2017.09.19
クリエイティブテクノロジスト、佐藤彩夏の超ハック術。3Dプリンターで自宅もDIYしちゃう!?

クリエイティブテクノロジスト、佐藤彩夏の超ハック術。3Dプリンターで自宅もDIYしちゃう!?

新規事業創出を支援するスタートアップスタジオ『\QUANTUM』で働く佐藤彩夏さんに密着。ちょっと先行くクリエイティブな生活をおくる彼女。自宅の照明・家電はIoTで連携、3Dプリンターで、DIY・アクセサリーパーツを自作。スマホ・Macもちょっと意外な使い方を…!?

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ちょっと先行くクリエイティブな生活! HACKガール 佐藤彩夏さんの日常とは?

こんにちは!CAREER HACK編集部のまっさんこと山本です。

今回は、仕事だけでなく、生活もハック!スーパークリエイターである佐藤彩夏さんを取材しました。彼女がすごいのは・・・

・自宅に3Dプリンターを完備
・キッチン、部屋のDIYに必要なパーツは自作。
・照明や家電やスイッチは、ほとんど「IoT」で制御。
・スマホやMacは、ちょっと人とは違う使い方で。

と、まさに「HACKガール」であるということ。

過去には、IPA未踏ユースにも採択されている佐藤さん。慶應義塾大学を経て、お茶の水女子大学大学院、東京大学大学院へ。コンピュータサイエンス、インタラクションデザインの研究者だった…と、ヤバすぎるバックグラウンドの持ち主です。

佐藤さんの写真

佐藤彩夏さん

現在は、博報堂グループのスタートアップスタジオ『\QUANTUM』*にてクリエイティブテクノロジスト/ビジネスディベロップメントアソシエイトとして活躍中。

今回注目したのは彼女の「ハック術」。

一体どんなツールを日々駆使し、仕事を効率化しているのか? 生活を快適にしているのか? 根掘り葉掘り訊くことができました!

qmweather \QUANTUM(クオンタム)にて佐藤さんが企画・開発に携わった「QM weather.」。ネットの天気予報の情報と連動。変幻自在なIoTサイネージ。より直感的に、そして心地良く感じることのできるインテリアへと昇華させる。その他、『mtナゾリエ』も彼女が企画を担当している。


(*)『\QUANTUM』とは
2016 年 4 月に総合広告会社である株式会社TBWA HAKUHODOより分社、独立して誕生したスタートアップスタジオ。様々な専門性をバックグラウンドに持つ社員、国内外の幅広いネットワーク、新規事業開発実践ノウハウを駆使して、大企業やスタートアップ企業などの新規事業創出を支援。オフィスには、ワークショップを行うオープンスペースや、3Dプリンターやレーザーカッターが完備。工房を併設する。


「音」で情報インプット!「ながら聴き」のススメ

佐藤さんの写真


ーきょうは佐藤さんのハック術に迫りたい、と! …失礼ながら、ちょっと変わっていると聞きました。


自分では全然そんなことはないと思うのですが(笑)そうですね…たとえば、めずらしがられるのは「音」で情報インプットするようにしている…とか?


ー音?


こんな感じですね。

佐藤さんの写真(iPhoneを2本指で画面上面から下にスワイプ。現れた再生ボタンを押すと「音声」で記事やニュースが読み上げられる)


ーえ? な、なんですかコレは?


普通に、iPhoneにある機能*ですよ(笑)。Kindleで買った電子書籍もこれで音声化して聴くようにしています。
(*)iPhone「設定」 →「一般」→「アクセシビリティ」→「スピーチ」で設定完了


ーそんな機能が…知りませんでした。でも、なぜあえて音声で?


「ながら」で聴けるからですね。たとえば、料理しながらとか、通勤しながらとか。聴いているうちに機械的な音声にも慣れてきました。愛着が湧くというか(笑)

けっこうPodcastも聴くんですよね。たとえば、テック系だと「Rebuild」という番組がお気に入り。時短のために倍速で聴くのですが、私の周りのエンジニアも、この番組はけっこう聴いているという人がいて。


ー「音声」の領域ってまだまだ開拓されていないので、おもしろそうですね。


そうなんですよね。ちょっと変わったところだと、日本語と英語で対話形式で進行するバイリンガルニュースを聞くこともあって。英語のみだとどうしても聞くことに集中しなくちゃいけなくて、疲れちゃうんですよね。でも、日本語と英語のハイブリッドで進むと、内容がスムーズに入ってきて、不思議な感覚になったりもして。

rebuild エンジニア、宮川達彦さんが運営するPodcast「Rebuild」(宮川さんはオン・ザ・エッヂやクックパッドで活躍、YAPC::Asiaの創始者としても知られるエンジニア)。番組ではガジェットからソフトウェア開発のコアな話まで幅広く紹介される。

GmailとSlackアプリを駆使! 最強タスク管理術

ーおもしろいスマホの使い方が聞けました。Macだとどうでしょうか?


こっちも別に変わったことをやってるつもりはないのですが…

ブルーライトカットされたPC


ーあれ、なんだか画面が暗いような?


あ、そうですね。これは「f.lux」というソフトですね。目がつかれないようにライトを自動で調整してくれて、けっこう気に入ってます。ブルーライトカットのメガネもありますが、とったりつけたりがわずらわしいし。これでだいぶ楽になりましたね。


ーちょっとしたことですが、仕事に集中するためにも明るさ、めっちゃ大事です。参考になります。


ありがとうございます(笑)あとは何かあったかな…。


ーたとえば、タスク管理って、どうされてます?


私の場合、すべてGmailで管理していますね。メールを1つのタスクと捉えて、終わったらアーカイブしていく。表示は2カラム。左が一覧で、右に詳細を表示する。一覧にあるのは残っているタスクのみにします。

gmail画面


―この右下に出ているのは?

gmail画面アップ

あ、これは「todo機能」ですね。私はGmailの便利機能のひとつだと思って使っています。


ーおお!こんな機能があったんですね。恥ずかしながら知りませんでした…ただ、それにしてもなぜGmailなのでしょう?


いろんなツールでタスク管理を試してきたのですが、仕事におけるプラットフォームとしてGmailとかGoogle Calendarを使う場面が多いんですよね。ここだけで完結できたほうがラクだなって。なので、プライベートのタスクはちょっと別でやってますね。


ープライベート…ですか。ちなみにどんなツールを使っているんですか?


『wunderlist』というアプリを使っています。


ー見てせてもらうことは…できないでしょうか?


…本当に?


ーはい。本当に。


そうですか。じゃあちょっとだけ…


wunderlistwunderlist

ー「ティッシュケースのボタンをつけ直す」「マイナンバーカード申し込み」…リアルですね!


これ、めちゃくちゃ恥ずかしいですね(笑)


ーただ、ホントに活用されているとわかりました。


これは夫と共有している『wunderlist』で。「晩御飯の具材買ってくる」とか、「郵便をだす」とか、すごく便利ですね。


ー旦那さんともタスク管理をアプリで共有っていいですね。


夫も「ものづくり」を生業にしているプログラマーです。そのあたりは理解があるというか…彼のほうがちゃんとしているかもしれません(笑)彼が作ったアプリを仕事のチーム管理につかっていたりもして。


ーどのようなアプリですか?


「Multi Team for Slack」というアプリです。Slackで複数のチームの情報を1つのタイムラインに表示してくれるというもの。宣伝になっちゃいますが…ぜひ使ってみてほしいです(笑)

wunderlist


自宅の3Dプリンターで日用品をDIY

ーあ…取材中にすみません。そのピアス、おしゃれですが、基板の模様ですよね?


そうですね。

wunderlist

ーまさか…?


あ、バレましたか。これは本物の基板を加工した手作りですね。


ー手作り!すてきですね。どうつくったんですか?


基板は電子部品は秋葉原のパーツショップ、ピアスとチェーンのパーツは「貴和製作所」で買ってきて、ペンチとニッパーで加工しました。仕事やプライベートでよくパーツショップに行くのですが、ついでに「かわいい」と思った部品も調達してきてアクセサリーにしています。他にも、スイッチのピアスや、可変抵抗の指輪などもあります。


ー.... そ、そうなんですね... (ギークだ...)けっこう「モノ」も自作される?


私にはとってはけっこう自然なことですが…お風呂の石鹸置き、歯ブラシ立て、ウォークインクローゼットを改造するためのパーツとか、けっこう作っちゃいますね。


3dプリンターで作ったもの


あとは、結婚式のウェディングケーキも電子工作して盛大にやりました。テーブル番号もプログラミング言語にしたりして。詳細は夫のブログに載っているので、ブログのほうもぜひ(笑)


電子工作したウエディングケーキmuratayusuke.com『ものづくり夫婦が結婚式で力の限り手作りした』


table_numbermuratayusuke.com『ものづくり夫婦が結婚式で力の限り手作りした』



ーめちゃくちゃおもしろい!ちなみに「作るもの」と「買うもの」に基準はあるのでしょうか?


たとえば、ブックスタンドとかは買ったほうが強度があるので買いますね。ただ、既製品だと寸法があわないものも多い。そういうのは作ったりします。キッチンの複数の調味料を分けるための仕切りとか、あまり大きすぎないもの。ただ、まぁ普通にDIYが好きなんですよね。引き戸を改造して、ウォークインクローゼットも作っちゃったし。


walkinclosetいちからパーツなど作り、部屋ごとハック。
佐藤さん宅のウォークインクローゼット。やばい!

―ちなみにこの電球はHueですか?


そうですね。Google homeと、Hueを連携させていて。IoTも大好きですね。


ーもう、さすがとしか言えません(笑)


研究や仕事で、ものづくり自体は大学生からしていますが、家のハックとか始めたのはここ最近なんです。それこそ結婚して3Dプリンターを自宅に買ってから。アイデアを思いつたときに、それを作れるツールがそばにあるとすごくいい。「何かを作ろう」という気が起きやすいので。


3dプリンター 自宅に置かれている3Dプリンター。「ものづくり夫婦」だけあり、かなりの活躍頻度だという。


ーお話伺っているとすごくおもしろそうですね。ただ、実際に自分でやってみるにはハードルが高そうです... 。

いきなり「3Dプリンターを買う」というのはさすがに敷居が高いかもしれませんが、TechShopやFabCafeなどにいってワークショップを体験してみるといいかも。ものづくりは、やっぱりやってみる、作ってみるのが一番ですよ。楽しみながらやったらいいと思いますよ。


佐藤さん


ーMacやiPhoneからGmail、そしてSlackまで、さまざまなハック術を聞けました!特に「音」インプットは個人的に衝撃的でした...。いろいろと試してみようと思います。今日はありがとうございました!



文 = まっさん


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