2018.06.06
「にじさんじ」生んだ田角陸って何者?事業の失敗も、VTuberで逆転!|ANYCOLOR

「にじさんじ」生んだ田角陸って何者?事業の失敗も、VTuberで逆転!|ANYCOLOR

バーチャルYouTuberグループ「にじさんじ」をプロデュースする田角陸さん(ANYCOLOR)。過去に動画事業で大失敗を経験している。仲間は去り、一人ぼっちに。その後、再起をかけたVTuberサービスで一発逆転、時の人に。勝てると思ったら迷わず飛び込む。勝負師「田角陸」の素顔に迫る。

田角陸|人気バーチャルYouTuber(VTuber)にじさんじ 手がける22歳

『月ノ美兎』をはじめ、20名 (2018年4月末時点)の人気バーチャルYouTuber(通称:VTuber)が所属する『にじさんじ』。プロデュースしている“いちから株式会社”のCEO 田角陸さん(22)に話を伺った。

バーチャルYouTuber市場でなにが起こっている?『にじさんじ』仕掛ける22歳の見解


「にじさんじ」が公開されたのは2018年2月。

わずか4ヶ月でYouTubeチャンネル登録数は総計100万以上。ライブ配信の同時視聴者数は、一気に国内トップクラスのグループとなった。

今でこそ注目される田角さんだが、大失敗も経験している。2017年、別の動画サービスを仲間と立ち上げたが、投資元が見つからず事業を畳んでいる。仲間は就活に専念するため、離れていってしまった。一人になった彼だが、「諦める」という選択肢も、焦りも全くなかったようだ。

「短期集中で勝負する」

「自分にもできると過信する」

「最後の一人になってもやり続ける」

そこには、勝負師としての一面があった。

「失敗をネガティブに考えたことはない」

image

バーチャルYouTuberの事業をはじめる以前に、4つの事業を立ち上げたのですが、失敗しました。出資を受けることができず、2人いた仲間も辞めて、自分だけが残って。ただ、だからといって焦りの気持ちは全くありませんでした。一発目のアイデアがうまくいくとも思っていなかったし、とにかく実行することしか考えられなかった(笑)

失敗をネガティブだとは考えていなくて、ダメなところが100個あるなら、実行しながらダメなところを1個ずつ潰していく。だからやればやるほど、当たる確率はあがっていくと思ってるんですよ。だから一人になろうがやるべきことを実行するだけ。

良いと思ったアイデアを世の中に出してみて、ダメならその理由を考える。次はこう攻めようって考えて改善策を実行する。逆にいえば、その繰り返しでしか、確度はあがらないのだと思います。

「他にできている人がいるなら俺にもできる」

もし、すべてダメだったとしても、そもそもリスクだってそこまで無いんですよね。普通に学生に戻って、バイトすれば生活はできるし。ただ、起業して早く社会に貢献したかった。「他にできている人がいるなら俺にもできる」と信じていたし、根拠はないけど、自信はありましたね。

今、振り返ってみると、「やったか、やらなかったか」でしか、人との差はないってどこかで実感していたのかもしれません。例えば、受験にしても、僕はもともと偏差値40だったんですよ。そこから猛勉強して早稲田大学に合格できた。「自分にもできる」と疑わなかったし。

ただ、もともとの性格でいえば、ダラダラしがちで。だからこそ、逆に短期集中で一気にやっちゃいたいんですよね。さすがに人生の全部を集中するなんて無理なので、「やる時」と「やらない時」をきっぱり分けるようにしています。毎日地道に努力することがあっている人もいると思いますが、僕は一気に集中したほうが成果が出しやすいタイプなのかも。

例えば、中学1年生から高校3年生までずーっと勉強漬けだったとして…はじめの1、2年のことなんて最終的には忘れちゃう。だからというわけではないですが、高2になるまでずっとダラダラ過ごしてたし(笑)また大学に入ってからはまたダラダラして。大学2年のインターンでサービスをつくる面白さを知ってから「集中してやる期間」がはじまりました。バーチャルYouTuber市場は立ち上がったばかりの市場。集中して取り組みたいですね。

「すぐに結果が出る、短期勝負がしたい」

image

じつは、バーチャルYouTuberで勝負をしたのも、短期集中に向いている事業だと思ったから。2017年6月にAppleのWWDCでARkitが発表され、表情認識の技術(Face Tracking)を使ったプロダクトが簡単に作れるようになりました。10月にiPhoneXが発売され、技術の普及からサービストレンドが予測できました。

日本でもフィッシャーズの「笑ってはいけないアニ文字がツボに入ってしまった。」という動画が少しずつバズりはじめていて。マーケットもありそうだし、animoji×生配信をテーマにしようと考えていきました。流行りはじめていたanimojiとライブ配信、この掛け合わせに集中をすれば、自分でも勝負ができると思ったんです。

その頃、バーチャルYouTuber『キズナアイ』が100万登録突破し、めちゃくちゃ盛り上がってきていて。女性YouTuberの中でも上位にランクインしてきて。バーチャルYouTuberがくることは間違いなかった。その波に乗っかろうと「にじさんじ」をリリースしました。

この先、バーチャルYouTuberもいつまで伸び続けるかわからないですよね。ただ、それでいいと思ってるんです。次に「来る」と思った領域があったら、そこにどんどん張っていく。なんせ僕は短期集中タイプなので(笑)


2017年末から突如盛り上がりを見せているバーチャルYouTuber。いったいなにが起こっているのか?
田角陸さんに見解を伺いました。インタビュー記事はこちら
>>>バーチャルYouTuber市場でなにが起こっている?『にじさんじ』仕掛ける22歳の見解


文 = 大塚康平


特集記事

お問い合わせ
取材のご依頼やサイトに関する
お問い合わせはこちらから