2014.12.12
「時間と気持ちの配分をイコールに」SuMiKa佐藤 純一が語ったこと|TWDWレポートVol.1

「時間と気持ちの配分をイコールに」SuMiKa佐藤 純一が語ったこと|TWDWレポートVol.1

TWDW2日目に行なわれた公式プログラム「働かないで、働く。 ー For Your Life's Workー」イベントレポート。「時間と気持ちの配分をイコールにできれば、自由で幸せに生きていけるのではないか」と語ったSuMiKa佐藤 純一氏のセッションを書き起こし形式でお伝えします。

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大企業→ベンチャー→起業→カヤック→SuMiKa&再起業

【登壇者】
株式会社そろそろ 代表取締役/SuMiKa 事業開発担当ディレクター
佐藤 純一


TWDW Day2 SuMiKa 佐藤純一

よろしくお願いします。今日のテーマ、「働かないで働く」っていうちょっと矛盾をはらんだ感じになってますけど(笑)、どういうことを皆さんが期待されてきたのかなぁと。僕がこれから話そうと思ってるのは、いわゆるワークライフバランス的なことになるのかな。どういう風に、仕事と仕事以外のことを混ぜていくか、ライフワークとの付き合い方みたいな。しかし、皆さんに役に立つのかどうかは一切保証しません(笑)。本当に個人的な、どこにも書いてないし、僕が勝手に思ってることをこれから話そうと思ってるので、ちょっとだけ聞いてください。

TWDW Day2 SuMiKa 佐藤純一

まず自己紹介です。佐藤純一、45歳です。僕自身は東芝、大企業ですよね。東芝でR&Dをやってるエンジニアのチームにいました。それから東芝を出まして、スタートアップベンチャーに転職しました。

その後、自ら起業して独立し、「チームワーキング」をテーマに様々なサービスの提供を行ないました。金融業とか製造業の大企業を中心にコンサルティングしたりとか、チームワーキングのためのアプリケーションサービスを開発したりしていました。

その会社が、面白法人カヤックという会社に合流することになりました。執行役員として事業全般を見させてもらう時期があり、現在は、SuMiKaというカヤックとタマホームが共同設立した会社で事業開発をしています。まだ創業1年半くらいの会社です。最近、並行して「そろそろ」という会社をおこしました。

お伝えしたいのは、大企業からスタートアップベンチャー、起業したりして、面白法人カヤックに入り、そしてまた起業、と色んなところを転びながらちょっと変わった経歴をしているということかなと思います。

時間と気持ちの円グラフをできるだけ近づけていく

TWDW Day2 SuMiKa 佐藤純一

ここからが本題です。私自身が考えるワークライフバランス的なことを話したいと思います。

まず最初に提案なんですけど、よく「仕事」と「プライベート」という風にわけるじゃないですか。この二項対立やめませんかっていうのが、僕のメッセージなんです。人は誰でも2つの円グラフを持っています。ひとつは気持ちの配分で、もうひとつは時間の配分。この2つの円グラフをつかって、自分の仕事やプライベートを考えられると良いと思っています。

TWDW Day2 SuMiKa 佐藤純一

例えば僕の場合だと、小学校5年生の息子と小学2年生の娘がいるんですね。もし、彼らに困った事があれば、子どものことが気になってしょうがなくなるだろうし、震災復興とかのボランティアに行きたいなとも思うし。色々気になることがあるじゃないですか。その気持ちの配分っていうのは家庭も仕事も簡単に分けられるものではないんですね。しかもそれは時につれてどんどん変化する。今、こういう風に気持ちの配分としてありますと。気持ちの配分は、それを素直に表したものです。

かたや、時間の配分。自分の時間をどう使っていますか、という話です。

人間だれしも1日24時間しかないですよね。色々やりたいことあるけども、時間は限られるわけです。自分の時間の使い方はいろいろな状況や制約にもとづいて決まってきます。この気持ちの配分と時間の配分っていうのを全員皆、人間はもっていて、この2つの円が近づけば近づくほど幸せなんじゃないかと思うんです。これは僕の持論です。

僕は、可能な限りこの自由度を手に入れたいと思っています。気持ちの配分の通りに時間を使いたい。この自由を手に入れるために何をすればいいんだろうと考えます。もちろん、会社に8時間固定的に縛られるとか副業禁止とか、仕事に関する時間の自由がないって事があるかもしれませんが、実はほとんどの場合それだけではありません。収入や家族の状況、住んでる場所っていうのもありますよね。

TWDW Day2 SuMiKa 佐藤純一

円グラフがぴったりじゃなくてもかまわないから、なるべく近くに寄せられるような自由を手に入れる。それが僕にとってのライフデザインの考え方ですね。モヤモヤしている時はだいたいこの2つの円グラフにギャップがある時なんです。

ですから、モヤモヤしてる人は書き出してみましょう。時間の使い方はだいたい自分でなんとなくわかってんですけど。自分の気持ちがどんな配分かっていうのは、書き出してみないとなかなか気づかないものなんですよね。この配分はどんどん変わっていくものなので、僕は月に2回くらいの頻度で書き出しています。

大義と市場があるのに負けたら、それは罪だ

TWDW Day2 SuMiKa 佐藤純一

さて、もうひとつ。私にとっての「ライフワーク」って何だろうって考えてみました。私が取り組むべきこと、心底やりたいこと。僕が仕事にしたいと思っていることには一応、条件が3つあるんです。ひとつは大義があること。自分の意識の中で「これはやる意義がある」と勝手にでも思える、そういう大義があるのか。あと市場がある。潜在的にでもそれを生活者や社会にニーズがあるって感じるのは大きいと思うんですよ。最後に大事なのは勝機があること。

大義があって、市場があるのに、中途半端に手を出して負けたら、それは罪だと思います。やってはいけないことなんですよ。フォロワーすらいなくなってしまう。それは自分や自分のチームがやれることなのか。自分が挑戦していいのかどうかっていう条件があると思うんですね。

ただこの話、すごい立派じゃないですか(笑)すごく立派なこといってるんですけど、伝えるのがすごい難しいなと思ってて(笑)。これ人に説明する時にいつも俺は「先生」になっちゃてると思うんですけど。これ本当どうにかしなきゃいけないなと思っていたら、遠山さん(スマイルズ株式会社 代表取締役社長)が「やりたくてやるべきで、やれること」って仰ってて。これは本当うまいコピーだと(笑)。全部言いえている。ほんとにすごい。僕が言いたいことも、やりたくてやるべきで、やれること、3つあるんです。遠山さんと同じように立派な事言ってます…というつもりないんですけど、本当に遠山さんはかっこいいなって(笑)。

そして、ライフワークっていうのは、先ほど大石さんもいってたけど、なかなか出会えないと思うんですよね。心底やりたいことってなかなか出会えないじゃないですか。その気持ちって、自分の内側から湧き出るもので、自分では制御不能だし。もちろん出会ってみなければ、結局どういうことやりたいとかも説明することもできないし、そこに理屈ないじゃないですか。常に理由は後付けなんです。

突然人と会って、急にやりたくなることもあるだろうし、その地を訪れたら向かわざるを得ないみたいな衝動にかられることもあるじゃないですか。そういうものって、なかなか計画して出会えないんだけど、ただ出会う機会を増やすことはできるんじゃないかなっていう風に思ってるんですね。

自分にとっての「快適ゾーン」からエスケープしよう

そういう意味で、僕がやってるのは、「強みになったら旅に出る。」ということです。僕は元々コンサルティングファームを経営していたり、その前は大規模なシステム開発でシステムアーキテクトやプロジェクトマネージメントやっていたり、まあ色んな事やってたわけです。そんなに飽きっぽいわけじゃないんですけどね。自分とその身の回りの社会の影響の度合いが強いほどやりがいがあると思うんですけど、それが薄くなってきちゃうと、自分がやってる意味を感じられなくなっちゃいますよね。与えっぱなしでもよくないし、与えられっぱなしでもよくない。その領域でエキスパートになってくると、どちらか一方になってくる感覚にいたたまれなくなってしまうんです。

TWDW Day2 SuMiKa 佐藤純一

自分の成長機会を奪ってるのはだれでもない過去の自分なんです。これは組織もそうだと思ってるし、自分自身もそうだと思ってるんですけどね。結局自分が成長していくっていうのは、自分の過去の成功体験が自分を縛ってることでしかないと思ってるんですよ。だから、本当に若い子にこんな事言っちゃいけないと思うんですけど(笑)、付き合う人がガラッと変わるくらい大きく仕事を変える。

人との繋がりを捨てるわけではありませんよ。仲はいいんです。でも、自分が起業したときの人たちは面白法人カヤックなんか知らないし、「佐藤は社会からドロップアウトした」と思われてるんですよ。「面白い会社」ってなんだよって(笑)。そんな、むしろその頃の人たちは理解できないところも逆に楽しめるくらい、全く違うフィールドにいくのっていうのは面白いなって。

自分が認められている領域って自分にとっては快適なゾーンじゃないですか。収入もいいかもしれないし、みんな尊敬してくれているし。そういうところから抜け出すのに少しだけ勇気いるかもしれないんですが、別の領域にいくからこそ、自分の価値は高まるんです。

僕も面白法人カヤックにいって、特にクリエイターでもないし、エンターテイメント事業を知ってるわけでもなかったわけです。でも法人向けのビジネスは知ってるし、ある程度ビジネスの作り方みたいなことは知っていて活躍する余地もあった。ただそれだけのおっさんですよ(笑)。そういう風に別の領域に行けば自分が活きる道もあるみたいな。

そういうニュアンスはすごく大きいと思うんですよね。もちろん新しいフィールドに行けば人生をかけた恋、ライフワークに落ちるかもしれません。

TWDW Day2 SuMiKa 佐藤純一

ちなみにこれは、ぼくの2004年から10年間です。ネタじゃないですよ。変に若返ってしまって、これからどうなっていくんだろうって、こんな自由でいいのかなぁみたいな。これ絶対何かが間違ってる。家族も心配してます(笑)。路上で仕事してるし(笑)。

最後に改めてお伝えしたいんですけど、もう一度この機会に、自分の時間の使い方と気持ちの配分を考えてもらいたいんですね。二つの円グラフ。この2つが一致すれば、本当にハッピーに働き方や暮らし方を考えられるんじゃないかなと思っているんです。それが私のたった一つのメッセージなんです。

以上になります。ありがとうございました。


佐藤さんのプレゼンテーションはこちら


編集 = 松尾彰大


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