2020.02.12
クラウドワークスが狙う副業市場、新規事業『クラウドリンクス』の勝算

クラウドワークスが狙う副業市場、新規事業『クラウドリンクス』の勝算

クラウドワークスが副業・複業プラットフォーム『クラウドリンクス(CrowdLinks)』をリリースした。狙うはハイクラスの副業・複業ニーズ。すでにIT系や大手企業出身者など、ハイクラス人材が2000人以上登録している。プロダクト立ち上げを牽引した成田修造さん(副社長兼COO)に開発の裏側、勝ち筋を聞いた。

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全2本立てでお届けします!
[1]クラウドワークスが狙う副業市場、新規事業『クラウドリンクス』の勝算
[2]CEOが自信喪失、組織崩壊の危機。そのときNo.2は「コーチ」になった。クラウドワークス 成田修造

+++現在30社の企業と2000人のユーザーが登録。企業は無料で会員・案件登録ができる。ワーカーとしての利用は完全に無料だ。企業側はアカウントあたり月1万円でワーカーへスカウトを送ることができ、マッチングが成立すると20万円の成功報酬手数料を企業が支払う仕組み。すでに多くのマッチング事例が生まれている。

『CrowdLinks』ってどんなサービス?
・ハイクラス人材に特化した副業・複業プラットフォーム
・登録者は事業開発・経営企画・経理財務・人事など、2000人以上
・副業を通じて転職潜在層とつながることで採用力の強化にもつながる

リファラル採用では、出会えない人材がいる

――すでに副業やハイクラス人材に特化したサービスも多いですよね。後発のサービスとなりますが、『クラウドリンクス(CrowdLinks)』の勝算はどこにあるのでしょうか?

僕らだからこその強みとしては、2つあります。

1つ目は、「リファラルでは出会えない人材にアプローチできる」ことです。 これから副業が活用され、対象人口が1000万人になるともいわれています。そうなると、「リファラル」だけだと、出会えない人材がいると思うんです。

他社さんでも副業マッチングサービスが出てきていますが、リファラルやソーシャルネットワークをベースにしたものが多いです。そのやり方は否定しませんし、一定成功するとは思います。ただ、SNSをベースとしたサービスなので、どうしてもネットワークが限定されてしまうと思っています。

最近、副業を解禁する大企業が増えていますが、大企業の従業員とつながっているベンチャー企業は多くありません。大企業の従業員をベンチャー企業が見つけようとしたらn対nのマッチングじゃないと難しいと思うんです。

2つ目に強みとなる部分だと考えているのは、「副業・複業に特化している」こと。たとえば、BizReachさんやWantedlyさんなどすでにインフラとなりつつある企業さんも副業向けの求人を出していますけど、基本的には正社員採用のプラットフォームです。

僕らは正社員向けではなくて、フリーランスないしは副業ワーカーに特化しているので、よりフレキシブルな働き方を提供するプレイヤーであるというのがコンセプトとしての違いです。

+++「クラウドワークスにすでに300万人のユーザーが登録していますが、さらに市場を広げていたかった」と成田さん。「働く総数を広げていく必要があると考えました。日本には労働人口が7000万人いるのですが、そのほとんどの人がクラウドワークスを使っていない。「"働く"を通して人々に笑顔を」という僕らの理想を叶えるためには、案件の質をもっと上げて、正社員労働に近い仕事をフレキシブルにマッチングする必要があると考えました」

スプレッドシートからはじまったニーズ検証

――多くの企業でハイクラス人材が不足していることは事実だと思うのですが、ニーズの検証は行ったのでしょうか?

そもそも僕らも使いたいと思えるサービスじゃないと広まらないだろう、と思って。まずは自分たちのニーズから掘っていきました。すると、ハイクラスかつフレキシブルな領域で、様々な副業人材のニーズが見えてきたんです。

そこで、「うちの会社でこれだけニーズがあるなら、他の会社でもニーズがあるはず」と思い、知り合いの会社さんやワーカーさんに、「こんな案件(ワーカーさん)がある(いる)んですけど」とスプレッドシートを見せて、興味を持ってくれた方をメールやチャットでつないでいきました。

すると、意外にもマッチングするんですよね。 それがHPやプレスリリースで紹介しているエウレカさんとか、バルクオムさんの事例です。当時は、まだプラットフォームとしては成り立っていなかったんですけど、こういう事例が増えていけばサービスとして成り立つんじゃないかと思って。n対nのマッチングができるプラットフォームとして大々的に打ち出すことにしました。

+++

失敗から学んだ、新規事業の立ち上げのポイント

――新規事業を立ち上げるうえで、苦労したところは?

これまでFinTechや人材紹介、C2Cマーケットプレイスなど、様々なサービスを立ち上げてきたのですが失敗も多くありました。

数々の失敗を経て学んだ、新規事業の立ち上げのポイントとして今回3つ意識したことがあります。

ひとつはチームのバランスですね。これまで何かを実現するときに、ビジネス寄りになったり、テクノロジー寄りになったり、バランスを欠くことがありました。なので、今回はビジネス(B)とテクノロジー(T)とクリエイティブ(C)のBTCのバランスを保ったチームづくりにこだわりました。

 もうひとつは、アイデアありきでスタートせず、顧客のインサイトと自分達の強みを理解して立ち上げるということ。これまでは市場がある、他社がうまくいってる、ビジネスモデルとしてこういうものが必要だ、みたいな視点にこだわっていたんですけど、それだけでは上手くいかないことも多くありました。

より大切なことは、顧客やユーザーが持っているインサイトをちゃんと理解し、それどう表出させて、どうプロダクトで表現するかだと気づいたんです。だから具体的なユースケースや体験として何があれば成り立つのかにこだわった。そして自社のアセットも重要で、スタートアップではないので、完全にゼロからというより自分達が強みを持てるところで勝負しようと。だからクラウドワークスのユーザーのベースがあることを強みとして立ち上げられるサービスというのはイメージがつきやすかったです。

 最後は、「ダメならすぐ戻ればいい」という感じで、小刻みに行ったりきたりすることが事業創業では大事だということ。何が今自分達はわかっていないのか?を明確化して、ちょっとずつ、ダメな結果でもいいからわかるようにしていくこと。仮説検証のプロセスと結果を明らかにしていくことを大事にしました。

時間をかけたけど上手くいかなかったでもダメだし、短期的な結果が出せないのもダメなので。

1000万人の副業時代のインフラになるために

――最後に、今後の展望について教えてください。

クライアントさんのニーズ喚起に力を入れたいと思っています。

現状だと、副業を解禁してる企業さんは多くても、副業を活用して「こんな仕事をお願いしたい」ってイメージできている企業さんってそこまで多くなくて。そこが、副業が広がるボトルネックにもなっていると思ってます。

まずは活用事例を増やしていくことを、基本的なマーケティングの方針にしています。一方で、副業ワーカーさんは「いい仕事があればやりたい」という人が想像以上に多いと感じています。これまで『クラウドリンクス(CrowdLinks)』のようなプラットフォームはなかったので、「待っていました」という声をいただくことも多いんですね。

企業さんが副業人材の活用を当たり前に感じてくれれば、必然的に『クラウドリンクス(CrowdLinks)』はプラットフォームとして機能していくと思います。

そのためにも、まずは企業さんの活用イメージをクリアにしていくことに力を入れたいですね。その上で短期的な目標として、まずは有料クライアント100社、100マッチングを目指していきたい。

中長期的には、『クラウドワークス』と同じくらいの規模感の事業に『クラウドリンクス(CrowdLinks)』を成長させて、この2つでクラウドワークス社として巨大なプラットフォームにしていきたいと考えています。さらにロングビジョンでいうと、1000万人の副業時代でマーケットシェアNo1になりたいです。

>>> CEOが自信喪失、組織崩壊の危機。そのときNo.2は「コーチ」になった。クラウドワークス 成田修造


編集 = 野村愛
取材 / 文 = 田尻亨太


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