2021.02.01
お試し入社者にも、Notionの権限を付与して一緒に働く|10XのNotion活用術

お試し入社者にも、Notionの権限を付与して一緒に働く|10XのNotion活用術

なぜ、チームでNotionを使う? どう移行した? もっとチームでNotionを活用したいと考えるみなさんに向けて、10Xでのケースをご紹介! 10XでPRとHRを担当する中澤理香さん(@r1ccha)にお話を伺いました。

0 0 4 6

全2本立てでお送りいたします。
【前編】Notionをチームで使う! 「10X」でのNotion活用法
【後編】Notionに「ドキュメントプラットフォーム」を移行。その背景、プロセスについて

>>>[関連記事]「Notion」に関する記事一覧はこちら

Dropbox paperからNotionへ

もともと私が入社する前ですが、10Xでは社内のドキュメントプラットフォームとしてはDropbox Paperを使っていました。2019年12月にNotionに移行しています。

Dropbox Paperをチームで使う上で課題になっていたのが、

・ドキュメントの階層構造がわかりづらい
・同時編集に弱い

ということ。そこからNotionも含め、さまざまな「代替ツール」を比較検討しはじめました。

+++移行の背景もNotionに全て記録されている。当時、中澤さんは入社前だったが、こうした記録がNotionに残っているので背景がわかる。「当時、私はいなかったんですけど、探せば出てくるので、読めば取材にも応えられる。こういうところがいいなって思いますね」と中澤さん。

当時、移行において代替ツールの候補に上がっていたのが、

・Notion
・Crowi
・Google Docs
・esa
・Kibela

でした。

検討軸をもとに、各ツールのメリット・デメリットを洗い出し、総合的に2019年末時点ではNotionを選択することになりました。このプロセスもNotion上にドキュメントが残っているので、あとからでも社員誰でもわかるようになっています。

+++

「How」ではなく「Why」を書く

Notionに限った話ではないですが、10Xの文化で重視しているのが、 「Whyを共有する」ことです。

なぜそれをやるべきなのか。やることになったのか。その理由と背景を残していく。「Why」さえわかれば、「How」はその人たちに任せていく。

BizDev(事業開発)からエンジニアに開発における要望などを伝える時も、なぜ、その機能が必要なのか。なぜ、パートナーやユーザーがその機能を欲しがっているか。「Why」を伝えて、それを開発上どう実現するかという「How」は任せていくカルチャーを大事にしています。

1つ驚いたエピソードがあります。私が10Xで働き始めた直後、「創業から手掛けてきた献立アプリ『タベリー』をクローズする」という経営判断があり、全社定例で周知されたのですが、社員からの質問が全くでなかったんですね。3年くらいかけて作っていたプロダクトを終了するのに、異議はないのかなと心配したのですが、その発表の前からも検討の様子や決断の経緯が常にNotionで更新されていたので、みんな、特に驚きはなかったようで。コミュニケーションのコストが削減されており、非常にスムーズだなと感動しました。

お試し入社者にも、まずはNotionを見てもらう

採用プロセスにおいても、「Notion」が役立っている面はあります。

10Xでは、採用プロセスの一貫で1日以上一緒に働く「トライアル入社」を設けています。トライアルの際、候補者の方にはNDA( 秘密保持契約)を結んだ上で社内向けNotionや各種ツールにアクセスできるように権限をお渡ししています。

Notionを見れば、会社の現状や動いているプロジェクトまですべてわかります。その中から、候補者の方自身に「どういうイシューに取り組むのか?」を自分で決めていただき、実際に仕事をしてもらうのためのトライアルです。実際の仕事と同じ環境を用意し働いてもらうことで、10Xの働き方が合うのか?をお互い見極めるプロセスと位置付けています。

トライアル中の方から、とくに「おもしろい」と言われるのが、Notionで用意している【メンバー】のページ。入社の際に全員自己紹介を書いてもらっているのですが、幼少期から今に至るまでのストーリーや出来事など、ものすごく細かく書いている人が多くて。

「この時にどう思ったか」という心情まで書かれていたりして、もともと顔見知りだった人でも、どういう人間かわかるようになっています。「相互理解」はチームビルディングにおける大切なプロセスですし、リモートで直接会う機会も減っている中で会社の雰囲気や社員の人となりを知る手段として重宝しています。

+++

教えて、Notionのアレコレ!

最後に、中澤さんに「チームでのNotion活用」について気になるポイントをぶつけてみました!

あえてNotionの欠点をあげるなら?

モバイルアプリが、やや使いづらいかもしれません。たとえば、移動中にサッと作業したい時などは、PC版に比べて足りない機能もありますね。Slackとの連携も通知が遅かったり、多少読みづらさがあります。また、現時点だとUIが全て英語なので、そこもネックになる企業はあるかもしれません。

公開するWebページして使うとき、独自ドメインはどう設定している?

Notion独自の機能ではないのですが、いくつNotionをwebページとして設定するための外部サービスが立ち上がっています。10Xでは 『Super』を活用し、独自ドメインを張って使っています。

ドキュメント文化を根付かせる上で、メンバーに書くチカラがないと運用は難しい?

そんなことはないと思います。当然10Xメンバーも、全員が入社当日からドキュメントに慣れているわけではありません。ただ、毎日日報や議事録、ちょっとした調査や考えたことなどのシェアをやっているうちに、ドキュメンテーションのスキルも上がります。「書いて残すのが当たり前」にするカルチャーが大切だと思います。

>>>【前編】Notionをチームで使う! 「10X」でのNotion活用法


文 = 白石勝也
取材 / 編集 = 野村愛


特集記事

お問い合わせ
取材のご依頼やサイトに関する
お問い合わせはこちらから