新規事業創出を支援するスタートアップスタジオ『\QUANTUM』で働く佐藤彩夏さんに密着。ちょっと先行くクリエイティブな生活をおくる彼女。自宅の照明・家電はIoTで連携、3Dプリンターで、DIY・アクセサリーパーツを自作。スマホ・Macもちょっと意外な使い方を…!?
こんにちは!CAREER HACK編集部のまっさんこと山本です。
今回は、仕事だけでなく、生活もハック!スーパークリエイターである佐藤彩夏さんを取材しました。彼女がすごいのは・・・
・自宅に3Dプリンターを完備
・キッチン、部屋のDIYに必要なパーツは自作。
・照明や家電やスイッチは、ほとんど「IoT」で制御。
・スマホやMacは、ちょっと人とは違う使い方で。
と、まさに「HACKガール」であるということ。
過去には、IPA未踏ユースにも採択されている佐藤さん。慶應義塾大学を経て、お茶の水女子大学大学院、東京大学大学院へ。コンピュータサイエンス、インタラクションデザインの研究者だった…と、ヤバすぎるバックグラウンドの持ち主です。
現在は、博報堂グループのスタートアップスタジオ『\QUANTUM』*にてクリエイティブテクノロジスト/ビジネスディベロップメントアソシエイトとして活躍中。
今回注目したのは彼女の「ハック術」。
一体どんなツールを日々駆使し、仕事を効率化しているのか? 生活を快適にしているのか? 根掘り葉掘り訊くことができました!
\QUANTUM(クオンタム)にて佐藤さんが企画・開発に携わった「QM weather.」。ネットの天気予報の情報と連動。変幻自在なIoTサイネージ。より直感的に、そして心地良く感じることのできるインテリアへと昇華させる。その他、『mtナゾリエ』も彼女が企画を担当している。
(*)『\QUANTUM』とは
2016 年 4 月に総合広告会社である株式会社TBWA HAKUHODOより分社、独立して誕生したスタートアップスタジオ。様々な専門性をバックグラウンドに持つ社員、国内外の幅広いネットワーク、新規事業開発実践ノウハウを駆使して、大企業やスタートアップ企業などの新規事業創出を支援。オフィスには、ワークショップを行うオープンスペースや、3Dプリンターやレーザーカッターが完備。工房を併設する。
ーきょうは佐藤さんのハック術に迫りたい、と! …失礼ながら、ちょっと変わっていると聞きました。
自分では全然そんなことはないと思うのですが(笑)そうですね…たとえば、めずらしがられるのは「音」で情報インプットするようにしている…とか?
ー音?
こんな感じですね。
(iPhoneを2本指で画面上面から下にスワイプ。現れた再生ボタンを押すと「音声」で記事やニュースが読み上げられる)
ーえ? な、なんですかコレは?
普通に、iPhoneにある機能*ですよ(笑)。Kindleで買った電子書籍もこれで音声化して聴くようにしています。
(*)iPhone「設定」 →「一般」→「アクセシビリティ」→「スピーチ」で設定完了
ーそんな機能が…知りませんでした。でも、なぜあえて音声で?
「ながら」で聴けるからですね。たとえば、料理しながらとか、通勤しながらとか。聴いているうちに機械的な音声にも慣れてきました。愛着が湧くというか(笑)
けっこうPodcastも聴くんですよね。たとえば、テック系だと「Rebuild」という番組がお気に入り。時短のために倍速で聴くのですが、私の周りのエンジニアも、この番組はけっこう聴いているという人がいて。
ー「音声」の領域ってまだまだ開拓されていないので、おもしろそうですね。
そうなんですよね。ちょっと変わったところだと、日本語と英語で対話形式で進行するバイリンガルニュースを聞くこともあって。英語のみだとどうしても聞くことに集中しなくちゃいけなくて、疲れちゃうんですよね。でも、日本語と英語のハイブリッドで進むと、内容がスムーズに入ってきて、不思議な感覚になったりもして。
ーおもしろいスマホの使い方が聞けました。Macだとどうでしょうか?
こっちも別に変わったことをやってるつもりはないのですが…
ーあれ、なんだか画面が暗いような?
あ、そうですね。これは「f.lux」というソフトですね。目がつかれないようにライトを自動で調整してくれて、けっこう気に入ってます。ブルーライトカットのメガネもありますが、とったりつけたりがわずらわしいし。これでだいぶ楽になりましたね。
ーちょっとしたことですが、仕事に集中するためにも明るさ、めっちゃ大事です。参考になります。
ありがとうございます(笑)あとは何かあったかな…。
ーたとえば、タスク管理って、どうされてます?
私の場合、すべてGmailで管理していますね。メールを1つのタスクと捉えて、終わったらアーカイブしていく。表示は2カラム。左が一覧で、右に詳細を表示する。一覧にあるのは残っているタスクのみにします。
―この右下に出ているのは?
あ、これは「todo機能」ですね。私はGmailの便利機能のひとつだと思って使っています。
ーおお!こんな機能があったんですね。恥ずかしながら知りませんでした…ただ、それにしてもなぜGmailなのでしょう?
いろんなツールでタスク管理を試してきたのですが、仕事におけるプラットフォームとしてGmailとかGoogle Calendarを使う場面が多いんですよね。ここだけで完結できたほうがラクだなって。なので、プライベートのタスクはちょっと別でやってますね。
ープライベート…ですか。ちなみにどんなツールを使っているんですか?
『wunderlist』というアプリを使っています。
ー見てせてもらうことは…できないでしょうか?
…本当に?
ーはい。本当に。
そうですか。じゃあちょっとだけ…
ー「ティッシュケースのボタンをつけ直す」「マイナンバーカード申し込み」…リアルですね!
これ、めちゃくちゃ恥ずかしいですね(笑)
ーただ、ホントに活用されているとわかりました。
これは夫と共有している『wunderlist』で。「晩御飯の具材買ってくる」とか、「郵便をだす」とか、すごく便利ですね。
ー旦那さんともタスク管理をアプリで共有っていいですね。
夫も「ものづくり」を生業にしているプログラマーです。そのあたりは理解があるというか…彼のほうがちゃんとしているかもしれません(笑)彼が作ったアプリを仕事のチーム管理につかっていたりもして。
ーどのようなアプリですか?
「Multi Team for Slack」というアプリです。Slackで複数のチームの情報を1つのタイムラインに表示してくれるというもの。宣伝になっちゃいますが…ぜひ使ってみてほしいです(笑)
ーあ…取材中にすみません。そのピアス、おしゃれですが、基板の模様ですよね?
そうですね。
ーまさか…?
あ、バレましたか。これは本物の基板を加工した手作りですね。
ー手作り!すてきですね。どうつくったんですか?
基板は電子部品は秋葉原のパーツショップ、ピアスとチェーンのパーツは「貴和製作所」で買ってきて、ペンチとニッパーで加工しました。仕事やプライベートでよくパーツショップに行くのですが、ついでに「かわいい」と思った部品も調達してきてアクセサリーにしています。他にも、スイッチのピアスや、可変抵抗の指輪などもあります。
ー.... そ、そうなんですね... (ギークだ...)けっこう「モノ」も自作される?
私にはとってはけっこう自然なことですが…お風呂の石鹸置き、歯ブラシ立て、ウォークインクローゼットを改造するためのパーツとか、けっこう作っちゃいますね。
あとは、結婚式のウェディングケーキも電子工作して盛大にやりました。テーブル番号もプログラミング言語にしたりして。詳細は夫のブログに載っているので、ブログのほうもぜひ(笑)
ーめちゃくちゃおもしろい!ちなみに「作るもの」と「買うもの」に基準はあるのでしょうか?
たとえば、ブックスタンドとかは買ったほうが強度があるので買いますね。ただ、既製品だと寸法があわないものも多い。そういうのは作ったりします。キッチンの複数の調味料を分けるための仕切りとか、あまり大きすぎないもの。ただ、まぁ普通にDIYが好きなんですよね。引き戸を改造して、ウォークインクローゼットも作っちゃったし。
―ちなみにこの電球はHueですか?
そうですね。Google homeと、Hueを連携させていて。IoTも大好きですね。
ーもう、さすがとしか言えません(笑)
研究や仕事で、ものづくり自体は大学生からしていますが、家のハックとか始めたのはここ最近なんです。それこそ結婚して3Dプリンターを自宅に買ってから。アイデアを思いつたときに、それを作れるツールがそばにあるとすごくいい。「何かを作ろう」という気が起きやすいので。
ーお話伺っているとすごくおもしろそうですね。ただ、実際に自分でやってみるにはハードルが高そうです... 。
いきなり「3Dプリンターを買う」というのはさすがに敷居が高いかもしれませんが、TechShopやFabCafeなどにいってワークショップを体験してみるといいかも。ものづくりは、やっぱりやってみる、作ってみるのが一番ですよ。楽しみながらやったらいいと思いますよ。
ーMacやiPhoneからGmail、そしてSlackまで、さまざまなハック術を聞けました!特に「音」インプットは個人的に衝撃的でした...。いろいろと試してみようと思います。今日はありがとうございました!
文 = まっさん
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