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たとえば《イケてるしヤバイ男 長島》のつくり方。シモダテツヤの仕事の流儀 前編

2012-06-18

たとえば《イケてるしヤバイ男 長島》のつくり方。シモダテツヤの仕事の流儀  前編

(株)バーグハンバーグバーグ代表シモダテツヤ氏。「オモコロ」を運営、クライアントワークでは「イケてるしヤバい男 長島」「アイレップ新社屋訪問」など破壊力抜群のWEBページを次々投下。確実に伝播するコンテンツを生み出す彼は、どのようにものづくりに臨んでいるのか。その制作術・クリエイティブ観に迫った。

「イケてるしヤバい男 長島からのお知らせ」の裏側。

長島さんキャプチャ

― バーグハンバーグバーグが手がけるコンテンツは、どれも圧倒的にシェアされていますよね。何か秘訣のようなものがあるのでしょうか?


当たる法則みたいなのは今までの経験で何となく分かるようにはなってきました。これはあんまりウケないけど努力は称賛されるなとか、めっちゃウケるけど嵐のように消えそうとか。これは広告代理店の人が喜んでくれそうとか。

その中で、まずソーシャルをやってる人たちに見てもらいたいと考えます。拡散するかどうか。ネタの方向性がどうこう以前に、友達に教えたくなるかどうか、友達に教えるときにどういう思考が働くかを考えます。

僕らは基本的に自分が作ったネタに対して、自分でツッコミを入れないんですね。ボケっぱなしでいくんです。ツッコミを入れるのは閲覧者、TwitterやFacebookでシェアしてくれたりする人だったりするんで。

その人たちがどんなふうにツッコミを入れるのか、そこはすごくイメージしますね。難しいボケだとツッコミのワードが浮かばないかもしれないので、できるだけ簡略化して、誰でも面白くツッこめる状況をどうやって作り出すか考えます。

「イケてるしヤバい男 長島」だったら、「イケてるしヤバいわー」だけでいいんですよ。深く考えず、切り抜くだけでいいんです。


― 一方で「炎上」というリスクも常につきまとうようになっていると思います。その中で、思い切った仕事をするためには?


うーん、世間の批判を過剰に気にしないことじゃないですかね。何をしても批判は出てくるものですし。へこたれないか、敵をつくらない演出をするかしかないと思います。

例えばものを一つ作るにしても、それがナルシストっぽくて痛々しく見えちゃうと人って攻撃したくなるものなんです。だから、相手に指摘される前に自虐に入る、みたいなことが重要かなと。

「イケてるしヤバい男 長島」も、長島さんが普通にイケてる人だったら意味が違ってくるじゃないですか。でも長島さんの写真をみると、そうじゃないとすぐに分かる。0.5秒で「ハゲてる!」って気づく。

ああいう感じだと、逆に好きになっちゃうんですよ。ちょっと可愛らしいとか憎めないような部分をあえて用意するのは、ものづくりするうえで大事かなと思います。


― 確かに、長島さんは憎めない。可愛いですよね。


あの企画のスピンアウトでバレンタインチョコをもらうために軽トラ3台用意して東京中をまわるってのを真冬にやったんですけど、あの人、極寒の中バスローブ一枚で新宿に突っ立ってましたから。雨も降ってたし寒そうだったなあ。靴履いて行こうとしたので「いや、靴は履かないでください」って靴を脱がして裸足にして。

最初はガチガチ言いながら肩をいからして直立してるんです。でも、極寒の中、雨降ってるし裸足だしで足が冷たかったんでしょうね。だんだん片足が上がってきて。しばらくしたら反対の足を上げて…ってフラミンゴみたいに身体を冷やさないようにしてるんですね。

人間って自分の体温を守ろうとするんだなっていうのを間近で見れたのは良かったです。自然と腰も曲がってきて、「ああ、フラミンゴの姿勢って理にかなってるんだな」って。

シモダテツヤの仕事のルール。

シモダテツヤ

― シモダさん自身で納得できる仕事をするために意識していることはありますか?

「斜に構えているものを作れているかどうか」というのは考えるようにしてますね。

ちょっとひねっているというか、何かギャップのあるものを入れ込むようにしているというか。予想できるものは作りたくないとは思ってます。言われ仕事だと誰にでも予想できるものをつくりがちですけど、そういう仕事はあまり好きじゃないですね。

― 例えばプレゼンの際に意識していることは?


その場で話す、ということは大事にしてます。資料で伝えることも大事だとは思いますが、結局仕事って付き合いだと思うんですよ。客先でヒアリングしつつその場でプレゼンして骨組みまで作っちゃう。

いろいろこっち側だけで考えて、クライアントに提案して「違うわ!」って言われたらどうしようもないじゃないですか。初めから言っといてくださいよって。

だから最初の打ち合わせの際にできるだけブレストでアイデアを出しつつ、相手の反応からどういうものを望んでいるのかヒアリングして絞っていき、そこからさらに浮かんだフラッシュアイデアをぶつけていく。その反応をみて「こっちの方向かな」っていうのを掴んで企画をつくると、わりと受け入れてもらえますね。

企画ありきではなく、その場その場でセッション的にやったほうが効率いいような気はするんですよね。「何か企画出してくれ」っていう仕事でも、事前に説明を受けたりするじゃないですか。その時に、ある程度ブレストも兼ねてやっちゃうことが多いです。


― こういうクライアントだとやりやすいとかありますか?


やっぱり多少ぶっ飛んだことにも理解あるクライアントだと嬉しいですね。たとえば担当の方の喉を長い棒で突いても怒らないとか、細胞を採取させて頂いてそれをもとに研究所でその方の合成獣(キメラ)を作ったりしても怒らないとか、中世ヨーロッパの拷問器具「鉄の処女」に閉じ込めるだけで毎月弊社に1億円振り込んでくれたりとか。そういう人だといいです。お知り合いにいらしたら紹介してもらってもいいですか?


[中編]に続く



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