2015年3月26日にランサーズ主催で開催された「Lancer of the Year 2015」から、日本初となるフリーランスの実態調査データを紹介します。日本国内にフリーランスとして収入を得ている人が何人いるのか、年収はどのくらいか、労働時間はどのくらいかが公開されました。
クラウドソーシングを展開するランサーズが、2015年3月26日に「Lancer of the Year 2015」を開催した。新しい働き方をいち早く体現するフリーランスを選出・表彰し、「新しい働き方」を日本社会に提案することが目的のイベントだ。
イベントでは「Lancer of the Year 2015- 新しい働き方大賞 -」の受賞者発表・表彰が行われ、その活躍ぶりが讃えられた。その他にも、経済産業省や日本テレワーク協会、東北芸術工科大学の教授などの有識者が登壇した基調講演やパネルディスカッションの開催も。
編集部として注目したのは、イベントで発表された、日本初となる「フリーランス実態調査」である。
CAREER HACK読者にもフリーランスという働き方を選択した人、検討している人がいるだろう。同調査では、日本の人口に占めるフリーランスの割合、年収や労働時間の割合などが発表された。
イベント発表資料をもとに、フリーランスの実態について紹介する。
この調査はランサーズ株式会社が、2015年3月12日~3月19日の間に全国の20~69歳の男女を対象(株式会社マクロミルの登録モニター6万人に対してオンライン調査を実施)として行なったものである。その結果からスクリーニングをかけた3094名(うちフリーランス1548名)分を有効回答としている。
まず注目したのが、国内人口におけるフリーランスの割合だ。同調査による想定だと、労働人口の19%にあたる1228万人がフリーランスとして、いくらかの収入を得ている。
(※厳密には、インターネット調査を実施しているため、20歳以上でインターネットを利用していない”フリー”ランスは除外されている。参照:「Lancer of the Year 2015- 新しい働き方大賞 -」“フリー” ランスの市場を知りたい/PDF資料 http://www.lancers.jp/award/)
日本の総人口の中で、約1割がフリーランスに該当するという計算だ。ちなみにアメリカで行なわれた同様の調査「freelancing in america」によると、2014年に全米でフリーランスとして収入を得ているのは5300万人。アメリカの労働人口の34%に上ると発表されている。経済規模でみると、日本の16兆円に対して72兆円と、フリーランスの割合・経済規模ともに大きいことがわかる。
先のフリーランス人口に対して、4種類のタイプに分けられるという発表がなされた。1228万人という国内フリーランスの内訳として、上記画像のように分類される。つまり、副業系すきまワーカーとして分類されるような「やりがいや生活費の補助を目的に週数時間程度を副業に充てる人」も、広義でフリーランスに該当するということだ。
読者を含めて最も興味がある、「収入」および「労働時間」については上の画像の通り。個人年収で400万円以上を得ようと思ったら、最も可能性が高いのは自営業系 独立オーナーに分類される働き方のようだ。
それ以上の年収、600万円以上を得られる可能性が一番高いのは、複業系 パラレルワーカーに分類される働き方。CAREER HACKでも何度か紹介している、パラレルワーク・ダブルワークという働き方が、最も個人年収が高くなるという結果である。
本業の他に収入が得られる手段があるのだから、当然といえば当然の結果か。
調査結果の中でフリーランスの心理を表しているのが、この画像にあるデータだ。
今後、フリーランスのような働き方をする人が増えると考えているのに対して、得られる報酬が増えるとは思っていない人が多い。
この背景には、請負単価の下落があるのか。もしくは、少ない仕事を多くのフリーランスで取り合いになることを危惧しているのか。
ただしランサーズが公言しているクラウドソーシングの市場規模は、年々増加している。適性な価格で市場が循環すれば、請負単価の下落に歯止めがかかるだろう。同時に、市場で流通する仕事が増えたとしても、スキルのあるフリーランスが報酬を得られることは変わりがない。
フリーランスとして一定以上の収入を得ようと思ったら、自らのスキルを磨くことが求められるということだ。将来の備えとして、副業や複業として始めてみるのはいかがだろうか。
ランサーズの特設サイトより、「Lancer of the Year 2015- 新しい働き方大賞 -」の詳細が見られます。
[取材・文]城戸内大介
(2016年1月25日一部加筆)
編集 = CAREER HACK
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