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オシャレなオフィスは作るな―pixiv片桐流 社員が活きる組織の作り方[2]

2013-01-28

オシャレなオフィスは作るな―pixiv片桐流 社員が活きる組織の作り方[2]

SNSの新境地を拓いたイラストコミュニケーションサービス『pixiv』。その本社オフィスは、しばしばメディアに取り上げられるほどオシャレで面白い空間だ。だが代表の片桐氏は「オシャレなオフィスには一切興味がない」と言う。またしても飛び出した意外な一言。そこには、ある考えに基づいた明確な狙いがあった。

▼組織論インタビュー第1回はこちら
仕組みで変えるな、フンイキで変えろ―pixiv片桐流 社員が活きる組織の作り方[1]

オシャレかどうかは関係ない。

― ピクシブさんのオフィスは非常にオシャレというか、カッコイイなぁと感じますが、オフィス環境という観点から何か意識されてることってありますか?


僕、カフェみたいなオシャレなオフィスとかにあまり興味がなくて、“業務効率や社内コミュニケーションがハンパなく向上する”とか、そういうオフィスがいいなってずっと思ってたんですよね。

でもいろいろ本を探して読んだんですけど、そういうオフィスづくりのヒントになるようなものが全然見当たらなくて。そうこうしているうちに、もともと仲の良かったチームラボさんが新たにチームラボオフィスを設立したってことで、たまたまホームページの宣言文みたいなのを読んだんです。

それがまさに僕がやりたいと思っていたこととすごく近かったんですよ。「色を活用する」とか「自由な意見が出せるフラットな環境」とか。もう感動しちゃって、それで、今の場所に本社を移転するタイミングに合わせて、チームラボオフィスさんに設計をお願いしたんですよね。

こんなこといったら怒られちゃうかもしれないんですけど…僕、前から気づいてたことがあるんです。チームラボさんのオフィスに遊びに行った人がみんな口を揃えて「チームラボの社員って元気あるよね」とか言うんですけど、それって、実際に社員の人がめちゃくちゃ元気にしてるとかいうわけでもないんですよね。むしろエンジニアの人が多いから、どっちかといえば皆さん黙々と仕事をされている。

なのになぜ活発な印象を持たれているかというと、チームラボさんのオフィスって、入ってすぐに鮮やかな黄色の壁が一面に目に飛び込んでくるんです。だから、アクティブなイメージがインプットされる。

僕らのオフィスも入ってすぐに赤とか派手な色が目立ちますが、やっぱり元気な印象を与えますし、僕ら自身のテンションも上がりますよね。それを狙って、そういう配色にしているんです。ピクシブの社員も、実際にはあんまり元気に挨拶するタイプじゃなかったりするんですけど、トクしてる(笑)


― 単にオシャレとかではなくて、ちゃんと機能するオフィスをつくっている、と。


予算の問題とかスペースの問題とかもありますから100%の環境とはまだまだ言えないですけど、そういう方向を目指してオフィスづくりをしています。

パーテーションを設けていないとか、打合せスペースがオープンになっているのも、同じ狙いですね。


― さっきから気になっていたんですけど、そこに置いてある古くてイイ感じのラジカセにも、もしかして何か機能的な狙いが…。


あ、これ超カッコよくないですか?MADE IN JAPANのヴィンテージラジカセをリペアしている『デザインアンダーグラウンド』さんってところのモノなんですけど、音とかすごくいいんですよ。テンションあがりますよね。

そういう意味では、これも機能的といえるかも。



あと、マジメな話でいうと、社員が自分で使うパソコンを自分で選べるようにしているとか。


― 購入費だけ会社持ちで、社員が自分で選んで買える、ということですか?


そうです。会社辞めるときは持って帰っていいよって。だって、会社から支給されたパソコンとか、他人が使ったパソコンとかテンション上がらなくないですか?僕だったらイヤです。

エンジニアにとってはパソコンって一番の仕事道具なわけですから、使いたいものを使ったほうが仕事への影響も良いに決まってます。


― なるほど、仕事道具。確かにおっしゃるとおりですね。


自分のテンションが上がるものを使った方が絶対良いモノが生まれますよ。

「任せる」が基本。

自分の裁量が大きければ大きいほど、人は能力を発揮できると思います。僕がやるのは、大枠の方向づけをするだけ。あとは「任せる」が基本です。

たとえば開発会議なんかでは、僕が発言する場が設けられているんですけど、そこではあんまり各論の話はしません。

pixivの設計思想…たとえば、全ての機能は最終的には作品を見つけることに結び付くべきだとか、そういう話をするんです。

メッセージ機能を付けるにしても、単にコミュニケーションができるようになったよね、便利だね、じゃダメ。

そうやって大きな概念が分かると、「だったらこういう機能はどうだろう」とかエンジニアのほうから勝手にアイデアが出てくる。



― エンジニアが活躍できる場づくり、というのは、アセットを用意するだけじゃない。自発的に何かが生まれる環境を用意しておくということなんですね。


そうだと思います。…って言うとなんかもの凄くカッコいいですけど、意味が無さそうに見えることもいっぱいやってます。

ミニ四駆ってあるじゃないですか。あれのでっかいレーシングコースをオフィスのエントランススペースに4コース並べて、土日にレースやったりしてますからね。みんな家が近いんで、自宅のリビングの延長みたいにして使ってるんですよね。いつも誰かしら居る、という。

まあ、それが良いことなのかどうかは分からないですけど、リラックスできる場所になっているというのはプラスなんじゃないかなと思いますね。


― 会社でも自然体でいられるというのも、好影響を与える要素かもしれませんね。本日は貴重で面白いお話、ありがとうございました!


(おわり)



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