WEB・IT業界で働く人々の人生を少し豊かにするメディア

CAREER HACK

動画配信技術とAWSの話で大盛り上がり!エンジニアたちのギークでディープな一夜

2015-04-24

動画配信技術とAWSの話で大盛り上がり!エンジニアたちのギークでディープな一夜

オプトで開催された、エンジニアイベント『市ヶ谷Geek★Night』をレポート!動画配信技術の変遷や米国AdRoll社の事例について話されたセッションの様子をお届けします。ギークなエンジニアたちが思わずうなったディープな一夜の全貌とは?

『市ヶ谷Geek★Night』って??

4月14日、オプト本社にて開催された第1回『市ヶ谷Geek★Night』。「“エグイ”開発現場の裏側をお見せします」と銘打ち、エンジニア向けの事例共有・交流の場として開かれました。

イベント中は、Twitterのハッシュタグに「とてもDeepな話だ…」「体系的な話でめっちゃためになる」といったTweetが次々にポストされるなど評判は上々。イベントのなかでも、ギークなエンジニアたちが思わずうなったトークセッションの様子をレポートします!


【登壇者紹介】
スキルアップ・ビデオテクノロジーズ株式会社
斉藤健二 Kenji SAITOH

アマゾンデータサービスジャパン株式会社
今井雄太 Yuta IMAI

動画配信技術は、どのように進化を遂げていくのか。

主催者挨拶のあとに登壇されたのが、スキルアップ・ビデオテクノロジーズの斉藤健二さん。動画配信技術の進歩について、自社の事例を交えてお話しされました。まずは動画データ蓄積手法の変遷について語られた部分をご紹介します。

より大きなデータを効率よく格納するために、蓄積方法は多様化してきています。10~20年前は、専用のストレージがあったんですが、すごく高かった。たったの1000ストリームを吐くために、2000万円が必要でした。ユーザーが1万人、10万人と増えていけば、1億円、数億円、と。

だんだんとオンプレミスストレージで、汎用品や動画配信のオリジンとしても使えるものが出て、あとは、クラウドですね。有名なのだとS3とかありますけど、CGNと呼ばれるような会社が持っているような動画配信専用のクラウドストレージだと、そこそこ安いです。データもたくさん置けますし。

斉藤健二さん

スキルアップ・ビデオテクノロジーズ 斉藤健二氏


非常に選択肢が増え、うちの会社でも、これらを全部併用して使っています。ただ、今後の課題という点では、当然この市場の規模はどんどん大きくなることは想定してますし、映像の品質やサイズなどの扱うデータの量も増える前提なんで、解決方法がまだ見えていないところが正直あります(苦笑)。

話は蓄積から伝送、そして再生の技術へと展開していきました。

蓄積し、伝送したものは再生されるわけですが、デバイスには汎用的なものから専用のものまで実にいろいろあります。そのうえで、デバイスにプレイヤーが乗っかっている。FlashもSilverlightも、プレイヤーですね。でも、このデバイスにはこのプレイヤー、というように組み合わせていると、スピード感も出ないしお金もかかっちゃって、なかなか商売できない。よほどお金を持っている人しか対応できないという課題がありましたね。

それから、デバイスごとのバラツキもありました。このデバイスでは動くのに、こっちでは動かないとか。アプリやゲームをつくっている人のなかには詳しい方が多いですが、とくにAndroidですね。もちろん全部ソフトウェアで実装して、性能もその範囲に収めれば、ある程度吸収できるんですけども、もともとOSに入っている再生機能とか、いろんな機能を使おうとすると、OSに依存してしまって動かない。

市ヶ谷Geek★Night

とにかく大事なのは、普及しているすべてのデバイスに対して同じようなサービスを提供することで、同時に求められていることだといえます。デバイスや受信環境は専用から汎用へ進化し、進化できないものは淘汰されました。

最近は、同じ配信方式と同じコーデックへの対応が進んでいるので、配信してあげる側や受信するためのプレイヤーをつくる側としては、方式のそろった動画だけにフォーカスすれば、よいサービスが生まれるような環境になってきたといえます。

この後、コンテンツ保護の話を結びに斉藤さんのパートは終了しました。時系列で体系的にお話しされた動画配信技術のこれまでとこれから。あらためて理解する機会になったのではないでしょうか。

なぜAWSは選ばれるのか。

続いて登壇したのは、アマゾンデータサービスジャパンの今井さん。米国でDSPサービスを全世界に展開しているAdRoll社の事例より、データベースを選ぶ際のポイントについてお話しされました。


まず、AdRollのアーキテクチャーについてお話しさせていただきます。AdRollはDSPの事業を行なっている会社です。1日で処理するデータ量は150TBで、だいたい5ms以内に処理しており、グローバルで100万リクエスト以上捌いてます。

あとは、どの広告が一番ユーザーにマッチするのかを判断するためには、この人は男なのか女なのか、年齢はいくつぐらいなのか、といったいわゆるデモグラフィック情報をためておく必要がありますよね。ここは、1000億アイテム、データベースのなかにグローバルで格納されているわけです。

今井雄太さん

アマゾンデータサービスジャパン 今井雄太氏


DSP自体は1日に600億ビッドリクエストを処理しており、非常に大規模なものです。絶対値が多いので、1%でもダウンタイムが起きると、ビジネス的なインパクトも大きくなるということはおわかりいただけると思います。ものすごい大量のデータを持って、それを非常に短時間にレスポンスを返すデータベース。これに何を選ぶのかというのが、すごくポイントになってくるわけです。

選択肢としてご紹介するのが、CassandraとDynamoDBというAWSのデータベースサービスですね。最終的にAdRollではDynamoDBを導入しているわけですが、その経緯を少し。ちょっと宣伝っぽくなっちゃいますけど(笑)。

たとえば、1000億アイテムをさばくときに、AdRollの計算ではDynamoDBのほうが最終的には安くなったということになっています。あとはCassandraを運用するうえで必要なのが、毎月1500万円分ぐらいのエンジニアリソースが必要でしょうみたいなところをAdRollは計算をして…という経緯もあるのかな、と。個人的な感覚だと、東京だけで、そのシステムを展開するというのであれば、恐らくCassandraの運用というのも、充分できるんじゃないかなと思うんですけれど。AdRollは世界4リージョンのすべてのタイムゾーンの地域に広告を配信してるということになります。ということは24/365でCassandraを面倒見れる人が必要になるわけで。そうすると、費用もそうですけども、そもそもそんな人を24/365で潤沢に雇えるか、みたいなネックもあってDynamoDBが選ばれたのかなと思っています。

市ヶ谷Geek★Night

ただ、DynamoDBは当然オープンソースではありません。AWSのサービスです。ロックイン大丈夫なのか?みたいな議論はありました。

ここでAdRollの彼らは「今のシステムは、今の規模の10倍ぐらいのトラフィックの増加を、現実的に見て考えればいいんじゃないか。今の時点で、今の100倍のことを考えるのなんて無意味じゃないか」という話をしています。というのもあってですね、現実的に、この負荷をさばけるDynamoDBを選んだ。オープンソースじゃないことへの不安よりも、サービスの運用というスピードを選んだということですね。

この後、DynamoDBの具体的な運用方法の話になり、今井さんのパートは終了しました。参加者のなかには、AWSのスゴさを再確認したという方もいたとか。いずれにせよ、データベースを選ぶ際の一つの判断軸を得ることができたのではないでしょうか。


さて、第1回『市ヶ谷Geek★Night』の様子をレポートしましたが、いかがだったでしょうか?今後第2回、第3回の開催も予定しているので、興味のある方はぜひ参加してみてください。きっと、濃密な時間が過ごせるはずです。


[取材・文]田中嘉人



CAREER HACK をフォロー

タグ一覧