2019.05.23
佐藤ねじの社会人1年目の記録|毎週書いた「じぶん通信簿」

佐藤ねじの社会人1年目の記録|毎週書いた「じぶん通信簿」

「小1起業家」の父親としても話題になった佐藤ねじさん。世の中をわかせるクリエイターだ。彼にもパッとしなかった新人時代が?! 社会人1年目で実践した、ユニークな「成長ハック術」について伺った。

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小1起業家 〜900円借金して、コーヒー屋を家庭内起業〜
おこづかいがほしい小学1年生の息子さんに、佐藤ねじさんが「おこづかいの稼ぎ講座」を開催。すると息子さんは、家庭内でコーヒー屋さんをはじめ、結果的に「数学/お金/仕事」の学びにつながった。

わずか半年でやめてしまった、新卒1年目

「顔ハメ絵本」「レシートレター」など、ユーモアのある作品を次々に生み出し、世の中を沸かせてきた佐藤ねじさん。その原点は、不遇の会社員時代にあった。


大学を卒業し、一番最初はセールスプロモーションの会社にデザイナーとして入社をしました。けれど、半年ほどで辞めてしまったんですよね。

「おもしろいものをつくりたい」と意気込んで入社したものの、実際の仕事はすでに決まったアイデアをカタチにするもので。

思った仕事とは全然違って、「本当はもっとおもしろいことしたいのにな...」と、胸の内で葛藤がありました。

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まわりを見渡せば、同世代で早々に活躍している人もいる。

アニメ監督の新海岳人くんは、学生の頃からの知り合いで。僕と同じタイミングで地元の名古屋から上京してきたんですよね。彼は新卒でパナソニックに入社して、1年目から宣伝部で広告クリエイターとしておもしろそうな仕事をいろいろ手がけていて。プライベートでも作品をつくってコンペで賞を受賞したり、本を出版したり。

とにかく焦る気持ちでいっぱいでした。

自分と同い年なのに、なんでこんなにも違うんだろう...って。自分も「早く結果を出したい」「武器がほしい」と思っていました。

月1回、刺激をくれる仲間と「アイデア飲み会」

誰かと比べて落ち込んだり、嫉妬したり。負の気持ちはなかなか切り替えられないもの。けれど、ねじさんは「嫉妬心は自分のエンジンになった」と振り返る。


いつからか、「同世代のイケてるやつ」って、自分にとってすごく刺激を与えてくれる「エンジン」のような存在だなって思うようになったんですよね。

なので、月に1回、ぼくの家に新海君とか同世代のクリエイターたちを呼んで飲み会やっていました。過去に開催されたコンペのお題をみんなでアイデアを出し合って、誰が一番おもしろいかを競い合ったり。もちろん他愛もない話をしながらも、お互いの近況や将来像を語り合ったり。

そういう時間が、「自分ももっとがんばらなきゃ」って鼓舞されました。「あいつが賞を取れたんだから、自分にだってできるはずだ」って、彼らのおかげで自分が到達するべき目標をクリアに描けていたと思います。

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週1回、じぶんに「通信簿」を

具体的にどのようなことに取り組んだのか。新人時代、とてもユニークな方法で自分の成長をハックしていた。


ぼくがやっていたのは、週ごとに目標を立て、自分を振り返る「週チェック」というもの。小学生の頃の「通信簿」にイメージが近いかもしれません。

理想の自分から逆算して、「やるべきこと」を洗い出し、毎週進捗をチェックするんです。

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「週チェック」の具体的なやり方としては、

・週の初めに、今週の重点テーマを決める。

・具体的なプランを立てる。

・週末に、1週間を振り返り、実際にどんなアクションを取ったのかを「DO」に書き出す。

・次に活かせそうなこと、気づいたことを「SEE」に書き出す。

・最後に、それぞれのプランの評価を「○」「△」「✕」で評価する。

10年ぶりくらいに見返しましたが、いま改めて見返すと、めちゃくちゃ恥ずかしいですね...。

「少しでも人と話そう。もっと面白い話ができるようにネタを仕込もう」とか書いてる...。

自分の黒歴史をさらしている感じで、インタビューでこのお話をするのは最後かもしれません(笑)

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でも、この習慣を続けていて、本当によかったなと思っています。

漠然と「こうなりたい」と理想を抱いても、なかなか動き出せません。目標を立てて、行動し、毎週振り返って記録していく。このサイクルを続けるなかで、僕なりに小さなアクションを積み重ねてこれました。

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ちなみにこの「週チェックシート」は自分でつくって、使いやすいように自分で改善してました。最初は項目をチェックするページだけでしたが、途中から余白ページをつくってますね。上司からのフィードバック、読んだ本のサマリ、参加した勉強会で学んだことなど...インプットしたこともまとめるようにしていました。

+++「週チェックシート」の1ページ目には、自分に課した目標を書き出した。

金曜の真夜中にはじまる、個人制作

「週チェックシート」の他にもうひとつ、新人時代にねじさんが続けていたことがある。


じつは大学生の頃からやっていた個人制作は、社会人になってからもずっと続けていました。

金曜日の夜から日曜日の夜までが、僕にとってのゴールデンタイムでした。

平日は終電で帰る日々だったので、なかなか制作の時間をとれなかったので、金曜日が来るのが楽しみで仕方がなかった。当時住んでいた家の近くに、夜2時までやってるカフェがあって、金曜日の仕事終わりはそこに篭ってましたね。

+++ねじさんが1年目の頃に制作していた作品。スリットから太陽が出てきたりできる、仕掛け絵本的な年賀状

個人制作は、自分の癖なんですよね。やらずにはいられない。自分にとって欠かせない、大事な時間というか。制作することで、他の人よりも2倍つくれる。

たとえ仕事でボツになったアイデアでも、自分でやってみると案外周りの評判が良かったりもするんですよね。なんの制約のない状態のほうが、おもしろいものができたりもする。

だから、会社での成果と、「本来の自分の良さ」や「センス」は必ずしも一致はしないと思うんです。

仕事で自分のアイデアが報われなくても、自分でつくってみたらいい。とくに、アイデアで勝負していきたい人は、ぜひポートフォリオワークオススメしたいです。

 社会人1年目だった僕に、今伝えたいこと

もし「入社1年目の自分」に、今ねじさんがアドバイスをするなら?


いや~...たくさんありますね(笑)

コツコツ「週チェック」を続けて、偉かったなとは思うけど、改めて見返すと不完全で、もっと工夫できたなって反省してます。

まず、目標の立て方について。「年間目標と月間目標の両方を立てよう」、と伝えたい。

当時は週単位で目標を立てていたので、起点がいつも「過去の自分」でした。今月の目標に対して、今週どうだったかを振り返れれば、「理想の自分」を起点に逆算してタスクに落とし込める。きっと、取り組むべきタスクの優先順位も変わって、成長速度を早められた気がします。

あと、「もっとタスクを絞ろう」と言いたいですね。当時は絞りきれず、20個くらいリストアップしてたので。そんなに1週間で手を付けられるわけないのに...(笑)なんでもかんでも手を付けて、中途半端になってしまったものもたくさんありました。その時々で取り組むタスクは変わってもいいけど、やるなら絞ってチカラを注げば成果が出やすいかなと思います。

あとはもうひとつだけ、「メンターを探そう」って言いたい。メモしたり、振り返りしたり、僕はどちらかというとなんでも自分で答えを探そうとしていました。視野が狭かったと思う。自分と向き合うのも大事だけど、人に聞いたたほうが早いこともある。もっといいやり方をしれたり、早く結果が出せたかもしれない。だから自分の殻に閉じこもらないで、もっといろんな人に出会って話をしてみてほしいと、伝えたいですね。

(おわり)

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文 = 野村愛


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