HACK GIRL=WEB業界で活躍する女子クリエイター・エンジニア。この業界をさらに盛り上げるべく、CAREER HACKはHACK GIRLに光を当て応援していきます!今回は、WEBデザイナー・プランナーとして活躍する灰色ハイジさんにインタビュー。彼女の仕事術・プライベートに迫ります。
今、さまざまな業界で女性の活躍が際立つようになってきています。そしてそれが、業界の活性化につながっているケースも少なくありません。
WEB・IT・ゲーム業界といった「新しい産業」においてもそれは同じ。そこで私たちCAREER HACKは、WEB・IT・ゲーム業界の女子クリエイター・エンジニアを《HACK GIRL》と呼び、彼女たちの活躍に光を当て、この業界をさらに盛り上げていきたいと考えています!
今回インタビューさせていただいたのは、灰色ハイジさん。引きこもりだったという中学生時代にインターネットと出会い、京都造形芸術大学在学中には、WEBサービス会社の「はてな」でWEBデザイナーとしてアルバイトをするなど、根っからのHACK GIRL。
大学卒業後は、博報堂アイ・スタジオに勤務。現在は出向先の博報堂で、WEBデザインだけでなく、デジタル領域での幅広い企画を手がけるなど多忙な毎日を送っているそう。
そんなハイジさんに、WEBデザイナーとしての仕事術からプライベートの過ごし方まで、お話を伺いました。
― よろしくお願い致します!
よろしくお願いします!
― ハイジさんはWEBデザイナーとして多くのサイトデザインを担当されていますが、デザイン業務を行う上でのTipsなどはありますか?
よくWEBデザインの参考になるサイトを連写でスクリーンキャプチャするんですけど、何も設定してない状態だとデスクトップに画像が溢れちゃうんですよね。単純なことですけど、まずデスクトップに『一時保存』という専用のフォルダを作るんです。ターミナルコマンドでそのフォルダを保存場所に設定すれば、デスクトップに画像が溢れなくなるんで、地味ですがすごく便利ですね。
― 制作環境は?
MacBook AirとMacBook Proの2台をメインマシンとして使ってます。
― Macのアプリケーションでよく使ってるものはありますか?
気に入ってるのはMacのファインダー機能を拡張できる『TotalFinder』。タブ機能が使えたり、指定したショートカットキーで即座にファインダーを開けるんです。中でも2つのタブを横並びに出来るDual Modeはよく使ってます。例えば、サーバーのファイルとローカルファイルを並べておくと、差異が視覚的に見えてわかりやすいし、楽にファイルを移動できるので、Macユーザーの方にはお勧めです。
― WEBデザインをする上で、参考にする書籍などありますか?
WEBデザイン関連の書籍は特に買わないので…。でも、直接的に参考にするわけではないのですが、アートやデザイン、インフォグラフィック等の洋書はよく手に取ります。
例えば、オランダのグラフィック・デザイナー Joost Grootens の『Metropolitan World Atlas』や『I swear I use no art at all』などは好きですね。
― WEBサイトでよくご覧になるものは?
TwitterやTumblr、はてブをよく見てます。
― Twitterでお気に入りのアカウントは?
@consaba さんや @heibonshatoday さん。あと、Webマガジンや個人ブログも、ブックマークバーに『巡回』というフォルダを作ってまとめてブクマしてます。例えば『mif design』というサイト。いろんなキャンペーン事例などをほぼ毎日更新してるんです。海外の情報も多いのでよくお世話になっています。他には『monogocoro』というWEBマガジン。テック寄りのちょっと変わった新しいアイデアなどを紹介していて好きですね。
― やっぱり情報感度が高いです。情報収集に何かコツはあるんですか?
そうですね、例えばTumblrで自分好みの情報を一番最初にクリップした人、はてなブックマークだと最初にブクマした人を見つけて、その人をウォッチすること。
その人は自分が好きなモノを自分よりも早くキャッチアップできてる人なので、その人を見つけてウォッチすれば、自分の興味にあった情報と出会えます。
― そのやり方で、新しいサイトや情報と継続的に出会うと。
そうですね。インプットの機会を増やすという意味でも、大事なのはやっぱり“人”。自分よりもセンスある人をいかに見つけて、欲しい情報を得られるかどうかって、すごく重要だと思います。
― 最近は、どんなお仕事をされているんですか?
最近はデザインだけでなく、WEBを使った新しいキャンペーンのプランニングなどにも関わっています。あと面白いところで言えば、所属している 博報堂アイ・スタジオで、《HACKist》という新しい技術やツールを使ったクリエイティブに挑戦する実験的なプロジェクトを立ち上げているのですが、そこで制作した《PHYSICAL DRONE》という作品のデザインを担当しました。
クアッドコプターの『AR.Drone』をMicrosoftのKinectで直感的に操作するという作品で、先日開催された ad:tech tokyo2012 でデモをやった際も大勢の方に注目していただいて、すごく好評でした。
― お仕事の幅が広いですね!ちなみに、通常のWEBサイトのデザインは?
もちろんやります。最近はマウスも使わずにデザインしちゃってますね…(笑)右手はトラックパッドに、左手はよく使うショートカットキーの上において。
― ちなみに一番好きなショートカットは?
…『command+T』かな。ブラウザでは新規タブ追加、Photoshopでは自由変形モードに。いろんなアプリケーションで使えるショートカットなので。
― 右手はトラックパッド、左手は『command+T』。 美しいですね…。2台のMacをお使いとのことですが、デスクでは外付けディスプレイにつなげて使われるんですか?
大きなディスプレイも使いますが、最近ではMacBook Airの11インチディスプレイでデザインすることもあります。
― マウスを使わないで、かつ小さなディスプレイだと作業しにくいのでは…?
Photoshopのツールバーを極限まで小さくして、マウスを使わずにトラックパッドでデザイン出来ちゃいますね。
― 意外です…。小さなディスプレイでデザインするメリットがあったりするんですか?
最近は小さな画面でWEBを見る機会も多くなってると思うんです。スマホだけじゃなくて、7インチのタブレットデバイスも増えてきていますし。それを考えると小さなディスプレイでデザインしてしまったほうが、見ているユーザと同じ目線でデザインできるんじゃないかなと。
― 確かに!最近はPCよりもスマホやタブレットでブラウジングする機会のほうが多いですからね。
― 個人制作でiPhoneアプリなどもリリースされていますが、いま個人プロジェクトとしてやられていることはありますか?
ちょうど先日公開したんですが、家具職人をやっている兄のWEBサイトをデザインから実装まで行ないました。
― えっ?家具職人のお兄さまがいらっしゃるんですか!?
家具職人になる前はプロボクサーだったんですけどね。
― …すごいキャリアですね。話を戻しまして…どんなWEBサイトなんですか。
兄は木の質感を生かした家具を作っているんですが、使う木材によって表情が全然違うんです。その魅力を表すために背景の色を木材の色味に合わせて変えて、樹木の年輪をイメージしてデザインしました。
あと、接客のときにお客さんにも見てもらうことを想定して、iPadに最適化しています。画面遷移をせず、家具の写真がアコーディオンで開くようにしたり。これは全て、MacBook Airでデザインしました。
― 仕事以外でもWEBデザインされてるんですね。ハイジさんってプライベートでは、どのように過ごされてるんですか?
あんまり平日・休日関係なく過ごしてますね。休日も仕事ということではなく、基本的にずっとWEB(笑)
― 完全なるWEB女子!やっぱりキーボードから離れると寂しいとか?
あー…(笑)どうですかね…。私は中学校の頃からWEBを作ったりしてるんですけど、なんて言うんですかね…。思春期の頃にチャットをやっていたせいか、自分の思考を頭の中のキーボードを打ちながら整理するんですよ。
― え?
えーっと…(笑)だから今こうやって会話してる時も頭の中でタイプしてるというか…文章も頭の中でタイプしてないと書けなくて。そういう意味では物理的なキーボードがなくても平気といえば平気です(笑)
― なるほど…やはりハイジさんは本物のHACK GIRLです。デザインや企画のヒントを得る機会ってWEB以外にもありますか?例えば特定の場所だったり、雑誌だったり。
女子なのにこんな話をするのもなんですが、わたし会社の『トイレ』によくこもるんですよ。デスクだとどうしても人や音が気になりませんか?だから『トイレ』にこもるんです。ずーっとiPhoneいじって。そういう状況でデザインや企画案がひらめくことはよくありますね。
― よく遊びにいくところは?
基本引きこもってるんですけど、渋谷とか代官山に遊びに行きますね。
代官山だったら『蔦屋書店』にはよく行きます。定期的に購読している雑誌は特にないんですけど、代官山の蔦屋は雑誌の取り揃えもいいし、海外の輸入本も多いので楽しいです。
― ちなみに、もしハイジさんにWEBデザインのことでお話聞きたいなと思ったら、どうすればいいですか?
Twitterでメンションをいただければと。よく直接会ったことのない方からも、突然Twitterで「新しいサービスを作っているんですが、意見がほしいです」ってきたりすることはありますね。
― なるほど!今日はいろいろなお話をありがとうございました。最後に、ハイジさんご自身が描く今後のキャリアビジョンを教えていただけますか?
単にWEBサイトの見た目を整えるのではなく、人の生活の“インフラ”になるような、そんなデジタルコミュニケーションを設計する仕事に携わっていきたいと思っています。
企画とデザインの両面から、思い描いた未来を具現化できるクリエイターになりたいです。
編集 = 松尾彰大
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