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Qiita 生みの親、海野弘成(@yaotti)が語る! 良いチームを定義する2つの条件

2016-10-25

Qiita 生みの親、海野弘成(@yaotti)が語る! 良いチームを定義する2つの条件

情報共有ツール「Qiita:Team」のプロダクトマネージャー(PM)を務める海野弘成さん。海野さんは「良いチーム=自律的なチーム」と定義し、構成要素を共有した。

海野弘成が語った、「自律」と「心理的安全性」の重要性

※2016年10月24日に開催された「Japan Product Manager Conference 2016」よりレポート記事をお届けします。

映し出されたスライドのタイトルは『Product Team Management』。

登壇したIncrements株式会社CEOで、情報共有ツール「Qiita:Team」のPMを務める海野弘成さんは、 自身の経験から「プロダクトマネージャー(PM)の関わるチームビルディング」に絞って発表した。セッションの冒頭で、海野さんは2つの条件を満たしているのが「良いチーム」であると定義する。

まずは「成果が出せるチーム」。プロダクトにおいて成果があることは大前提だ。そして「自律的なチーム」。今回のセッションで、海野さんは後者の価値を伝えたいという。


[プロフィール]Increments株式会社CEO 海野弘成
1988年兵庫県生まれ。京都大学工学部情報学科在学中にはてなやGoogleにてソフトウエアエンジニアとしてインターンを経験。iOSアプリ開発などを担当する。2011年、友人2人と作ったプログラマのための技術情報共有サービス「Qiita」をローンチ。大学卒業後の12年2月、Increments株式会社を設立し、代表取締役に就任。主なサービスに、Qiitaのほか、チーム間情報共有ツール「Qiita:Team」がある。

なぜ「自律的なチーム」が求められるのか?

自らの規範、会社のクレドに則ってメンバーが動く「自律的なチーム」が必要だと海野さんは語る。その理由はこうだ。

製品開発においては「不確実性」の高い仕事を進めていくことになります。不確実性が高い仕事、それはつまりイノベーションが求められる領域。取り組んでいる側もはっきりとしたゴールに向かって進めることばかりではありません。「どのようにやるか(HOW)」よりも、「なにを、なぜやるのか(What,Why)」が大事になってくる。だからこそ自律的に発想し、課題や解決法を探索し、試行錯誤できる体制が求められるのです。


Increments_海野弘成さん


一方で、不確実性が低い仕事、たとえばルーチンワークでは効率を高めることが必要だという。そういった場合においては「どのようにやるか(HOW)」の改善を常に考えていく。そのときに重要なのはマイクロマネジメントの発想だと補足した。

ここで重要なのは、不確実性が高さ、低さは仕事における優劣ではないということ。あくまでも両軸をまわしていくかということだ。

「自律的なチーム」をつくる3つの要素

では、どうすれば、不確実性の高い仕事に取り組める自律的なチームがつくれるか。海野さんは、以下3つの要素を掲げている。

1.メンバーに裁量がある
2.チームに試行錯誤しやすい雰囲気がある
3.情報共有がしやすい環境である


これは上から順に考えてみると納得がいく。裁量がなく決まったことしかできなければ、自律的になりようがない。裁量があっても、言い出しにくい空気や動きづらい環境であれば二の足を踏んでしまう。

これら2つをクリアした後、よりより一層、自律的にメンバーは判断して動いていける。試行錯誤がチームやプロダクトにどういう意味をもたらすのか、あるいは他の人がどのように取り組んでいるのか理解し合えるというわけだ。

「PMは2と3の改善が臨みやすい」と海野さんは言う。なかでも「チームに試行錯誤しやすい雰囲気」を持たせる際に、最もベースに据えるべき要素に「心理的安全性」を挙げた。

チームの雰囲気に「心理的安全性」がもたらす影響

海野さんはGoogleが働き方を研究した結果に触れ、より良いチームには「心理的安全性」が第一義に備わってなくてはならないと話す。

「マズローの欲求5段階説」では最下段に「生理的欲求」が置かれるが、そのチーム版としては最下段に「心理的安全性」が置かれると考えてもらえばいいだろう。

仕事に関連のある話題や感情、プロジェクトの進捗やアイデアを気兼ねなく話せる雰囲気があることで心理的安全性が生まれます。


そうすることで、まずはトライしてみよう、自律的に動いていこうという効果が見込める。「失敗によってマイナス評価を受けるリスク」も低くなるといえるだろう。


Increments_海野弘成さん


つまり、一部の人だけが積極的に発言できる状態ではなく、チーム全体が心理的安全に基づいていることこそ、目指すべき姿だということだ。海野さんはこの分野における参考書籍にエイミー・C・エドモンドソン『チームが機能するとはどういうことか』(英治出版刊)を挙げている。

PMはメンバーとの接触回数も多い職種だからこそ、自らの振る舞いひとつで、心理的安全性をチームにもたらしていける影響力があります。たとえば、「会話の最中にはラップトップを閉じ、相手の話を傾聴する姿勢を取る」といった小さな行動も、積み重なっていけばチームの雰囲気作りに一役買います。


最後に、海野さんがCEOを務めるIncrementsにて、自律的なチームづくりで実行していることを紹介しよう。

・抽象的なゴールを設定する
・取り組む人でテンションが異なる「カスタマーサポート」などの仕事は当番制に
・リモートワークに挑戦する


これらの取り組みはごく一部だという。海野さんは今回の発表資料を「Speaker Deck」にアップしている。併せて参考にすることで「良いチーム」の輪郭がよりはっきりしてくることだろう。

(おわり)



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