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CAREER HACK

プライベートプロジェクトの現場から―実践を通して導き出された、APIを使ったアプリ開発のメリット・デメリット。

2013-06-11

プライベートプロジェクトの現場から―実践を通して導き出された、APIを使ったアプリ開発のメリット・デメリット。

企業勤めのエンジニアが行なう個人プロジェクト特集第2弾。APIを使ったiPhoneアプリ《EasyPost to Zaim》を開発した宗定洋平氏に、開発を通じて分かったAPIを活用したサービスのメリットや企画の見つけ方を伺った。

▼企業勤めのエンジニアが行なう個人プロジェクト特集第1弾。
エンジニアが、個人プロジェクトを"続ける"ために必要な3つの準備。

サラリーマンエンジニア宗定洋平氏がZaim APIを使って開発したアプリ

サイバーエージェント社でスマートフォンアプリのフロントエンジニアを勤めながら個人開発プロジェクトを続けてきた宗定洋平氏。

ブログでの技術情報の発信やWEBサービス・アプリの開発を続けてきた彼が先日リリースしたのは《EasyPost to Zaim》というiPhoneアプリ。以前CAREER HACKでもインタビューした、閑歳孝子さんが開発するオンライン家計簿サービス「Zaim」のAPIを使って開発したアプリケーションだ。
―― 会社を辞めずに夢を追う方法―Zaim 閑歳孝子“プライベート開発のすすめ”[1]

彼はどのような経緯からZaimのAPIを使ったアプリケーションを開発したのか。そしてAPIを使ったアプリ開発のメリット/デメリットとは。いちエンジニアの個人プロジェクトがどう進められているのかにも迫った、インタビュー後編。


ヒントはネタ帳から。自分の欲しいアプリを作る。

― 先日リリースされた《Easy post to Zaim》について。どのような経緯で開発に至ったんですか?


Zaimをもともと使っていたんですが、登録画面をもっと使いやすいモノにできないかなと考えたのがきっかけですね。

僕はエバーノートをネタ帳のように使って、日頃気づいたアイデアや、軽い企画を書き込んでいるんです。ある日見返してみると、家計簿のことを書きとめていて、自分がより使いやすい家計簿をZaimを使って作れないかなと思ったんです。



調べてみるとZaimのAPIが配布されていて、これを使って開発してみたいという好奇心が生まれたんです。

やっぱり自分のつくるアプリの最初のユーザーは自分なので、使い続けたいと思えるアプリをまずは作るという思考で開発しました。

プライベートプロジェクトのススメ方

― どのように開発していったんでしょうか?


僕は設計とデザイン・開発を完全に別にしてプロジェクトを進めています。まずは画面デザインのボタン配置やUI周りを決めて、次に裏側のアーキテクチャを。Class分けなども最初の段階で決めて、紙に書いていきました。

設計とデザインを決めてしまえばあとは空いた時間を使って少しずつ進めていきました。デザイン素材はPhotoshopなどでつくって、設計に沿って開発を。使用するAPIの調査などは電車の中でスマホでネットサーフィンしながらやっていましたね。

《Easy post to Zaim》に関しては、Appleの審査もあわせてリリースまで4週間で完成させました。


― APIを使ったアプリ開発はよくされるんですか?


リリースはしていませんが、Google App Engineを使っていくつかサービスを作った経験はありました。

実は今回のアプリ開発でも、これまでやってきた細かな実装経験がすごく活きました。APIってそれぞれに癖のようなものがあるんですよ。リクエストヘッダを付けておかないと、返ってこないとか…。何も考えないで実装していくとよくわからないエラーが出まくるんです(笑)ある種ブラックボックスな面があるんですね。手探り。ただ今回の場合は、似たような仕様のAPIを実装したことがあったので、比較的すんなりと開発できたと思います。



― 逆にAPIを使ったサービス開発のメリットとしてはどんなものが挙がりますか?


一番大きなところだと、“他人の土俵で相撲がとれる”ということでしょうか(笑)というのもサービスのバックエンドを作る必要が無い。バックエンドを自分で持つとなると、当然のことながら自前で用意しなければならず、ある程度の維持コストがかかってしまいます。変にリスクを取らなくていいということは個人開発では結構重要なことだと。

リリースしてから実感した点として、もう一つ挙げると、既に多くのユーザー数がいるサービスだとアプリを使ってくれる方も多くなるし、反応を得やすいということです。まとめサイトでレビューも書いてもらったりできるし、注目もして頂けました。これはかなりモチベーションが上がりますし、見ず知らずの人に使ってもらえて感想をいただけるのは非常にありがたいですし、勉強にもなりますね。


― 宗定さんにとって、個人開発の最大のポイントとこれからの目標を伺えますか。


やっぱり自分が開発するサービス・アプリを最もよく使うのは自分だというところ。自分自身が使い続けたいと思えるクオリティーと機能を求めて、技術を身につけ、完成度を高めていくということかなと思います。

また、純粋な興味や同僚に負けたくない思いで始めた個人プロジェクトですが、いまでは目標として、いつか多くの人に使ってもらえるサービスを開発したいという夢ができました。今後はその目標に向かって、より技術や企画力を身につけていきたいと思っています。


― 最後に、個人プロジェクトに興味を持っている人たちにアドバイスを!


実はブログを書くことも、充分個人プロジェクトになると思うんです。いきなり大きな開発をしなくても、ちょっとずつ勉強した成果をブログに公開していく。ブログを書くと勉強の振り返りにもなるし、備忘録としても残る。少し大袈裟なことを言えば、自分をブランディングしてくことにもなると思います。

できれば自分でドメインを取得してホームページから作ってみるというのも面白いと思いますよ。


― ありがとうございました。今後のご活躍も期待してます!


(おわり)

[取材・文・撮影] 松尾彰大



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