2021.06.07
400名のチームにNotion導入。全プロセスを公開!スマートニュースの場合

400名のチームにNotion導入。全プロセスを公開!スマートニュースの場合

Notionをチームで活用したい!そんなみなさんに向けて、スマートニュースでのケースをお届け。Notionを全社員400名で活用するまでのプロセス、導入にあたって大切にしたこととは?Notion導入の推進役を担った、スマートニュース 山本興一さんにお話を伺いました。

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▼全2本立てでお送りいたします。
【前編】スマートニュース のNotion活用術|社員400名でもワンチーム!
【後編】400名のチームにNotion導入。全プロセスを公開!スマートニュースの場合 (※後日公開予定)


【プロフィール】スマートニュース株式会社 Product Designer 山本興一
個人の趣味で運営していたウェブサービスをきっかけに上京し、フリーランスのウェブデザイナーとしてキャリアをスタート。2008年に株式会社ディヴィデュアルの立ち上げに参画し、いくつものプロダクトを作る過程でフロントエンド、バックエンド、モバイルアプリ開発、ゲーム開発などを担当し、モバイルコンテンツやアプリのシステムまで幅広い開発に従事。2018年にスマートニュース株式会社に入社。プロダクトデザイナーとして SmartNews のデザインを担当。

【もくじ】
・Notionを全社導入した理由
・まずは少人数で検証してみる
・多機能だからこそ、特定の機能で訴求する
・サポートを徹底してやる

>>>[関連記事]「Notion」に関する記事一覧はこちら

Notionを全社導入した理由

ー スマートニュースでは約1年前からNotionを全社導入していると伺いました。数あるドキュメントツールのなかで、Notionを選んだ理由はなんですか?

もともとスマートニュースでは、「Qiita Team」というドキュメントツールを利用していました。全社で活用が進んでいたのですが、UIの構造上、情報がフローになっていたんです。イメージとしてはTwitterのタイムラインのような形で、どんどんエントリー(投稿)が流れていました。

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たとえば、前編でご紹介した全社イベント「Global All-Hands」のログも、後から振り返ろうと思ったときに検索をかけて、大量の検索結果の中から探さないといけなかった。

他にも、オフィスのWi-Fiパスワードを知りたいときに、「Wi-Fi パスワード」で検索すると、何個もエントリーが出てきてしまって。ひとつのページで情報がメンテナンスされずに、いくつものページが作成されてしまって、必要な情報にアクセスしづらい状況も発生していました。

Notionを導入することで、いままで最適に扱えていなかったマニュアルだったり、wikiのコンテンツを適切に扱うことができるのではないかと考えました。

ー 山本さんがNotionの導入を推進役を担われたのはなぜだったんですか?実務もあるなかで、プラスアルファのお仕事になるので課題に思っていても、なかなか実際のアクションにつなげるのってすごく大変だと思うんです。

そうですね。チームとしてパフォーマンスが最大化される仕組みを考えたり、つくったりするのが好きというのはあると思います。

僕自身、もともとスマートニュースに入社する前に起業を経験していて、会社全体のパワーを上げてくには個人だけのチカラではなく、チームとしてのチカラが大事だなと身をもって実感していて。

なので、スマートニュースの全社員約400名がより快適に良い仕事ができるようになれば、会社全体の底力が上がるはず。その仕組みづくりにかけるコストって、大きなリターンとして返ってくるんじゃないかと思うんです。

みんなで一丸となって、それぞれのパフォーマンスを最大限に出せるようにするためには、Notionを活用していけたらと思いました。

まずは少人数で検証してみる

ー Notionを全社で導入していくプロセスについてもぜひ詳しく伺いたいです。

導入するまでのプロセスは、そうカンタンにはいかなかったですね...(笑)

2019年3月ごろから導入に向けて動き出したのですが、全社導入をスタートするまでに約1年くらいかかりました。

まず最初にコーポレート部門に提案しにいきましたが、「Qiita Teamを使っているから必要ないのでは?」とあっさり却下されてしまって...そこからどうしようかなと。

でも、改めて冷静に考えてみたとき、たしかに却下されてしまう理由もわかるなと思ったんですよね。既存のツールがあるのに、新たにツールを導入すると情報が分散する可能性もある。リスクもあるなかで、データを移行するのも工数がかかりますし、カンタンには承認できない。

なのでいきなり全社導入をするのではなく、まずは少人数のチームでNotionを導入してみようと考えました。

そもそも、僕自身は個人的にNotionを使っていて良いなと思ったけど、スマートニュースとして相性がいいのかどうか?は分からない。なので、5~6名のチームで導入し、検証しようと思ったんです。改めてコーポレート部門に相談しにいったところ、「少人数なら...」と承認がもらえました。

実際に導入してみたところ、すぐに価値を感じてもらえて。別のチームに「Notion、あのチームで使っててすごくいいからぜひ!」と説明しにいって、少しずつNotionに価値を感じてもらうチームを増やしていったんです。

そうしているうちに、社内でNotionの地位が上がってきて。改めてコーポレート部門に、「みんなNotion使ってみて価値を感じてもらえてますし、全社導入してみませんか?」と相談しにいったところ、全社導入の承認がもらえました。

多機能だからこそ、特定の機能で訴求する

ー 2019年3月だと、まだNotionを使ったことのない人もたくさんいたと思います。Notionを活用してもらうために、なにか工夫されていたことはありましたか?

そうですね、当時は社内でもNotionを使ったことのない人がほとんどだったと思います。

なので、まず「Notionって、どう使ったらいいの?」を分かりやすくイメージしてもらうことが大事だと考えました。Notionは機能が豊富でいろいろな活用の仕方ができるんですけど、まず「この機能をこの用途で使うといいよ」と伝えていました。

たとえば「議事録の管理に絞って使ってみましょう」とか「プロジェクト管理に絞って使ってみましょう」とか。「あれもできるし、これもできるよ」と全部を伝えると、プロダクト開発と同じで全然刺さらないので、用途を特定して訴求するのがオススメです。

サポートを徹底してやる

あともう一つ、みんなに使ってもらうために重要なのは「サポートを徹底してやる」ことです。

Notionに限らずですが、新しいツールに慣れるまでって大変ですよね。「どうやって使ったらいいんだろう?」「思い通りにならないな...」と壁にぶつかって、諦めてしまいがちです。

なので、導入していったチームに対しては、「わからないことがあったら、いつでも何でも聞いてください」と伝えていました。質問や相談がきたら、必ず答える。放置せず、サポートするように心がけていましたね。

ー すごい...社内のカスタマーサポート的な役割も担っていたのですね...! Notionを全社導入してみて、困ったこととかなにか問題は起きませんでしたか?

正直、想定していたよりも全然問題は起きてません。

強いて言えば、本来階層の中にあるべきページが、ワークスペースと並列して新しくつくられてしまうことがありました。いままで使っていたQiita Teamみたいに、新しいページをつくって投稿していくフロー的な使い方をしてしまっていたんだと思います。

Notionの階層構造を理解してもらうために、ページの作成者に連絡をとって「Notionの特徴は~なので、ぜひ~って使ってください」とひとつひとつ啓蒙していきました。

チームによっては整理・整頓するのが好きな人がいて、「Notionリーダー」としてサポート役を担ってくれるようになっています。議事録のテンプレをつくったり、情報を整理したり。そんなふうに、社内にサポーターが増えてくると、問題も起きにくいのではないかと思います。

>>>前編:スマートニュース のNotion活用術|社員400名でもワンチーム!


取材 / 文 = 野村愛


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