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エンジニアを成長させる、たった6つの指針。|クックパッド CTO 橋本健太に訊く![前編]

2014-01-08

エンジニアを成長させる、たった6つの指針。|クックパッド CTO 橋本健太に訊く![前編]

『理想のエンジニア像』というテーマの基、クックパッドCTO 橋本健太さんにお話を伺った、インタビュー第1弾。現在、60人以上のエンジニアを抱えるクックパッドでは、数年前から「エンジニアのあるべき姿」を明文化して6つの指針を示してきたという。

クックパッドの考える、理想のエンジニア像とは?

日進月歩のスピードで進化し続けるWEB・IT業界。その成功の明暗を握っているのは、テクノロジーを駆使する“エンジニア”の存在であることは言うまでもない。

CAREER HACKはこれまでに、多くのCEO・CTOへ、「優秀なエンジニアとは?」という問いを投げかけてきた。

しかし、優秀なエンジニアと言っても、企業に属するか否か、企業の大小やステージによってその定義は様々。一概にエンジニアの優秀さを定義することは難しいのだ。

そこで今回は、「エンジニアのあるべき姿」というテーマにフォーカスを当ててみたいと思う。お話を伺ったのは、国内有数のテクノロジーカンパニー・クックパッドで、創業期から技術部門を指揮するCTOの橋本健太さん。現在、60人以上のエンジニアを抱えるクックパッドでは、数年前から「エンジニアのあるべき姿」を明文化して6つの指針を示してきたという。

エンジニアのあるべき姿

― さっそくですが、クックパッドでは優秀なエンジニアをどう定義しているのしょうか?


『優秀なエンジニア』といっても様々な側面があり、一概には難しいですね。

クックパッドでは数年前に、エンジニア同士が尊敬できるエンジニアの特徴をアンケートで取り、「エンジニアのあるべき姿」のような指針を明文化しています。

この指針を作った当時、エンジニアは15名程度。その頃はまだ、目に見える範囲で、お互いが「誰がどんなレベルで、いま何に取り組んでいるのか」ということが把握できていました。ただ、会社も成長しエンジニアの数も増えてくると、どうしても「クックパッドのエンジニア」という軸となるものの必要性を感じてきたんです。


― なるほど。それでは、6つの指針内容を教えてください!

【クックパッドエンジニア・6つの指針】



ユーザー視点


ユーザー視点といっても、いろんな捉え方があるかと思いますが、エンジニアからすると、エンジニアリングってユーザーが何かしらの問題を解決しないと本来意味が無いはずなんですね。つまりエンジニアってユーザーがいないと価値がないんですよ。

なので、解決させてもらえる問題を持ってくれているユーザー、そしてそれを解決できるエンジニアでいられることに感謝して、開発できることをユーザーに対するエンジニアの基本スタンスとしていきましょうと。サービス作って、「使わせてやるよ」というエンジニアではなくて、ユーザーに共感してユーザーの為を思う思考を持ったエンジニアでいようと。



高い技術力


ありがちなのが、「機能を作るための技術」という考え。でもそうじゃなくて、機能というのも、最終的にはエンドユーザーの問題解決につなげることが目的。高い技術力というものはどんな問題を解決したところに現れると。



誰にも負けない分野


みんなで同じことをやっても仕方がない、ということです。それぞれの分野で高い技術力を持っているエンジニアが力を合わせることで、エンドユーザーの抱える問題の解決を試みる。いいエンジニアというのは誰にも負けない分野での技術力を持っているべきです。



他のエンジニアに貢献


もう少し行動に関すること。エンジニアが生む価値って…、他とは違うと言ったら語弊があるかもしれませんが、「作ったものがずっと価値を発揮し続けること」だと思うんですね。レバレッジが効くということで、極論、一度作れば自分はやらなくていいという。

じゃあそれをエンドユーザー以外にどこに向けて発揮するかということで、お互いの生産性を上げること、つまり他のエンジニアがより早く価値を生み出せるようにしようと。ものづくりの生産性向上は、直接ユーザーに価値を生むのと同じ価値だと思います。

いいエンジニアって結構そんな行動するじゃないですか。ちょっと便利ツールを切り出してオープンソースにしてみたり。やっぱり、お互いの生産力を上げ続けることが、最終的にはユーザーに対して“1”じゃなくて“100”のものを早く与えられるようになると。



嘘ごまかし・妥協はナシ


ハッカーマインドに近いかも知れませんが、嘘ごまかし、妥協みたいなものはなくそうと。「ここのコードは汚いけどまぁいいか」というような時、これはみんなが使ったり、見るところだから…と。自分に正直になる。コードに正直になる。いいエンジニアっていい人が多いじゃないですか(笑)そういうのはマインドにも現れるのかなと。自分勝手なエンジニアはいいエンジニアにはなれないのかなと。



議論のための議論はやらない


最後はコミュニケーションについて。議論のための議論はやらないでおこうと。一番わかりやすいコミュニケーションは、「動くもの」と「数字」。エンジニアならば、「これだよ」と作って見せてみる。それが一番解決に近いコミュニケーションになるはずなので。なんかゴタゴタしたら、「プルリク送ってくださいよ」ってことですね(笑)それでもダメなら数字というもう一つのツールを使いましょうということです。



― かなり充実した内容ですね…!


ありがとうございます(笑)私達もかなりここに思いを込めて明文化しましたので、あくまで社内的なものですが、自信を持ってこの指針をエンジニアに共有しています。


(つづく)
▼クックパッドCTO 橋本健太さんへのインタビュー第2弾
エンジニアの評価基準、そして危機感を簡単に得る方法。|クックパッド CTO 橋本健太に訊く![後編]


[取材] 梁取義宣 [文] 松尾彰大




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