2020.03.31
TimeTreeが「ユーザーインタビュー」でやっていること。2000万ユーザー突破までの道のり

TimeTreeが「ユーザーインタビュー」でやっていること。2000万ユーザー突破までの道のり

2014年の創業当初から、ユーザーインタビューを続けてきた「TimeTree」。ユーザーにアポを取って会いに行くことも。いいユーザーインタビューとは何か? 代表の深川 泰斗さんに伺いました。

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全2本立てでお届けします。
[1]「Googleカレンダー」は難しすぎ? おじいちゃんも使えるカレンダー共有アプリがヒットした話
[2]TimeTreeが「ユーザーインタビュー」でやっていること。2000万ユーザー突破までの道のり

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そのユーザーインタビュー、目的は明確ですか?

とくにユーザーの声を大切にしていると伺いました。どういったユーザーインタビューをされているのかぜひ教えて下さい。

本当にしょっちゅう、ユーザーさんに話を聞いていますね。まず私がアンケートオタクということもあるのですが(笑)よくアンケートはしています。また、答えてくれた方をお呼びして、お話を伺うことも多いです。

よく聞くのは、1日の中でTimeTreeが出てくるタイミングを聞くこと。また、可能であれば、TimeTreeの画面をそのまま見せてもらうことも。一緒に見ながら、「どんな風に使っていますか?」と質問していくことが多いです。

「スマホをどう使うのか」もいつも聞いています。たとえば、朝起きてどういうタイミングでスマホに触って、どういうアプリが出てくるのか。「Twitterはどんな順番で、どう見ます?」「そのときTwitterだけですか?」ということを伺っています。

ただ、やみくもに聞いているわけではなくて。インタビューの目的をクリアにして、設計を変えています。たとえば「この新機能は受け入れられるのか」と「数字に問題があるので、どこが原因なのか探りたい」という時。これって全然違いますよね。何を明らかにしたいのか、ここはベースだと思います。

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社長自ら問い合わせ対応。ユーザーさんに直アポも

自分自身でもずっとお問い合わせ対応をしてきたのですが、時々すごくマニアックな質問をしてくる方もいて。すごくワクワクしちゃうんですよね(笑)。そういう時は「ちょっと会いに行っていいですか?」と連絡をとって、お話を聞きにいくこともありました。

たとえば以前、「カレンダーを100人まで共有できるようにしてほしい」というご要望をもらったんです。当時、共有できるのは30名までだったのですが…そもそも何でだろう?って。

お会いしていろいろ聞いてみると、小学校のサッカーチームの監督の方で、「チームでカレンダーを使って、ご家族の方と練習日や大会の予定共有をしたい」と。なるほど、そんな使い方もできるのかと。そこから実際に、共有できる人数を変えて。

ちなみに今は、200人まで共有可能になりました(笑)

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「リップサービス」を排除する

とくにユーザーインタビューで大切にしていることはなんですか?

「いかに本音を引き出すか」ということは、いろいろ工夫してやっているかもしれません。やっぱり皆さん、リップサービスをしてくれるので…(笑)面と向かってだと文句って言えないですよね。新しいアイデアをお見せしても「良さそうですね」としか言ってくれない。

だから、そういうときは、質問の仕方をいろいろ試すようにしています。

たとえば、捨てアイデアをいくつか並べて「この中で実際に使いたい機能のランキングをつけてください」と聞いたり。「"300円払っても使いたい"という機能がもしあれば、教えてください」と伝えることも。

それに、本音でお話いただけるように、ユーザーさんが安心できる「場を作る」ことも大切ですよね。

ユーザーインタビューが設定されると、エンジニアもデザイナーも、プロジェクトメンバーがみんな参加を希望して、一人のユーザーさんを10人ぐらいで取り囲む形になってしまうこともあって。(笑)前のめりなのはいいけど、ユーザーさんは萎縮しちゃう。人数を絞ったり、質問する人を決めたり。結局、みんなユーザーインタビューに参加したいとなったので、最近は中継をして別部屋から見てもらうようにしています。

+++3ヶ月に1回、ユーザーを招いたパーティー(TimeTree Day)も開催している。毎回定員人数を上回る応募がくるそうだ。とくに人気なのが、エンジニアの仕事を紹介するコンテンツ。ユーザーから不具合報告を受けてその場で修正したこともあったという「すごい!と歓声があがり、発案したユーザーさんがヒーローみたいになりますね。TimeTreeのイベントの様子をTwitterでシェアしてくれう方もいて。ユーザーさん達とそういった関係性が作れているのは嬉しいです」

24時間エゴサーチ

もうひとつ、よくやっているのがエゴサーチですね。日々、自分達が知らない中で、新しい使い方も生まれていく。だから今TimeTreeがどんな使い方がされているのか、常にチェックするようにしています。

特にTwitterでユーザーさんがシェアしてくれることが多いので、メンバー全員が見てます。いち早く見つけてSlackで共有する。ほぼ同時にツイートを拾ってくる、なんていうこともよくありますね(笑)もう24時間、日常としてやっています。

最近おもしろかったのは「eスポーツ」でプレイヤーさんのマネジメントに使われていた、ということ。「PUBG」とか「荒野行動」といったゲームって大会がすごく多く開催されていて、プレイヤーさんがチームを組んで遊ぶんですよね。

すると、その都度その都度、プレイヤー同士でスケジュールを組んだり管理したりが大変だと。だからマネージャー役がいて、TimeTreeで管理しているっていうんです。

あとは若いカップルの例も。もともとデートの予定が決まっていなかった日に、彼氏さんが「会いたいな」というタイトルで予定をいれて。それに対して彼女さんが「私も」と新しい予定を作っている。そんな画面をツイートしていました。予定のタイトルで会話するなんて、新しい使い方だな、と発見でした。社員みんなで「甘酸っぱいね」と(笑)

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「応えられない期待」は、切り捨てて考えよう

かなりユーザーさんとの距離が近いんだな、と感じました。ただその分、要望をいただくことも多そうです。すべては応えきれないような…

そうですね。気をつけてきたのが、価値をむやみやたらに機能を増やしすぎないこと。TimeTreeの価値ってなんだろう、何だったら、期待を満たせられるだろう…と。ここは真剣に向き合っています。

極端な話、ご家族で使っていただくことが多いので「家計簿機能が欲しい」という要望も多くあって。ただ、今のところそれは「やらない」と決めています。家計簿機能への要望は今の私たちでは充分には満たすことができないと思うからです。中途半端につくって満足度が下がると、サービス全体としても満足度を下げる結果になってしまいます。

ただ、当然、まだまだ改善の余地はあって。ユーザーさんの声をこれまで以上に大切にしながら、ちょっといろいろ実験したいなとは思っています。これからのTimeTreeをぜひ楽しみにしていただきたいですね。

>>>前編 「Googleカレンダー」は難しすぎ? おじいちゃんも使えるカレンダー共有アプリがヒットした話


編集 = 白石勝也
写真 = 黒川安莉
取材 / 文 = 平野潤


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