を経て内定をもらっていたんですが、みんなこの「休日のおでかけプラン」をテーマにしたサービスに本気で取り組んでいて、なんとか続ける策はないかと模索していました。

僕が内定を頂いていた企業は新規事業開発がとても活発な企業。その旨を相談すると、入社と同時に事業化してサービスを続けるというオファーを頂きました。でもサービスの考えや方針に折り合いがつかず、内定を辞退して。それが去年の10月頃です。

友巻憲史郎


それから、事業会社にサービスを持ち込んだり、VCから資金を調達して起業することも視野に入れていました。サービスを続けることを前提に入社することや、出資のオファーなど話をいくつか頂いていた時に出会ったのがクックパッドだったんです。とある記事でクックパッドがレシピ投稿サイト以外にも、社内外で新規事業を次々に起こしていることを知って、紹介に紹介を重ねてなんとか担当者の方に時間をもらいました。

そこで、いまの上司でもある執行役の石渡と話をしたんです。プロダクトの概要やユーザーに提供する価値を説明すると、僕たち以上の熱量で「おでかけ」とか「休日」に対してアツい思いを語ってきて(笑)、すぐに「うちで一緒にやろうよ」って誘って頂いたんです。

クックパッドとHolidayの相性の良さ

― 他の事業会社にチームでジョイン、もしくはVCからの出資で独立という選択肢がありながら、なぜクックパッドを選んだんですか?


「ウェブサービスを立ち上げた経験のある面白い学生グループ」という見方ではなく、サービスそのものに共感してもらえたことが一番のポイントでしょうか。石渡と話をして、根本的な思想や実現したいことがマッチしたんです。


― HolidayはCGMですよね。国内最大級のレシピ投稿サイトを運営するクックパッドのノウハウを遺憾なく発揮できるなど、サービスに与えるメリットはかなり大きそうです。


確かに、Holidayはいま「いかにユーザーに気持よくプランを投稿していただくか」にフォーカスしているので、クックパッドとの相性はかなりいいですね。

また、ご存じの通り、クックパッドに入社してからは技術面でもとても刺激を受けています。Holidayのエンジニアは、いちからRubyを学んでサービスを開発しなおしました。すぐそばにその道のプロフェッショナルがいる環境は、経験が浅い僕らにとっては何にも代えがたいものです。

クックパッドの新規事業は、ユーザーファーストが最優先

― 事業会社内の新規事業では、会社とどんな握り方をしているかというのが大きなポイントになると思います。Holiday事業は新規事業として、会社とどんな約束をしているんですか?


いわゆる「いつまでにこれを達成する」、「こうなったら撤退」みたいなものは明確にありません。ユーザーの視点に立ったサービス改善を何よりも大切にしていて、この『ユーザーファースト』の原則はどんなKPIよりも優先されています。この点もクックパッドでHolidayをやろうと決めた一因です。


― 「KPI至上主義」ではないと。見方によっては、スゴく“甘い”環境ともとれますよね。


そうですね。ただ僕はHolidayの前身となるサービス開発の経験から、ユーザーの課題を根本から解決するならば、ある程度の時間をもってじっくりと育てていかなければならないと痛感していたんです。

例えば、短期で数字を伸ばそうと思うとユーザーに寄り添わない選択肢、サービスとして間違った選択をとりかねない。解決すべき問題と生み出す価値を間違えそうになると、執行役を含め先輩からすごく指摘されます。目先の数字、目に見える数字じゃない部分っていうのをある種KPIにしているというか…、「ここからブレるようなら、そもそもやる意味ないよね。」という感覚です。

友巻憲史郎


マネタイズの話をするのもそうです。「そういうことを考えている暇があるならユーザーにのことを考えなさい」と。とにかく僕たちはユーザーと直接会います。その改善がユーザーの価値になると、KPIに相当する指標は伸びていきます。

実際、VCを回っていた時や事業会社とサービスの成長の仕方をディスカッションした際、そんな甘い考えでは新規事業として成功はしないといった厳しい言葉も頂きました。ただ僕は、爆発的にユーザーを伸ばしてイグジットすることをモチベーションとする起業家志向ではなかったんです。若い僕らには、本当に課題を解決できるサービス開発に没頭できる、集中できる環境が必要だと。


― どちらかが正しい、間違っているという話ではないですよね。


自分としては、Holidayで生み出す価値で3年後、5年後に勝負するしかないと思ってるので。もちろん厳しい指摘を頂いてちょっと辛かったりした時期もありますが、「この決断が正しかった」って将来胸を張れるように頑張るしかないないですね。


― クックパッドならではの事業に対する考え方が非常に現れている開発・運営方針だと思いました。またお話お聞かせください。ありがとうございました!


[取材・文] 松尾彰大


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