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クックパッドのデザイナーが語る、サービスデザインでハマりやすい3つの落とし穴。倉光美和が対策を公開!

2017-08-07

クックパッドのデザイナーが語る、サービスデザインでハマりやすい3つの落とし穴。倉光美和が対策を公開!

クックパッドのデザイナー 倉光美和氏が語るに、サービスデザインの過程には陥りやすい落とし穴が3つあるという。仮説・実行・検証のフェーズにわけて解説してくれた。落とし穴にハマってしまったとき、どのように対処すれば良いのだろうか?

サービスデザインで陥りやすい3つの落とし穴|クックパッド

※2017年6月に開催された「UX Failcon 〜先人たちの偉大な失敗と成功〜」よりレポート記事をお届けします。

271万品のレシピが投稿され、月間6000万人以上に利用されている料理レシピサービス「クックパッド」。同サービスのデザイナーとして、iOS/Androidのアプリの改善や新機能の開発を行っている倉光美和氏からは「サービスデザインでハマりやすい落とし穴」について語られた。

クックパッドにおけるサービスデザインは、“仮説を立てて、開発を実行し、ユーザー検証を行う”というサイクルで行っていく。倉光氏によれば、「仮説・実行・検証」という3つのフェーズごとに、それぞれ落とし穴が存在するという。

※(レシピ数は2017年7月時点、利用者数は2017年3月時点の数字)

1. 理想の体験がユーザー視点でうまく定義できていない

仮説を立てていくにあたって、必要となるのはユーザー視点。それを知るために、多くのサービス開発現場ではユーザーストーリーを書き出し、サービスとユーザーのタッチポイントを明確にしていく。このユーザーストーリーの書き出しに落とし穴が潜んでいるそうだ。


「ユーザーストーリーを書くには、ある程度はストーリーライティングの習熟度が必要です。普段ユーザーストーリーを書き慣れてない人が書いてしまうと、ユーザーと開発者の視点の切り替えがうまくいかず、文章が意味不明になることが多いです」


ユーザーストーリーのBefore/Afterのサンプルとして倉光氏が取り上げたのが、仮想フリマアプリのユーザーストーリーだ。

スライド

「例えば、『販売価格が高いのでひとまずウォッチリストに追加』という文章。ユーザーストーリーは機能や要素面ではなく、ユーザーの行動ベースで書くのが理想的です。また、『値下げされたことをプッシュ通知で送信する』という文章は主語にユーザーとサービスが混同してしまっている。もう少し改善できるな、という印象です」


改善したAfter例はこちら。

スライド

文章内に機能名や、開発者の目線がない。ユーザーの行動ベースで書かれているため、行動シーンが具体的にイメージしやすくなっている。

こうしたユーザーストーリーを誰もが即興で書けるようになるために、倉光氏が実際に行ったのが、ユーザーストーリーの記入シートを“吹き出し形式”にするということ。

スライド

「吹き出し形式にすることで、開発者の視点を強制的にリセットすることができます。またユーザーシナリオと画面遷移をセットで素早く考えるときには向いてます。逆に詳細な状況描写などにはあまり向いていないのですが、自分がつくってるものがどういうふうにユーザーに使われるか。一度、視点をリセットして考えるときは有効です」

2. デザインがいつまで経ってもいい感じにならない

実行のフェーズでハマりがちな落とし穴は、デザインがいつまで経っても“いい感じ”にならない、というもの。実際、クックパッドの開発現場でも「ここにはパーソナライズされたいい感じのおすすめレシピを並べたい」「ここの画面遷移のアニメーション、もうちょっといい感じの動きになりませんかね?」といった発注が行われることがあったという。


「やりたいことを明確にしないままの丸投げは絶対NGです。これまでの経験から“いい感じ”の発注にはいくつかの傾向があるな、と思いました」


データを特定のロジックで掲出したい施策(おすすめレシピ)や、画面遷移のインタラクションなど…現場で“いい感じ”発注が起きるのは、デザインツールで制作した静的画面では読み取りきれない領域が多いという。

そのため、クックパッドではパーソナライズロジックが本当に“いい感じ”か検証するようにしている。例えば、Androidアプリのトップ画面のコンテンツを検証した際、実際のデータを反映させたWebベースのプロトタイプを作成し、コンテンツのロジックが実際に“いい感じ”かどうかを体験できるようにしたという。

スライド

「また、私の場合は7つの項目から成る“つよいUI”という基準をつくり、いい感じを維持できるようにしています。デザインを出す前、これをもとに確認を行うようにしています」

3. ユーザー調査したのにうまく改善につなげられなかった

ユーザー調査の落とし穴として、多くの人がハマりがちなのが、「ユーザーインタビューで聞きたいことが多過ぎて、限られた時間で核心を突く質問を聞けていない」「インサイトを発見できたが、具体的な改善アクションにつなげられなかった」というもの。

この落とし穴にハマらないために、倉光氏は価値起点で質問を作成することを心がけているそうだ。これは改善対象が明確な場合のユーザー調査には有効だという。

スライド


「確かめたい価値→それを探るための質問という形で、マインドマップ形式でどんどん枝葉に分かれていくようにし、自分たちが知りたいことをしっかり知れるようにすることが重要です」


これにより、実際にプロダクトのコアな部分がユーザーに響いてるかどうかが、ユーザーインタビューを繰り返す中で浮き彫りになっていったという。


「仮説フェーズではユーザーのセリフで思考し、実行フェーズでは“いい感じ”を知覚可能にする。そして検証フェーズでは改善につなげることを意識する。これがサービスデザインにおいて重要なことだと思います」

(おわり)


※使用されたスライドはこちら↓



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