2019.06.13
タイミー小川嶺、22歳現役大学生社長のチーム論「メンバーと一緒に遊びまくる」

タイミー小川嶺、22歳現役大学生社長のチーム論「メンバーと一緒に遊びまくる」

22歳の現役大学生、小川嶺さん率いるタイミーは、サークルのよう。社員とビリヤード、スノボにいったり、釣りにいったり。仕事も「遊び」もメンバーみんなで楽しみまくる!ミレニアル世代たちが実践する、新たなチームのあり方とは?

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社員みんなで、いつでも、どこでも楽しみまくる。

タイミーのオフィスには、卓球台や麻雀台など、とても遊びが充実している。まるでサークルの部室のよう?


そうですね、仕事終わりもみんなで遊びますけど、休憩中に「1試合やろうか」みたいなノリで卓球をすることも珍しくありません。

ただ、こういうと、「仕事なめてる」って思われるかもしれないのですが、決して仕事を軽くみているわけではないんです。むしろ真剣に、僕は『遊び』こそが、仕事のパフォーマンスを上げるって思っていて。

仕事とプライベートを切り分けることによって、オフィスにいくことが苦痛になってしまう人もいますよね。仕事のために仕事してる環境って、とても窮屈。そもそも人の集中力は長く続かないし、生産性が下がっていると思うんです。

僕自身も起業前にいくつかの会社でインターンをした経験があるんですけど、オフィスが仕事をする場所として区切られていて、心地いい空間じゃなかったんですよね。働くこと自体、仕事に集中して取り組むことは好きだけど、集中力が切れてくると「いつ終わるのかな」なんて考えてしまうことがあった。

あるとき、僕のメンターをずっとしてくださっている、リクポ社長の木崎智之さんのオフィスにいったときに、卓球台があったんです。メンバーと卓球やってる姿を見て、すごく楽しそうだったんですよね。ずっと夜まで話し合ったりしているし、仕事だけど良い青春だなって。

仕事と遊びの垣根をなくしてシームレスにして、みんなに楽しく仕事をしてほしい。そのほうが結果的に仕事でのパフォーマンスを高めると信じています。

+++遊びはリフレッシュのためだけでなく、メンバーとのコミュニケーション、そしてアイデアのブラッシュアップの場として活用されているという。「メンバーと一緒に卓球をしながら、いま持っているアイデアを相談することも多いです。役職や仕事内容問わず、その時々で近くにいるメンバーと雑談をするなかで、思いもよらない意見をもらえたり、ヒントを得たりするんですよね」

いつでも、コミュニケーションは自分発

小川さんが意識していることは、フランクにアイデアをメンバーに相談すること。


たとえば、夜アポを終えて、オフィスに帰って来たときにいるメンバーに、「ねえ、聞いて!めっちゃ面白いの考えたんだけど」って話しかけることは心がけています。

僕も「これつくったら、やべぇな!」ってテンションでワクワクしながら話しているので、メンバーのモチベーションも上がると思うんです。みんなが楽しそうだね、やりたいっていう雰囲気につながる。

それに、アイデアをもとにメンバーを巻き込んでより大きなアイデアにすることに価値がると思っていて。アイデアはそれ自体に価値はないと思うんです。だからどんどんアウトプットしてみんなを巻き込んでいきたい。

まずは気心の知れた人間関係を

タイミーでは合宿も行うが、「遊び」の要素も多い。そこにも小川さんなりの考えがある。

スタートアップなので、もちろんビジョンの共有は大切です。ただ、気心の知れていない人に、熱く語られても、ぜんぜん刺さらないと思うんです。お互いの本音をさらけ出し、その人の人となりを知れるからこそ、僕やマネージャー層がいま何を考えているのか、深く知れるはず。

そういった話をしやすくするためにも、ぼくらは「一緒に遊ぶ」ということを大切にしていて。

たとえば、いま毎月2~3人入社していて、3ヶ月経つだけでも、8人くらいメンバーが増えているんです。彼らの歓迎会も兼ねて、合宿はコンテンツを組み立てています。

メンバー同士こんな人がいるんだって知れることは、仕事でのコミュニケーションのきっかけにもつながりますし、入社したメンバーにとっても一緒に遊ぶことで打ち解けられる。安心感を持ってもらえたらと、思っています。

ぼくらが一方的に話すんじゃなくて、みんなでディスカッションしたりとか、みんなでアイデア出して、新規事業考えたりしたい。同じ船に乗る一人として、事業へのコミットメントを高められるんじゃないかと思っています。

ちなみに、合宿に行った後に、入社を決めた方もいらっしゃいました。普通に仕事じゃない場所で触れ合うとこの人たち普通に楽しいなというか、働くその人のプライベートのオフの姿も見れたり、素で反応して本音みせるから、人間として信頼できるよなって思ってもらえる。

+++有志のメンバーでスノボ合宿をしたときの様子

期待で押しつぶされそうな時が、最高の成長機会

最後に伺えたのが、「アクセルを決して緩めずに前に進む」という小川さんの覚悟について。チームとしても、あえてプレッシャーがかかるところに身を置くようにしているという。


…じつは、3億円資金調達した時、周囲からの期待で押しつぶされそうになったんですよね。「急成長する事業に自分たちの成長が追いついていけるのか」「俺たちは期待に答えられているか」と。でも、プレッシャーこそがガソリンになるはず。期待され、その期待を超えようとする。実際、そうすることで僕や社員の視座は何倍ものスピードで高くなっていて。

そういった意味でいうと、自分たちにより大きなプレッシャーをかける意味で、積極的に資金調達をしている部分があります。

目の前の小っちゃい「ここ」という地点しか見てないんじゃなくて、期待値があがっている「あそこ」を目指そうと上を見ていく。「あげるしかないよね」と旗を振り続ける。それが今、僕が社長としてやるべき、役目なんだと思っています。

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【プロフィール】小川 嶺(Ryo Ogawa)| 株式会社タイミー 代表取締役社長
立教大学経営学部に在学中。高校の時からインターンを始め、リクルート、サイバーエージェントのインターンを経験。その後、試着をするだけで割引になるファッションアプリRecolleで起業を試みる。ピボットを繰り返し、株式会社タイミーを設立。サイバーエージェントなどから3億円の資金を調達。リリース5ヶ月でユーザー数は3万5000人を突破。現在62人のメンバーとともに急成長中。


文 = 田尻亨太
編集 = 野村愛


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