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9割の人が反対した、それでもやるーー19歳が発明した「政治 × 投げ銭アプリ」の企て

2018-07-25

9割の人が反対した、それでもやるーー19歳が発明した「政治 × 投げ銭アプリ」の企て

19歳、現役の慶應生が政治のあり方を変えてしまうかもしれない。「政治家に自分の意見をぶつけられたらおもしろそう」を実現してしまった。しかも意見するだけで、ご褒美がもらえる仕組みらしい(ちなみに仕組みはブロックチェーンを活用)。まるでゲーム感覚? 伊藤和真さんの発想とは。

政治家に意見してご褒美GET! 19歳が考えたおもしろい仕掛け

まるでゲームのような感覚で、政治を楽しむーーこんな発想を形にしたのが、伊藤和真さん(19)。慶應大学に通う2年生だ。

彼の手がける、スマホアプリ『ポリポリ』の仕組みはこうだ。

▼ユーザーが政治家に対し、ポジティブな発言をする
▼その頻度・意見の内容を、ユーザーみんなで評価し合う。
▼ご褒美(※1)がもらえる

たとえば、暮らしの中で困ったことを直談判したり、「こうしてほしい」という提案をしたり。気軽に政治家に意見ができるというわけだ。

また、政治家自身もその意見に対して回答をしたり、日々の活動や最新の政策を発信できる。しかも、政治家の活動がアプリ内で評価される、ユーザーから投げ銭をもらうことができる。

これは政治のエンタメ化? それとも革命? 伊藤和真さんの発想に迫る。

(※1)ブロックチェーン技術を活用し、「Pollin」という独自通貨(トークン)が付与される。将来的に仮想通貨への換金可能にしていく計画。現在はトークンを絡ませないβ版の段階で、年内にはトークンエコノミーを実装予定。

アプリ「ポリポリ」の写真2018年7月17日に、家入一真氏率いる投資家組織『NOW』から資金調達。2018年には、トークン機能を含む版のデザインを発表。2019年の参議院選挙・地方統一選挙に向けて、徐々にトークンエコノミーを実装していく。

「なんとなくの投票」ってヤバくないですか?

伊藤和真さんの写真

選挙があっても、なんとなく投票いく...そういう若い人って結構いると思うんです。正直、少し前の僕もそうで。たとえば2016年の10月の衆議院選挙のとき、僕は当時18歳ではじめて選挙権を得て。候補者の情報もなかなか手に入らず、誰に投票したらいいのかとても困ったのですが、分かりやすいサイトやアプリなどもありませんでした。

でも、政治は日本の社会システムの根本をつくっているのに、適当な意思決定がされていることって、普通に考えてめっちゃくちゃやばいですよね。

しかも、政治家と国会に意見が言える衆議院選挙は4年に1回。 インターネットがあって、いつでも意見を届けられるのに、それって意味わかんないですよね。自分の興味や関心に従って、部分的な参加でもいいから、自分の意見を伝えられるように、もっと政治がオープンにできるような仕組みをつくっていきたい。

政治市場は数兆円規模?

もちろん起業するからには、ビジネスとしての可能性も大事で。調べてみたら、日本の政治市場は人件費を含め、数兆円にも上ると言われています。

日本には政治分野のサービスや事業はほとんどないけど、海外だと政治関連のビジネスが盛んだから参考にもできる。

そしてもうひとつ、「トークンエコノミー(※2)」と掛け合わせた政治関連サービスって前代未聞だし、めちゃくちゃおもしろいことになると感じました。

当然、「ブロックチェーンで政治サービスやろうと思っているんですよね」って相談したら、大人たちからは「うまくいくはずがない」「政治分野は儲からない」と90%以上反対されました(笑)

意見は踏まえつつ、「でもまあやってみないとわからないよな」と。難しいからこそ、チャレンジしがいもある。

もし、僕らのサービスが実現したら、日本の社会が大きく変わっちゃうと思うんです。政治ってアップデートしがいがある。その純粋な思いからはじまっているかもしれません。

(※2)ブロックチェーンの技術であり、仮想通貨によって生まれる経済圏。

政治家と市民の距離は、もっと近くできる

伊藤和真さんの写真

まずは僕がやったこととして、慶應の先輩の知り合いの政治家の事務所でお手伝いをしました。現場で勉強をしたいな、と。

そこで見えてきたのが、シンプルに情報整理だけをとってもすごくたくさんの課題があるということでした。そこで友達と考えたのが「アプリで立候補予定者の政策を比較できたり、情報を整理したり、直接質問できる機能があったらいいよね」と。これが実際、2017年11月には千葉県市川市長選挙で、選挙期間中に、投票者の一部に使っていただくこともできました。

「いけるぞ」という手応えがあったし、なによりネット上に政治空間をつくれたら、もっと政治家と市民の距離は近くできる。これを広めることができたら最高にクールだと思いました。

そもそも、世の中って理不尽なことばっかりですよね。不本意なシステムにイライラすることも多くて。教育格差とか、努力が評価されない世の中とか。はじめてもないのに「できるわけない」「しょうがない」と決めつける大人も大嫌いだし(笑)

僕はある意味…傲慢なんだと思います。社会に俺らが合わせるんじゃなくて、俺らに社会が合わせてこいよって(笑)そういう感じのマインドはあるのかも。弱い立場に置かれた人の声にちゃんと耳を傾けられる、そんな人になりたいし、サービスをつくりたいんです。

新しい国家システムを考える

伊藤和真さんの写真起業にあたって「自律・分散・共創」をキーワードに考えたという伊藤和真さん。「イーサリアムが流行っているのも、非中央集権社会が幸福度を高めるという大きな世界観が背景にあるから」と分析する。「日本の仮想通貨系サービスを楽しみながら自ら作り、さらに発展させる責任を自覚して取り組みたい」と語ってくれた。

いま『ポリポリ』がたくさんの人に知ってもらえて、すごく好意的な意見をもらえていて。もうひとつ、いま思い描いているのは、新しい国家システムをつくっていくのも凄くおもしろそうだな、と考えています。

たとえば、エストニアは電子国家として世界で注目をされていますよね。選挙から教育、医療、警察、居住権まで全てインターネット上でできてしまう。電子居住権は、国籍を問わず誰でも申請することができ、安倍首相もエストニアの「電子居住権」を取得しているのも知られた話ですよね。

電子居住権を取得すると、現地に法人を開設したり、銀行口座の開設や納税だったり、オンラインで行なえます。

これって国境を超え、人間はこれからどんどん一人一人が自由になっていくということを象徴していて。今までは生まれた瞬間から「国」というコミュニティに所属し、逃れられなかった。ただ、いまではインターネットが出てきて、自分で所属するコミュニティを選べる時代になってきています。

日本でも岡山県の村がICOを宣言するなど、国家のあり方が少しずつ変わり始めています。そういった波を受けて、ぼくらも国家システムを再定義してみたいですね。



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