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会議をハックせよ! プロジェクトを成功に導く、Webディレクターたちの会議術 by コパイロツト

2017-02-14

会議をハックせよ! プロジェクトを成功に導く、Webディレクターたちの会議術 by コパイロツト

プロジェクト成功の秘訣は会議にあった? チーム・会社をこえたプロジェクト単位の仕事も増え、より重視される会議の進め方。会議術はこれからのWebディレクターにおける必須スキルに。プロジェクトファシリテーションに強みを持つCOPILOT(コパイロツト)を取材した。


[記事ハイライト]
・Webディレクターの真価が問われる、会議の進め方
・あえて会議を行う、そのメリットとは?
・『ミーティングユニット』を用いた会議設計
・『アジェンダシート』で「完了の定義」を明確化する
・ファシリテーションが必須スキルになる時代

Webディレクターの真価が問われる、会議の進め方

「果たしてこの時間に何の意味があるのか」

会議の時間が大幅に長引いたり、なかなか結論が出なかったりしたとき、誰もが感じることではないだろうか。「会議なんて時間のムダ」「いや、Face to Faceのコミュニケーションは必要だ」…と、さまざまな議論が繰り返されてきた。

一体、会議をうまく機能させるためにはどうすればいいのだろう。

こういった悩みを解決すべく、COPILOT(以下コパイロツト)を取材した。彼らはWebにおける制作ディレクション、チームビルディング・業務改善などに深く入り込んでソリューションを提供する。そのステップでクライアントのビジネスモデルを理解し、伴走しながら事業を成功させるためのサポートを行う。そこから、新規事業開発に対するアドバイスやプロジェクト推進まで仕事が拡張している。

ユニークなのは、自社に制作チームを持たないことだ。プロデューサー、Webディレクター、PM、ナレッジマネジメントを担うメンバーが在籍。クライアントのパートナーとして本質的な課題解決に向き合う。特にプロジェクトをスムーズに進行し、成功へ導く「プロジェクトファシリテーション」が強みだ。

COPILOT(コパイロツト)

COPILOT(コパイロツト)ホームページ


今回特に注目したのが、プロジェクト推進に大きく貢献する「会議術」。どうすれば「プロジェクトを成功に導く会議」をファシリテートできるのか。コパイロツトでWebディレクターとして活躍する真野剛彦さん、奥山真広さんにお話を伺った。

あえて会議を行う、そのメリットとは?

そもそも「会議」とは何のために行われるべきか。コパイロツトの真野さんはこう語る。


「当たり前ですが、減らせる会議は減らした方がいいと思います。ムダな会議をやる必要はない。でも、プロジェクトを効率的に進めるための一つ手法として会議があると思うんです(真野さん)」


あえて会議を行う、そのメリットをコパイロツトでは下記のように捉える。
※さまざまな組織・企業のチームが協業し、規模感のあるプロジェクトを前提とする。

ステークホルダーを集められる
会議によっては、プロジェクトに携わるステークホルダーを一堂に集めることができる。プロジェクト規模が大きくなればなるほど、複数レイヤーにまたがってそれぞれ意思決定者がいることも。それを一つひとつクリアするにはどうしても時間がかかる。ドキュメントベースの確認だけでは簡単ではないが、会議における議論であれば複数人の意見を一気に聞くことできる。その場で意思決定を進められるケースも。

相手の「立場」や「思い」が読み取れる
会議は顔を突き合わせる場。空間を共有することでリアクションや空気感、組織における関係性など、さまざまな細かい情報を得ることができる。オンラインでは見えてこない「思い」に触れる機会にも。わざわざ言語化しなくてもいい部分は、その場で察した方が効率がいい。

情報の伝え漏れや共有ミスを無くすことができる
メールやチャットで情報を共有するだけでは不十分なこともある。多くの人がさまざまなプロジェクトを抱えていて忙しい。ドキュメントを共有しても見ていないケースも。情報の伝えモレや共有ミスが起こってしまうと、ムダな時間を費やすことに。会議で直接会って情報が届いているか、真意が伝わっているか、確認の場にできる。

加えてユニークな話が伺えた。それは、誰もが面倒だと感じる「稟議書」についてだ。もともと稟議書は「会議を減らすプロセスで生まれたもの」だというのだ。会議を行わず、判子を押すだけで組織の合意が取れる。もともと合理的なものだった。


りん‐ぎ【稟議】〘名〙 (「稟議ひんぎ」の慣用読み)

[1]上位の人にはかり申しあげること。
*地方官会議日誌−一二・明治八年(1875)七月五日
「新築更正に係るものは、内務省に稟議すべし」
〔宋史−高宗紀・五〕

[2]官庁や会社などで、会議を開くほどではない新事項が生じたとき、主管者が決定案を作成し、関係者間に回して承認を求めること。
*太政官布告第百六号−明治九年(1876)八月
「之を大蔵卿一日に稟議して」

小学館 精選版 日本国語大辞典


つまり会議にせよ、稟議書にせよ、あくまでも意思決定・合意形成における手法のひとつ。重要なのは、一番効率よく意思決定するにはどうしたらいいのか、ということなのだ。

つづけて、会議の有効性について、奥山さんはこう語ってくれた。


「合意形成の場、手段として会議をとらえるだけではありません。プロジェクトのマイルストーンとして会議をプロットすれば、予定が立てやすくなります。また「会議までに必ずアウトプットを出す」としておくことで、振り返りがしやすい。それを利用し、仮説と実績を俯瞰できます(奥山さん)」


つまり会議を適切に設計し、実行できれば、あらゆるプロジェクトの推進に役立つということ。次項でより詳しくその方法について見ていこう。


COPILOT(コパイロツト)

Webディレクターの奥山真広さん(左)と真野剛彦さん(右)


『ミーティングユニット』を用いた会議設計

「会議は使い方によって非常に効率的な手段になりえる」

たしかに納得できる。

しかし、「会議にばかりに時間を取られ、肝心のプロジェクトが先に進まない」という話はよく聞く。会議を上手く機能させるためには一体どうすればいいのだろう。

彼らが体系化し、取り入れているのは「会議を設計する」という考え方だ。まずはプロジェクト全体のKGI/KPIなどをもとに、各定例会議で決めるべきことを洗い出す。例として「新規事業」を例に図にするとこうだ。


COPILOT(コパイロツト)


図のように最終ゴールから逆算する形で中間ゴールを定め、その上で個別の会議で議題をセットし、進めていく。


「たとえば、プロジェクト開始の前に「週1で定例会議を行う」というコンセンサスが取れたとします。そうしたら、まずはその会議を3か月ごとの期間で区切るんです。僕らはこれを『ミーティングユニット』と呼んでいます。そして、各ユニットごとにゴールを設定していく。こうすることで、全体のゴールまでの道筋がわかりやすくなります(真野さん)」


そして『ミーティングユニット』ごとのゴールをさらにブレイクダウン。週1回の定例会議で何を決めておく必要があるのか、何をすべきか。あらかじめマッピングしておく。


「会議の進行中、あらためてブレストが必要になったり、新たな議題が出てきたりすることもあります。事前に各会議の意義を明確にしていれば、それをスケジュールのどこに組み込めばいいか、コンセンサスがとりやすくなります(真野さん)」


COPILOT(コパイロツト)

『ミーティングユニット』における3か月という期間はあくまで目安だが、3か月間はひとつポイントに。「現実的な見通しが立てられて、全体の道筋をつかむのに適した期間」であることが多いという。


『アジェンダシート』で「完了の定義」を明確化する

あらかじめ「どこに向かうための会議か」が可視化されることで、会議をうまく機能させることができる。そのためのルール・ツールも徹底する。


「必ず前回の会議で決まったこと・話をしたことなど議事録にし、次の会議のアジェンダ(議題)に記載していきます。事前に「合意事項」を積み重ねていくというやり方です。これをルール化しています(真野さん)」


つまり「議事録」と「アジェンダ(議題)」が常にセットになっているということ。


COPILOT(コパイロツト)

議事録とアジェンダ(議題)は常にセットに。プロジェクトに携わる全員がこの進め方を理解し、合意の上で会議とプロジェクトが進行されていく。


さらに、会議の精度を高めるためにアジェンダの「中身」が重要になる。彼らは独自の「アジェンダシート」を用いている。

実際にコパイロツトで使われているアジェンダシートがこれだ。


COPILOT(コパイロツト)


特徴的なのは『完了の定義』の項目があることだ。常に会議は「定義のすり合わせ」からスタートさせる。


「アジェンダ(議題)ごとに必ず『完了の定義』を決めるようにしています。会議で話し合ったはずなのに、終わってみると結局何が決まったのかわからない、ということが防ぐためです。その議題を完了させるには何が決まらなければならないのか?はじめにしっかり握っておくことが大切です(奥山さん)」


さらに『完了の定義』が設定されていると、議論を活発化させたり、話を脱線させないようにしたり、ファシリテーションがしやすくなるそうだ。


「全体の道筋がはっきりしているから、仮に話が逸れたときも「それはいま話すことではないですよね」ということが共通の認識でわかります。逆に、最初は想定してなかったけれど「これは話さないといけない」という事柄が出てきたら、適宜、議事録→アジェンダ(議題)に追加していく。全体の道筋が決まっているからこそ、プロジェクト進行中の変化にも対応ができるんです(真野さん)」


もうひとつ、とても興味深いのは、ここまで見てきた『会議設計』と『アジェンダシート』を用いれば、たとえ経験の浅いディレクターでもプロジェクトの全体像を掴み、ゴールへ導くことを可能にしている点だ。この仕組みやツールを使いながら仕事をすることで、プロジェクトファシリテーションのスキルが磨かれていく。


COPILOT(コパイロツト)

コパイロツトの会議ではディスプレイを2面使うことが多い。会議設計・アジェンダシートを常に表示し、全員で「いま何について話をしているのか」「ゴールはどこか」こういったコンセンサスをとり、論旨をブラさない。


プロジェクトファシリテーションが必須スキルになる時代

もうひとつ、コパイロツトでのプロジェクトの捉え方を紹介したい。そこには大きく2種類あるという。

まずは、プロジェクト期間が明確に決まっているもの。その時点までに明確なゴールを決めて成果を追っていく。そのためゴールから逆算して道筋を決める、ストーリーを組み立てていく。前述で見てきたミーティングユニットを取り入れた会議設計が適していることがわかる。

もうひとつは新規事業のような期間が決まっていない、トライアルとエラーを繰り返しながら進むプロジェクトだ。状況やチームもその都度変化していく。このとき『ミーティングユニット』における「3か月」という区切りが活きる。状況の変化に応じ、ゴールやアウトプットの見直し、事業のピボットなど検討をしやすくする。

言うなれば前者はウォーターフォール的で、後者はアジャイル的ともいえるだろう。この両方に対応していくために確立されたのが、コパイロツトの会議術だ。

なぜ、同社はここまで会議・プロジェクトマネジメントにチカラをいれるのか。そこにあるのは「ディレクターの介在価値」に対する危機感だ。

最後に、コパイロツト代表である定金基さんのコメントを紹介して締めくくりたい。


「今後、新しい技術が生まれたり、働き方が多様化したりしていくなかで、プロジェクトは多種多様になると予測できます。それこそ、エリアや言語を超えたプロジェクトなんて当たり前になるかもしれません。マルチステークホルダーが参加するケースも多くなるでしょう。その時に重要なのは、どうやってプロジェクトをファシリテーションしていくか。いま、コパイロツトがクライアントに提供しているのは、その「プロジェクトファシリテーションスキル」と言い換えてもいい。Webディレクターとして一歩抜きん出るために必要なスキルです。「会議術」の習得はそのはじめの一歩といえると思います(定金基さん)」


単にスケジュールを切って、進行管理をしていくだけでは身につかないプロジェクトファシリテーション。同社ではそのスキルをより具体的に分解。体系化したプログラムとして「コンセンサス・マネジメント」を提供していく考えだ。これはプロジェクトに携わる人、全員のコンセンサスを取りやすくし、プロジェクトを推進するもの。さらにこの会議術で「プロジェクトファシリテーションできるオンラインサービス」を公開していく予定だという。

Webディレクターの仕事は、各社によって定義・担当領域が異なる。スキルセットもまちまちだ。ただ、今回ご紹介した会議術・スキルは共通して重視されるはず。まずは目の前の会議を「ムダな時間」にしないために、どう機能させていくか。ぜひ参考にしていただきたい。



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