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CAREER HACK

スマートハウス・ハッカーズは、「つくりたい人」が気軽に楽しめるハッピーな空間だった。

2014-10-08

スマートハウス・ハッカーズは、「つくりたい人」が気軽に楽しめるハッピーな空間だった。

最近は、土日ともなれば、必ずどこかで開催されているハッカソン。そんな中でも異彩を放つのが『スマートハウス・ハッカーズ』だ。スマートハウスや情報家電をテーマにアプリ開発やハックを行ない、そのウデを競う。市場拡大が見込まれ、注目されるスマートハウス領域。一体どんなアイデアが飛び出したのか?

「住まい」をテーマに、好きにつくって遊んでみる

国によってスマートメーターの導入が推進されるなど、市場拡大が期待されるスマートハウス領域。各メーカーが太陽光発電システムや情報家電を発表するなど、その動きは活発だ。

ただ、個人開発において、WEBサービスやスマホアプリに比べると、まだまだ敷居が高いのかもしれない。そんな「住まい」や「スマートハウス」をテーマに、好きにつくって遊んでみる試みが『スマートハウス・ハッカーズ』だ。ソニーコンピュータサイエンス研究所が主催し、スマートハウスに関する研究を行なう『Kadecot(カデコ)プロジェクト』の一環。今回はその5回目のハッカソンにおじゃました。

今回のテーマは「笑い」。「笑いにあふれた生活」を支援するアプリやシステム、ガジェットを土日の2日間でプロトタイプまで持っていく…というのが当初の予定だった。

しかし、急遽、諸事情が重なって日曜だけの開催に!?しかも、10時集合の15時発表というタイトな開発スケジュールで果たして作品は完成したのか!?当日の様子をお届けします。

開発風景

スマートハウス・ハッカーズ


大学生をはじめ、10人余りが参加した『スマートハウス・ハッカーズ・ハッカソン#5』。大規模なハッカソンと同日の開催になってしまった背景もあり、小規模な開催となった。


スマートハウス・ハッカーズ


短い作業時間のなかで、集中してプログラミングを行なう参加者のみなさん。


スマートハウス・ハッカーズ

時折、参加者同士で談笑する場面も。初対面の方が多い状況でも気軽に話せる雰囲気だった。


スマートハウス・ハッカーズ


当日はソニーコンピュータサイエンス研究所より、ハックに使う情報家電が持ち込まれた。


▼左上から時計回り
・SONYテレビ『Bravia』
APIで簡単に動かせて、ハックではテレビ内のWebブラウザがよく使用されていた。

・Withings社(国内ではCoviaブランド)ワイヤレス体重計
乗るだけで体重がクラウドにアップロード。Withings社のクラウドAPIでデータにアクセス可。

・エコキュートのコントローラモジュール(サンデン株式会社より貸与)
KadecotのAPIでアクセス可能。

・IRKitとIRemocon
スマホからアクセスできる赤外線学習リモコンモジュールとしてホームハッカー界では有名。

・Kadecotのサーバが立ち上がっているタブレット

・Hue(フィリップス社)
フルカラー照明として名高い。Kadecotのプラグインとしてアクセスできるようになっていた。

・東芝のECHONET Liteダウンライト
KadecotのAPIで簡単にON/OFF、照度の調整可能。

※これらに加え、株式会社ニチベイの電動ブラインドもありました。開閉状態の制御に加え、羽根の角度まで細かく設定できるそうです。

作品発表(一人持ち時間3分で発表が行われた)

スマートハウス・ハッカーズ


「『全力家電』という作品で、複数の家電を同時に操作するリモコン。寒くする、暑くする。各家電と同時にテレビもつなげて、寒くする時には寒いギャグ動画やこわい動画が流れる。暑くしたい時は、松◯修造のメッセージ動画が流れる。これでユーザーはぽかぽかになれる。動画YouTubeのAPIを使いたかったが、上手くいかなかったので、URLを叩くようにした」



スマートハウス・ハッカーズ


「『Smile Controller』と名づけて、笑うとエアコンが動く…というのをやりたかったが…何回やっても顔を検出せず。僕の顔がよくないのか(一同笑)。これは、笑わないと開かない『Happiness Counter』という冷蔵庫が元ネタである。いろいろな家電でやってみようと考えた。笑顔検出はiOSに入っているライブラリを使った」


スマートハウス・ハッカーズ


「最初の方とちょっとカブっているが…『怪奇!笑うテレビ』。ひとり暮らしって寂しい。それを笑いで解決する。独り言を検出し、笑える動画を流してくれるパートナーのようなテレビ。Google音声認識のAPIとカスタム検索を使った」


スマートハウス・ハッカーズ


「笑いというのは、単に笑えるということだけじゃなくて、一緒にやる、共感があること。そこを実現したい。“AHOGE(アホゲ)”という共感アンテナをつくっている。動きで感情を表出。これをつかって部屋の雰囲気を制御する。たとえば、テレビ番組の情報を拾って、その内容に合わせて照明の色が変わったり、窓のブランドが開閉したり。今回はテレビとブランドの連動。hueもやりたかったけど間に合わなかった」


スマートハウス・ハッカーズ


「ちょっとつくるところまで行かなくて、コンセプトだけでも話を。よく子ども用の下敷きや定規で使われているレンチキュラーレンズを使う。見る方向によって絵が変わるやつ。これを窓のブライド全部に貼り付け、プログラムで、ブランドを好きな角度に動かす。急にお母さんが部屋に入ってきた時も、パッとブラインドに映る絵が変わる。ドアに振動センサーをつけてもいい」


スマートハウス・ハッカーズ


「ひらがなを入力すると、モールス信号に変換され、その通りにライトが点滅するもの」「自分の部屋から、隣の家に住む幼なじみに窓越しにメッセージを伝えたり…あるかもしれない。が、二人ともモールス信号を知らないとできない…。ハード側が上手く命令を受け取らないなど問題も多かった。何より一番の問題としてはつくった僕らがモールス信号を理解できなかった(笑)」


スマートハウス・ハッカーズ


「“笑い”を拡大解釈。空気を緩めていく、暖めていく。で、エアコンの暖房をプログラミングで操作してみた。ゆくゆくはプログラミングを起動しっぱなしにして、どんどん暖かくしていって、たまに冷したり。どういった間隔で冷やす、暖かくを繰り返すかはまだ決めていない」


スマートハウス・ハッカーズ

「『おきないと!』という作品。アラームの音だと起きないし、うるさくて周りには迷惑。そこで家電たちが起こしてくれるシステムを考えた。朝、太陽の光が入ってくるように、指定したアングルでブランドがチラチラと動く。それでも起きなければ、エアコンが暖房マックスに。反省点はその2つしかできなかったこと。実際、今はそれも動いていないが…テレビがついたり、お湯が湧いたり、人が止めないに行かないとダメという風に出来ればよかった」


スマートハウス・ハッカーズ


「植物箱入り娘化計画。温室環境を個人でつくる。出張など長期で家をあける時も植物や野菜を枯れないようにする。ブライドの角度を変えて、朝、昼、夕方で日光のあて具合を調整。太陽の一日の動きを再現。植物育成用LEDも連動。タブレットのリモートを使って監視。成長の記録をとれるようにする。エアコンで湿度なども調整できる」


スマートハウス・ハッカーズ


「プログラム目覚まし時計。ネタがかぶったところはあるが…一人暮らしで目覚まし時計に起こされるのは嫌ということで、時間の経過と共に家電が起動するというもの。デモとして…10秒でブランドの角度が変わって開いていき、14秒でライトを点滅、20秒でテレビがついて。30秒でYouTube動画が再生されて音量が大きくなる。反省点は“笑い”がどこかにいってしまったこと(笑)」

取材後記

今回の『スマートハウス・ハッカーズ・ハッカソン#5』では、大学生をはじめ「ハッカソン自体への参加が初」という人も多く参加していた。印象的だったのは、皆さんが楽しみながらリラックスして臨んでいたこと。また、発表の場面でも必ず誰が質問するなど、気軽に発言し、それに答えるなど和やかな空気だった。

もちろん、こういった回ばかりでは無いだろうが、少なくとも今回は「ハードとソフトの両方に触れるハッカソンの入門編」として、初心者にとっても素晴らしい機会になったはずだ。

『スマートハウス・ハッカーズ』がユニークなのは、アイデアソンなど他のイベントで生まれたアイデアの実装だけを行なったり、過去のハッカソンでプロトタイプ実装まで完成したものを、公開品質にまで磨き上げたり(リベンジハック)、それぞれの参加者のスキルやモチベーションに合わせて参加できる点だ。

ここ最近のハッカソンは、大手企業がスポンサーになったり、豪華な賞品は高額な賞金が出たり、大規模化・ハイレベル化が進んでいる印象もある。小規模なハッカソンは集客に苦戦するケースも多く、『スマートハウス・ハッカーズ』も例外ではない。

ただ、小規模だからこそ、参加者の距離が近く、交流が深められたり、気兼ねなく質問ができたり、利点も多い。特に「つくることが好きだけど、ハッカソンは敷居が高くて…」という人にとっては、温かく迎えられ、気軽に参加できる「場」として注目してみてはどうだろうか。


[取材・文]白石勝也



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