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STORES.jp リニューアル秘話!「一度離れたユーザー」を呼び戻すことに成功したポイントとは?

2016-03-28

STORES.jp リニューアル秘話!「一度離れたユーザー」を呼び戻すことに成功したポイントとは?

開設ストア数50万を超え、絶好調のオンラインストア開設サービス《STORES.jp》。躍進のウラでリニューアルが行なわれていたのをご存知だろうか。しかも、リニューアルすることで一度離れたのにSTORES.jpに戻ってきたユーザーもいたという。彼らは一体何を仕掛けたのか?

STORES.jpリニューアルの3つのポイント

2016年1月26日に行なわれたリニューアルが絶好調だという《STORES.jp》。特に注力したのがストアオーナーが利用する管理画面リニューアルだそうだ。その結果、アクティブ利用率が15%UP、管理画面の直帰率が50%ダウン、さらには一度STORES.jpを離れたストアオーナーが戻ってくるなど結果がすでに表れている。一体、彼らは何をしたのだろうか。3つのポイントに分けてお届けする。

【1】目的の明確化と開発チームを交えたユーザーインタビュー
【2】キーワードはパーソナライズ
【3】ユーザーの要望を鵜呑みにしない

《STORES.jp》は株式会社ブラケットが運営するオンラインストア開設サービス。「最短2分で開設できる」という開設ストア数はなんと50万以上。2012年9月のローンチから今日にいたるまで、ストア数は加速度的に増加している。


【STORES.jp開発チーム】
河原香奈子 Kanako KAWAHARA|リードデザイナー
牧野圭将 Keisuke MAKINO|エンジニア
矢部剛嗣 Takeshi YABE|エンジニア

ポイント【1】目的の明確化と開発チームを交えたユーザーインタビュー

― まず、管理画面をリニューアルするに至った経緯から教えてください。


河原
まず、よりアクティブに使ってもらうためですね。オンラインストアを開設しただけじゃ、アイテムって売れないじゃないですか。STORES.jpはカンタンにオンラインストアをつくれるというところはすごい得意なんですけど、継続して利用してもらうという点にはまだまだ改善の余地があった。“とりあえず立ち上げた”みたいな店が多かったんで、もっとアクティブにつかってもらう仕組みをつくろうと思いました。

もうひとつ、各機能の認知拡大というが狙いですね。STORES.jpでは有料会員向けにいろいろ機能を用意しているんです。でも、ストアオーナーの方とランチミーティングしたときに、「こういう機能欲しいんだけど…」って用意されている機能への要望をいただくこともあって…。もっと機能の存在を訴求していく必要があると感じました。

STORES.jp開発チーム

中央:河原さん、右:牧野さん

― ストアオーナーの方とのランチミーティングってスゴイですね。


矢部
広報の千田からの誘いです。千田が月に1回ストアオーナーの方にインタビューしていたんですが気付きが多かったので「開発チームも来たほうがいい!」と。

河原
STORES.jpは「すべての人が1人1つオンラインストアを持ってほしい」という想いでサービスを運営しています。ただ、「すべての人」の対象ってメチャメチャ広いじゃないですか。ホントにすべての人に使ってもらうには、いろいろ機能を追加しなきゃいけないわけです。

かたやで、最短2分でオンラインストアをつくれるというすごいシンプルな世界観を大切にしています。だから、最大の強みを損なわずに、サービス自体のポテンシャルをより引き出すようなリニューアルをする必要がありました。

ポイント【2】キーワードはパーソナライズ

― 具体的な取り組みについて教えてください。


矢部
まず、河原を中心に目指すべき世界観やゴール、実装したい機能などをまとめました。

リニューアル資料

リニューアル後の管理画面(3枚のカード)|河原さんの発表資料より

牧野
リニューアル前の管理画面にはストアを始めたばかりで商品も登録してないし何も売れてないのに、トップページに【注文一覧】や【入金売上額】へのリンクがあったんです。でも、フツーに考えればいらないじゃないですか。だから、パーソナライズをキーワードに必要な人に必要なものを3枚のカードで伝えるっていう仕組みに変えました。

河原
ストアオーナーの方って、趣味でアクセサリーを売っているような方から、企業のEC担当としてビジネスとしてストア運営している方まで多岐にわたります。であれば、逆に売上状況やアイテムの登録数によって管理画面に出る情報を変えられれば、すべての人をターゲットにできると考えました。結果的に、課題だったアクティブ率とか機能の訴求とかも一気に解決できたと思います。


― 使いやすくなったとはいえ、ユーザーであるストアオーナーの方にとっては使い慣れた管理画面が変わったわけです。反発とかはありませんでしたか?


河原
正直、ちょっと不安だったんですけどほとんどなかったです。普段使っている方からは、お礼の電話やメールをいただくことが増えました。オーダーから発送までがやりやすくなったとか、アイテムを登録しやすくなったとか。事前にユーザーインタビューとかアンケートのチェックとかも徹底したし、開発段階のデザインをストアオーナーさんに見てもらっていたことが要因かな、と。

STORES.jp開発チーム

左:矢部さん

牧野
戻ってきてくれたオーナーさんもいますよね。

河原
そうそう。1回STORES.jpを辞めてたけどリニューアルのウワサを聞いて、もう一度始めてみたら使いやすくなってたんで本格再開したという方もいらっしゃいました。

ポイント【3】ユーザーの要望を鵜呑みにしない

― リニューアル中に苦労したこととか学んだこととかはありましたか?


牧野
ユーザーから「こういう機能が欲しい」って言われたときに要望を鵜呑みにするのではなく「欲しい理由は何か?結局何がやりたいのか?」を掘り下げて考えるようになりました。

実は、ユーザーから「HTMLを使ってトップページを自分好みのデザインにできるよう改良してほしい」という要望をもらったことがあったんです。でも、HTML書ける人ってごく一部じゃないですか。「HTMLを使える」という機能を実装したところでほとんどのユーザーにとっては意味がないわけです。この要望の本質って「自分好みにデザインしたい」という点なんですよね。だから、もっと手軽にストアのデザインをカスタマイズできる機能を追加しました。

矢部
今でもユーザーさんから「こういう機能が欲しい」という声があるんですけど、問題の本質を明らかにしたうえでSTORES.jpらしく解決・提案していけたらいいなと思ってます。

STORES.jp開発チーム

― もし今後大きな開発に携わるとしたらどのような点を意識しますか?


河原
うーん…今回は一度にすべてを変更することがベストだと思って取り組んだんですけど、そうじゃないケースもあると思うんですよね。小さくつくって小さく試す。効果が出れば、どんどん広げていくみたいなケースもあって。ユーザーに対して、最も適切な進め方を模索することはポイントかなと思います。

牧野
僕は巻き込むことの大切さを感じていますね。エンジニアはもちろん、デザイナー、広報、電話対応してくれてるカスタマーサポート、さらにはユーザーも巻き込んで、STORES.jpでどんな価値を提供したいのか、を詰めていくフェーズがすごい良かったんです。実際、この経験は今関わっているプロジェクトでも活きていますね。

矢部
今までは個々の能力に任せて、1つの開発に取り組む感じだったんですけど、今ではチームとして組織として取り組んでいけるようになりました。お互いに足りない部分も補うことができるから、サービスの質も個々のスキルの向上にもつながっているんじゃないかと思います。


― 「小さくつくって、小さく試す」、「巻き込んでいく」、「チームで共通のゴールに向かって取り組む」、シンプルですが実際にSTORES.jpのリニューアルで実績を残したお三方の言葉だと重みが違いますね。今日はありがとうございました!



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