気持ちよく働くために「道具」も大事!今回お話を伺ったのはブルーパドルのプロデューサーである深津康幸さん。カンヌなど広告賞を受賞したり、佐藤ねじさんたちとユニークなクリエイティブ作品を手がけたり。なぜ、質の高いアウトプットを生み出し続けられるのか。そのヒントを仕事道具から紐解いていきます!
[プロフィール]株式会社ブルーパドル 代表/プロデューサー 深津康幸
2012年面白法人カヤック入社。2016年7月、面白法人カヤックから独立した、佐藤ねじ・深津康幸で設立。WEB、アプリの制作をはじめ、IoTデバイス、インスタレーションや建築、プロダクト、ムービーの企画・制作などデジタルを軸とした様々なプロジェクトを担当。国内外の受賞多数。
「仕事道具」特集、今回お話をお伺いしたのは深津康幸さん。
カヤック時代の同僚である「佐藤ねじ」さんと株式会社ブルーパドル(Blue Puddle inc.)を設立。ユニークな広告やプロダクトをガンガン仕掛けるプロデューサーです。
なぜ、おもしろい企画・作品を絶え間なく世に送り出せる? アプリ、制作ツール、ノートなど...普段、仕事で何気なく使っている「道具」からもそのヒントがあるはず。深津さん、仕事道具を見せてください!
「仕事道具ですかぁ。あまり変わったものはないですよ?(笑)」
どこか人懐っこい笑顔で快く取材を受けてくれた深津さん。
まずはじめに紹介してくれたのが、「作業用」に欠かせないというイヤホンだ。『QuietComfort』シリーズのノイズキャンセル機能に感動して購入したのだとか。
「とくに作業集中したいとき、音楽をかけずに、ノイズキャンセル機能をオンした状態でつけてますね」
ワイヤレスモデルも出ているけど、あえてコードのついたワイヤードモデルを?
「じつはワイヤレスモデルも持っています(笑)SoundSportというモデル。作業時にワイヤードで、外出時にワイヤレス。用途とシーンによって使い分けていますね」
ちなみに音楽を聞くのはどういった時なのだろう。
「シンプルに、気分を盛り上げたい時に音楽を聞いています」
気分を盛り上げたい時に聞くアーティストについても伺えた。
「そこまで聞かれるんだ!(笑)そうだなぁ…コモンの「Be」を聴いていますね」
続いて伺えたのが、より実務に近い「タスク管理」について。よく活用しているのは、「OmniFocus」というツールだそうだ。GTD(Getting Things Done)というタスク整理術を元に設計されたアプリだ。
「なかでも“インボックス”という機能が便利で、よく使っていますね。突発的に発生するやらなきゃいけないことを、とりあえず入れておく場所として活用しています」
「そこに入れたタスクは、あとからプロジェクト(案件)ごとに振り分けていって。Google Calendarに作業時間など、いつどこでその作業をするかを落とし込んでいきます。なので、いつ何をやるかはGoogleCalendarを見ればわかるんですよね」
ちなみに、メンバー全員のスケジュールもGoogle Calendarで共有しているため、誰がいつ何を行なうのか、一目瞭然だという。
タスク管理に続いて伺えたのは、気分の切り替えについて。作業や打ち合わせ移動に追われて、気が静まらない、なんていう時も。そんなときはどうリフレッシュしているのだろう。
「Calmという瞑想アプリをつかっていますね。いろいろな機能があるんですが、僕は「Timed Meditation」という機能を使っています。1分間、綺麗な映像と自然の音を聴きながら頭を空っぽに。コーヒー飲んでも何だかんだ手を動かしちゃって、気分が休まらないこともありますよね。たった1分でも焦りで高ぶった脳みそが落ち着くので個人的な効果はあるなと」
取材しながら気づいたのは深津さんの服装。どうやら黒が基調になっているようだが…。
「仕事着として着る服の色は「モノクロのみ」という自分だけのルールを設けています」
WEBやデジタルの業界は、スーツを着る機会が少ない。服装に対して寛容なことも。タイを締めてビシっとする、なんてことはなく、服装だけで仕事モードへの切り替えが難しい。
「だからこそメリハリつけたいんですよね」
ちなみに休日には色味のある服装もするそうだ。
もうひとつ、ユニークだったのが、機動性を重視した道具について。
深津さんは、打ち合わせなどで移動する機会が多い。行き先で必要になりそうなものを持ち歩く。なかでも折り畳み傘にはこだわっているのだとか。折りたたみ傘はいろいろ試したという。そうしておもむろに紹介してくれたのがこれ。
「これ、 ADDEDというメーカーの傘なんですけど、すごいんですよ」
常にかばんに入れておくものなので軽いもの。そして丈夫さも譲れない。と、この傘に行き着いたのだとか。これは…ほしい!
続いておじゃましたのがご自宅。
深津さんの1日は、コーヒーを淹れるところから。またハンドドリップにこだわっているそう。
「1日の始まり、仕事への導入となる儀式的な感じかもしれません。家ではなるべくコーヒーをハンドドリップで淹れて飲むことが多いですね。蒸らしや抽出時間がかかるので、コーヒーの香りを楽しみながらリラックスできて良いです」
なんと、ドリップスタンドは深津さんが作成したもの。
「サイズやデザイン、素材など、好みなものを自作しました。これに限らず、世の中に欲しいデザインのものがなければ自分で作ってしまいがちです(笑)」
新たなテクノロジーの可能性を追い続けている深津さん。
もちろんスマートスピーカーも自宅に導入済みだという。
「リサーチ用にGoogle HomeとAmazon dot echoを購入して、いろいろと触ってます。これに限らず、新しいことにはなるべく触っておくようにしています」
家の中には、今までスタンドアローンな家電や家具しかなかったそう。
「ソフトにつなぐ架け橋となるデバイスが出てきたことで、色々な機能やコミュニケーションを付加できるようになってきたので、それを楽しんでます。実際、クライアントへの提案の幅も広がっているので、仕事にも役立っていますね」
スマートスピーカーをお持ちの読者のなかには、「あまり活用できていない」という方もいるかも?
深津さんはこんなふうに活用している。参考にしてみて欲しい。
「音声入力の便利さにおいては、半信半疑でした。でも使ってみるとかなり快適であることを実感してます。
使っている方はみなさん感じていると思いますが、家事で手が話せないときに音声で時刻を聞いたりテレビのオンオフできると地味に便利です。小さな子供がいるのですが、リモコンをそこらへんに置いておけないという面でも助かっていますね。
うちではIFTTTというサービスを介して、Nature Remo(赤外線リモコンを操作できるようになるデバイス)とHUE(スマートLED照明)を繋いでいます。音楽に合わせて照明を明滅させたり、外で雨が降りだすと明かりの色を蛍光色に変えるなど、結構楽しいです。他にも、LINEに繋いで、「帰りにアイス買って来て」など、家族間での何気ないメッセージを送れるようにしています」
最後に、深津さんが道具探しで大切にしていることについて伺うことができた。大切なのはあまりマニアックになりすぎないということ。いろいろ試す。いろんな人の意見を取り入れる。
「自分でインプットできる情報やそれにかけられる時間も限られているので、わからないことは知っている人に聞いちゃうのが早いですよね」
フラットに、そして気長に自分に合うものと出会っていく。そのために偏屈にはならず、柔軟さを大切にしていく。深津さんなりのスタイルが垣間見えた気がする。ぜひ参考にしてほしい。
ワンタッチホームオートメーション eny(エニー)
ワンタッチで日常生活の複数の動作を完了させる「eny(エニー)」。近年、音声入力で生活が便利になるスマートスピーカーが普及しているなか、ボタンを「押す」ことで、生活をより便利にしてくれるenyは、例えば、ボタンを押すだけで天気や交通情報を表示してくれたり、部屋の照明やテレビのチャンネルを一度に切り替えられたり、ホームセキュリティーのオンオフを行えたりできるというプロダクト。
時間を超えて景色がのぞける「Chronoscape」
Android Experiments OBJECT というプロジェクトで公募されたアイディアの中からグランプリに選ばれた、Chronoscape(クロノスケープ)というプロダクトのプロトタイプの制作進行や製造のディレクションを担当。
文 = 大塚康平
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