2020.07.30
「紙」の本が、とても愛おしくなりました。森真梨乃がWFHで変わったこと、変わらなかったこと

「紙」の本が、とても愛おしくなりました。森真梨乃がWFHで変わったこと、変わらなかったこと

新型コロナ感染拡大で世の中は一変、「仕事」を取り巻く環境も大きく変わった。そんな中、みんな、何を思い、どう仕事と向き合っているのだろう。こんな素朴な疑問を、テック業界で活躍する若手にぶつけた。登場してくれたのは、VC界、Twitterでも愛される「マリノス」こと森真梨乃さん。

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オンラインで、私は何がアシストできるだろう?

WFH(work from home)、いわゆるテレワークがはじまってしばらく経ちます。ぶつかった壁があれば教えてください。

それでいうと、今まさに「壁」の真っ最中ですね。

私はKVPというベンチャーキャピタルでアシスタントとして働いているのですが、そもそもメインで動いてくれる方がいないと何もできない、ということを改めて思い知って。

オフラインなら周りに目を配って「あの人、忙しそうだな」とか「あの人の作業を巻き取ろう」とかできますよね。でも、オンラインだとできない。たとえば、オフィスにさえいれば、備品発注とか、執務室を整えるとかもできますが、それさえできない。会社に出社できなかった時は、やっぱり戸惑ってしまいました。平日なのに手持ち無沙汰で「こんなのでいいのかな」という日もあったりして。

投資先のPRをお手伝いすることもあったのですが、オフィスに訪問したり、対面でお話を聞いたり、これもオフラインがメイン。リモートでやるにしてもコンテンツにこだわらないと見てもらえない。まだまだ正解がなく、手探りですね。

+++ 森真梨乃さん Twitter:@marinoKVP

そんな中でも始められたことも?

そうですね。いま何ができるんだろう、と、最近はじめたことだと「そうだKVPに聞いてみよう」というZoom相談会。KVPの上司である御林、萩谷の2人のキャピタリストとカジュアルに相談できる、というもの。毎週水曜日のお昼にやっています。

+++「そうだKVPに聞いてみよう」は、隔週水曜のお昼からTwitterライブで配信をしている。


反応も良く、私の思い上がりかもしれないですけど好感触で(笑)。ライブで話しているのが見れるって安心感があるというか。これもきっとコロナがなければやれていなかったこと。新しいことに挑戦できるいい機会だったのかなと思います。

+++

現在のワークスタイルでいうと?

今(7月17日現在)は週1回程度出社しています。

最も大きな「仕事との向き合い方」の変化でいうと?

自分から動いていかなきゃいけないよな、と改めて思いました。会社としても、自分で考えて発信したり、行動したりする、ここが評価されるようになってきています。

仕事するなら「パジャマ」は着替えるべし。

日々の仕事のやり方、工夫などもあれば教えてください。

毎朝の「雑談MTG」を発案してやっていました。「10時半から15分だけ雑談をしましょう」と。仕事の話は一切しないコーナーも作ったりして。何より私自身のメリハリをつけるために、みんなを巻き込みました(笑)

テレワークって極論、朝起きて2分で始業できて。ラクはラクだけど…気持ちはうまくいかない。スイッチ、入らなくないですか?そこで上長である御林に「雑談MTGやりたい」と相談しました。

そうしたら「試みはすごくいいけど、森さん、まずはパジャマから着替えたら?」と言われました。「確かにね」と。私、ずっとパジャマで仕事してたんです。家から一切出ないから。それを指摘されて「まずそこからだよね」と。聞いたらみんなちゃんと着替えてるんですよね。私以外のメンバーはちゃんと1人でメリハリをつけられていて、なによりでした。



WFHで意識してやっていることは?

◆夜は自炊
ちゃんと昼と夜も食べる人間らしい生活をしようと自炊をはじめました。夜は仕事が終わっていなくても「19時半」にはご飯を一旦食べる、を習慣にしています。それまで1日1食…夕方寝てしまって深夜に仕事…など不規則な生活になるなど反省しました。

◆日報にお昼に食べたものを書く
誰が始めたか定かではないですが、会社の日報でみんなお昼に食べたものを書くのが通例化しています。「10時から12時打ち合わせ」「12時半から13時半ランチ(親子丼)」とか(笑)それを見てクスっとしたり、今日サラダしか食べていないけど大丈夫か?みたいな(笑)

◆コミュニケーションは1個「上乗せ」
とくにオンラインでのコミュニケーションは、少し丁寧にお願いしたり、齟齬のないように気をつけるようになりました。テキストのコミュニケーションもできるだけまとめたり、絵文字をたくさん使ったり。元気っぽく「了解です!!!」と返事することも。あとZoomも表情を出すように意識はしているつもり。ただでさえ声が淡々としているので、表情で「色」をつけるようになりました。

動画編集、勉強しはじめました

とくにここ最近で始めたことがあれば教えてください。

今さらだけど、動画編集、画像編集の方法は勉強し始めました。Zoom相談会を開催するにあたり、バナーを作ったり、YouTubeでも動画を公開しようと思っていて。自分でちゃんとやれるようになったらいいなと。今まさに勉強中です。先人たちの知恵を借りつつ…

「森さん、勉強の進捗どう??」ってKVPの人がお尻を叩いてくれてありがたいですね。放置されたら絶対できないから(笑)こういう時、仲間の大切さを噛み締めますよね。みんな本当にいい人だなって。KVPって仲は良いけどみんなスタンドプレイヤー気味なのかな?と思っていたのですがそんなことはなくて。割とみんなを必要としていると思いました。

+++

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もっと人の心に触れたくて

仕事以外で、とくにご自身のなかで大切にされている時間はありますか?

エモいこと言ってしまうと、とくに緊急事態宣言が出て、外出自粛の時は、よく現代短歌を読んでいました。もっと人の心に触れたいと思って。

小説だと考えこんじゃったり、登場人物に感情移入しすぎちゃったり、体力を使っちゃう。でも、短歌はちょうどよくリセットできる気がして。「わかるー」ってのもあるし、「全然わかんねぇ」というのもある。いずれにしても、ひとつの作品が31文字で終わります。パッと開いたページに歌が何首かあり、それを読むみたいな、読み方をしていました。

好きな歌人さんもいらっしゃるんですか?

木下龍也さんが好きです。最近は、木下さんと岡野大嗣さん、谷川俊太郎さんの共著『今日は誰にも愛されたかった』をよく読んでいて。短歌と詩が入っていて、気持ちを切り替えるのにちょうどいいんですよね。

本は紙で読みますか?それともKindle?

本は紙で読むようにしています。Kindleで本を読んでいると、Slackの通知とかくるとつい連絡しちゃうので、シームレスに仕事している感覚になってしまうから。

暇つぶしにSwitchとか、Netflixとか、Webの記事とか何となく見て過ごしていて、気づいたらずっと画面を見ていて。ふと「紙」の本が恋しくなる。機器から離れて、1時間とか1時間半とか時間を決めて、読むようにしていました。



WFHで気が滅入らないようにやっていることは?

◆一次情報にあたる
いろんなデマが流れるようになったので、一次情報にあたることを意識しています。

◆アウトプット
私はおしゃべりが好きで、誰かとしゃべれないことがつらかったです。今しゃべっている人に楽しんでもらいたいのもあるし、しゃべって自分のことを整理するタイプ。ただ、この2ヶ月間、しゃべる機会が減り、全然言葉が出てこなくなってしまいました。運動も2ヶ月以上していないから足腰もめっちゃ弱くなって。言葉は出ないし、足はうまく動かないし、在宅ワークが産んだ人魚姫ですよ、もう。こんな悲しい人間がいたことをどうか忘れないでください。

◆夜に考え込むのはやめる
暗い話は日の出ているうちに考えるようにしています。夜だと眠いし、頭も回っていない。ドツボにハマっちゃう。朝すっきりした状態で考えましょう。

◆家族、恋人、友達にかけてもらったあたたかい言葉を思い出す
「大丈夫、私は1人じゃない」と思うようにしています。

◆成功体験を思い出す
「私は今までこんなこともできた」と自分を鼓舞します。

◆リアリスティックな考え方をする
「この落ち込みは一生は続かない」「いま私は何に落ち込んでいるんだろう」とブレイクダウンして考えるようにしています。「そもそも落ち込んでいるのか、違うな、悲しいのか。じゃあなんで悲しいのか。私の願いが叶わなかったからだ。じゃあこの願いが叶わなかったらなんで悲しかったのか。私は相手に期待していたんだ」など、とにかく理由を探します。解決できるものなら昼間に考え、解決できないものだったら考えてもしょうがない。自己肯定感を高めて、「大丈夫、こんなことで折れる私じゃない」と自身を勇気づけるようにしています。

◆偶然を大切に
人と出会って偶然得られるインプットがなくなっちゃいましたよね。オフラインなら外に出て500メートル歩くだけで情報量が凄くあったんですよね。色、匂い、すれ違う人…そういうのが無くなってスカスカな気持ちになりました。なので積極的にZoom飲みに参加したり、オンライン相談会をしたり、オンラインでも相互の関わりがあることは意識しました。

うまくワークしたらいいんですけど、ワークしなかったら他の方法もあるはず。「ハーゲンダッツを2個食べる」とかでもいい。自分に合う方法を見つけてやってみるといいかもしれません。

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自分はこんなもんじゃない!見てろよ!

最後に、同じようにWFHで働きつつ、もどかしさや葛藤を抱えている若い世代にメッセージがあればお願いします。

まずWFHって本当に向いている人と、向いていない人、いますよね。向いている人はそのままで大丈夫、羨ましいです。誰にも見られていなくても、きちんとスケジュールを立てて行動できる。天から与えられたギフトの1つなので、そのまま進んでください。

私は本当に向いていない。たとえば、朝起きて着替えられない人は、やっぱり向いていない。私と一緒。誰かが常にそばにいて見ていてくれないと、自分を甘やかしたり、眠れないから朝まで仕事をしたり、無茶をしてしまう。私にとってこの時期は、人の大切さがわかる期間だったと思います。

そんな私でも向いていないなかでどうにかやっているので、またみんなで集まれる日を夢見て頑張りましょう。私は朝起きて歯を磨いただけで「自分偉い」と思うようにしていて。PCの電源つけただけで偉い!偉いよ、私。そう自分に言い聞かせていきましょう(笑)

こんな状況で思う存分にパフォーマンスを出せている人のほうがきっと少なくて。そのもどかしさを感じることも大事なのかもしれない。自分はこんなもんじゃない!見てろよ!と闘志を燃やしつつ、本領発揮できる日が来るのを一緒に待ちましょう。

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新型コロナで世の中は一変、「仕事」を取り巻く環境も大きく変わった。キャリアハックで過去取材したみなさんは、いま何を思い、この環境でどう仕事と向きあっているのだろう。シンプルだけど、いま聞きたい「心の声」を聞きにいこう。次の一歩を少しずつ踏み出していくために。


文 = 白石勝也
取材 = 平野潤


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