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「ムダを恐れるな、失敗せよ」Evernote日本人ディレクターから、日本のエンジニアへの提言。

2012-06-18

「ムダを恐れるな、失敗せよ」Evernote日本人ディレクターから、日本のエンジニアへの提言。

米国Evernote本社で活躍する日本人ディレクター佐藤真治氏。AppleでOS開発に携わったキャリアをもつエンジニアリングのスペシャリストであり、現地での起業を経験したアントレプレナーでもある彼に、「今、日本のエンジニアがやるべきこと」について伺った。

Microsoftのオファーを断り、Appleを自ら辞めた日本人エンジニア。

エバーノート 佐藤真治氏

すごい日本人が、いるところにはいるものだ。新卒で入った国内大手電力会社を1年で辞め、趣味のプログラミングを仕事にしようと決意。どうせやるなら本場で、と米国スタンフォード大学に留学。卒業後にオファーをもらった会社はApple、Microsoft…などそうそうたる顔ぶれ。

憧れだったApple入社後はOS開発に従事するも、約3年で自ら退職。理由を尋ねると、返ってきた答えにまた驚かされる。


「 自分の中で“3年ポリシー”を定めていたんですよ。最初の3年は学べることが多いけど、3年を超えるとあとは同じことの繰り返しになっちゃうから。3年たったら環境をバンと変えて、自分を無理やり勉強させるモードにしなきゃいけないと思って。なんせ怠け者だから 」


Appleを出た後は、バイオ系のスタートアップを経て、友人とモバイル関連技術で起業。惜しくも二度目の資金調達がうまく行かず会社を閉じたあとは、技術コンサルタントとしてシリコンバレーでさまざまな企業の開発に携わる。そのうち、EvernoteのリービンCEOに声をかけられ…今ではEvernoteでパートナーリレーションのディレクターを務めている。

珍しい経歴ですねとつぶやいたところ、その返しがまた痛快だ。


「 僕が電力会社に入った時、周りはみんな『いい会社に入ったね』と言うんです。でも僕は『この会社じゃ面白いことはできない』と思った。世の中の価値観なんて全くアテにならないんです。キャリアだって、自分で考えて自分で選んでいかないと 」


まさに型破り。シリコンバレーではこれがスタンダードなのだろうか?

「技術」はあるのに、「仕事」ができない日本人。

エバーノート 佐藤真治氏

― 佐藤さんの経歴を伺っていると、明らかに日本のエンジニアとは違う考えをお持ちのように感じます。シリコンバレーと日本のエンジニアとの間には、どんな「違い」があるのでしょうか?

技術的には、日本のエンジニアだって負けてないと思うんですよ。非常に優秀なんです。言われたことはそつなくこなすし、やれと言われたらいろんなことができる。

でも、誰かに言われるまで何もやれない。自分から「やろう」と動き出せない人が多いんです。エンジニアとしての能力は高いのに、その能力を「使う能力」が足りない。シリコンバレーだとそれでは目立ちません。目立たないと誰にも理解されないし、理解されないので評価もされない。

シリコンバレーでは、エンジニアでも自分の意見を言って誰かを説得するのは当たり前。黙っていたって、何もやらせてくれませんから。日本の場合、そういう主体性というか、コミュニケーションの能力がエンジニアに期待されていないんじゃないかな。

「失敗」こそが、違いを生み出すエンジニアへの第一歩。

エバーノート 佐藤真治氏

― シリコンバレーと日本との差は、文化的な違いによるものなのでしょうか?

日本人は「失敗を恐れる」という気質がとても強いですよね。もちろん何が起こるか分からないことをやるのがエンジニアの仕事ですから、コンサバティブなくらいでちょうどいい部分もあります。でも、だからといって「新しいことへのチャレンジ」はやめるべきではないし、チャレンジする中ではコンサバティブになりすぎるのもよくない。

スティーブ・ジョブズも「その瞬間はムダに思えることかもしれないけど、興味のあることなら、とにかくやってみるべき。それがいつ何時、大きなものに変わるか分からない」というようなことを言っていましたが、本当にそう思います。

悩んだあげく、「何もしない」という結論を出すのが一番よくない。ムダや失敗と思われることでも、やりたいと思うことなら一回やってみればいい。もういいやと思ったらやめればいいだけなんです。たとえ失敗したとしても、同じ失敗は二度としませんよね?失敗から学んで、次に同じ失敗をしなくてすむんだったら、それは大成功ですよ。


― 日本のエンジニアの中にも、今の自分に納得できていなかったり、カラを破るきっかけを探している人たちがたくさんいると思います。そういうエンジニアたちに、何かアドバイスをするとしたら?

野球の王監督が選手時代に言っていたことですが、「調子がいいときはボールが止まって見える」と。目の前にあるものが素晴らしい機会だと分かれば、カラダは自然と動くんですね。

ただし忘れてはならないのが、王さんは止まって見えるようになるまでに、ものすごいトレーニングを積んでいたということ。機会を掴むための準備がきちんとできていたからこそ、ボールが止まって見えたんです。

エンジニアもそれと同じで、機会が巡ってくるのをただぼんやり待っていてもダメ。巡ってきた機会を逃さないよう常日頃から準備をしておくこと、いざ機会を見つけたら臆せずやってみること。これに尽きると思います。

エバーノート オフィス



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