2020.09.08
UIデザインからはみ出るのが楽しい|Takram 河原香奈子のニューノーマル

UIデザインからはみ出るのが楽しい|Takram 河原香奈子のニューノーマル

「全てガラりと変わりました」スタートアップからデザインファーム「Takram」へと転職したデザイナーの河原香奈子さん。新天地でのチャレンジについて、そして、コロナ禍での変化について。この数ヶ月を振り返りながら、近況を伺いました。

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Takram 河原香奈子の変わったこと、変わらなかったこと。

今回でキャリアハックに7回目の登場となる、デザイナーの河原香奈子さん。(おそらくキャリアハックで一番多い)

改めて一つ一つの記事を見返してみると、彼女がキャリアの大半をスタートアップで過ごし、デザイナーとして数々のプロダクトを手がけてきたことがわかる。

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私が河原さんを取材させていただいたのは、2年前の2018年。即現金化アプリ『CASH』で話題をさらったBANKのリードデザイナー、そして執行役員をつとめていたときだった。

2019年BANK解散をきっかけに、河原さんは転職。2020年1月から、日本を代表するデザイン・イノベーションファーム「Takram」へと活躍の場を移している。

キャリアの分岐点を迎え、そして、社会が大きく変化している真っ只中で、彼女は今なにを思っているんだろう?

そんな素朴な疑問をふと彼女に聞いてみたくなった。

新しい環境に飛び込み、「絶賛学び中」という彼女の今に迫りました。

「スタートアップのときとは真逆かも」

河原さん、お久しぶりです!今年1月からTakramに入社されたと伺いました。お仕事内容や役割など、どう変わられましたか?

スタートアップにいたときと比べると、なにもかもガラッと変わりましたね。ちょっと大袈裟かもしれないけど、真逆といってもいいかもしれません。

まず、事業会社からデザインファームに移ったので、仕事内容はクライアントワークになりました。いままでは長いスパンで単独のプロダクトに携わることが多かったけれど、現在は様々なプロジェクトに関わらせてもらっています。

アプリやウェブサイトのデザインはもちろんですが、ウェブサイトに掲載するブランドの商品撮影の計画を立てたり、ビッグデータを使ったデータビジュアライゼーションの大規模なプロジェクトに関わったり。Takramに入ってから、UIという領域の外側に徐々にはみ出していってますね。

+++内閣府が運営する、新型コロナウイルス感染症の地域経済への影響をビッグデータを用いて可視化する地域経済分析サイト「V-RESAS」。Takramは、V-RESASのコンセプト・UI/UX・可視化などのディレクションを担当しています。河原さんはこのサイトのUIデザインをメインデザイナーとして担当しています。(Takramは、内閣府より本プロジェクトの委託を受けた株式会社帝国データバンクからの再委託を受け、プロジェクトに従事しています。) https://v-resas.go.jp/

 

いままでやったことのない新しいことにチャレンジされているんですね。そのなかで、新しく得た学びや気づきはありますか?

ありがたいことに、いま携わらせてもらっている仕事すべてが学びにつながっていますね。

最近では、関係者の多い大規模なプロジェクトに関わらせてもらう機会があったのですが、その中で自分がどのように振るまえばいいのか、むずかしさを感じる瞬間がありました。

Takramの他のメンバーが、クライアントや関係者とどうコミュニケーションしプロジェクトを前進させていっているのか、日々目の当たりにするなかで勉強させてもらうことがたくさんありましたね。

また、一緒に働くメンバーの変化も、自分にとって大きな刺激になっています。事業会社のなかだと、全体の人数に対してデザイナーの人数が限られていることもあり、普段社内でコミュニケーションをとる相手はノンデザイナーが中心でした。

Takramでは、デザインエンジニア、ビジネスデザイナー、プロダクトデザイナー、グラフィックデザイナーなど、専門性の異なるデザインのスペシャリストがたくさん集まっているんです。彼らの仕事ぶりをそばでみていると、いちデザイナーとしてもっともっと成長しなくてはと思わされます。



河原香奈子さんが教えてくれた、TakramのユニークなWFH ルール

◆Zoomミーティングは予定より10分早く終わらせる
あえて予定の10分前にミーティングを終わらせて、振り返りやちょっとした雑談をする時間をつくるようにしています。オフラインでのミーティングだと、移動時間やエレベーターの待ち時間など、ちょっとした時間がありますよね。でも、Zoomだとそのちょっとした時間が無くなってしまい、それが意外と大事だったのではないかと。なので、そうした時間をみんなで意識的につくるようになりました。ミーティング自体が白熱して、時間が取れないことも多いですけどね(笑)

◆12時〜14時はミーティングを極力入れない
お昼に家でごはんをつくって食べて片付けるのって、1時間だと結構急いでやらないと難しいですよね。家にこもりきりにならないように少し外を散歩するにしても、仕事が終わってから夜にするよりも日があるうちに散歩したいよねと社内で声があがって、お昼休みを長めにとりやすいルールができました。いま、お昼はみんな予定を空けるのがスタンダードになっています。

◆全員で働きやすくするためのMTG実施
週に1回、全メンバーでZoomミーティングを実施しています。そこでは、いま感じている違和感を共有したり、仕事環境をよりよくしていくためのアイデアを出したりしています。TakramではNotionを情報共有のツールにしていて、そこにリアルタイムで全員でアイデアを書き出し、ブレストすることもよくあります。組織の課題を、全員で解決していく文化があります。

リモートワークだから、スムーズに進められたことも

現在のワークスタイルについても、教えてください。

1月に入社して、2月から早速コロナでリモートワークになってしまったんですよね。緊急事態宣言が出る少し前から、準備期間も兼ねてリモートに移行しておこうということになって、現在はほとんどオフィスには行っていません。クライアントも含め、ミーティングは基本オンラインで行っています。

リモートで仕事をするようになって、ミーティングやコミュニケーションの部分でむずかしさを感じることはありますか?

じつは、あまりないんですよね。逆にリモートだからこそ、いつでもすぐにミーティングができるようになって、素早くものごとを前に進められてるんじゃないかと感じることのほうが多いです。

関係者の多いプロジェクトだと、リアルで集まるだけでもけっこう大変ですよね。移動時間も考えると、なかなか全員のスケジュールを合わせるのがむずかしい。リモートが基本になったことで、対面でミーティングをしていたときよりも、距離感近くコミュニケーションがとれるようになったのではないかと感じています。

もちろん対面に比べて、オンラインだとお互いのニュアンスや空気感が掴みづらい部分もあります。社内・社外問わず、普段のコミュニケーションはSlackで行うことが多いのですが、少し伝わりづらいかなと思うところは適宜Zoomを立ち上げたり、細かくやりとりしながらすり合わせをしていく。そのときどきで、コミュニケーションの方法を使い分けるのがいいのだろうなと思っています。

コミュニケーションにおいて本質的に大事なことは、オンラインでもオフラインでも変わらないと思っていて。きちんと相手に伝わること。キャッチボールできていることが大切。

一番伝わる方法をその都度選択してコミュニケーションをとるしかない。リモートだからこうしなければならない、リモートだからあれができないなど、方法や手段ばかりをあまり意識しすぎないようにしています。

白いデスクと白い壁で、家での仕事が捗るように

在宅勤務になって、集中力を保つのがだんだん難しくなっている気がします...。河原さんはなにか集中力を発揮するために工夫されていることはありますか?

わたしも最初は家での仕事に全然集中できなくて、オフィスにいきたいなあと思っていました。ただそういうわけにもいかないので、まず家のデスク環境を整えました。

白いデスクを白い壁に向かって配置し、とにかく視覚のノイズをなくしたんです。ごちゃごちゃしているところだと集中できないタイプなので、デスク環境を整えたことでかなり集中できるようになりました。

+++

めちゃくちゃ捗りそうなデスクですね...!! ちなみに仕事のオン、オフはどう切り替えてますか?

オンオフの切り替え、そもそも私できないタイプなんですよ。なので、朝起きてから夜寝るまで、何かしら仕事のことを考えている時間が多いですね。リモートワークで生活と仕事の境界が曖昧になったことで、より自分のペースに合わせて集中して考えたり作業をする時間がとりやすくなった気がしています。これは人によるのかもしれないですけどね。

いま「リングフィット」と「あつ森」にハマってます

コロナをきっかけに、なにか新しくはじめたことはありますか?

いままでほとんどしてこなかった、運動をはじめました。毎朝仕事を始める前か仕事終わりに、Nintendo Switchの「リングフィットアドベンチャー」をするのが習慣になっています。

もともと運動が大の苦手なんですけど、在宅勤務になってさすがに運動不足でヤバイな...と思って。リングフィットなら家に居ながらできるし、おもしろそうだしやってみたいなと思って始めました。UI/UXもすごくよく考えられていて、楽しく、飽きずに続けられています(笑)

あとは「あつまれどうぶつの森」もハマってます。社内でやっているメンバーも多く、以前10人くらいで仕事終わりに遊んだのですが、リアルで集まりにくいなかで良い気分転換にもなって、とても楽しかったですね。

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取材 / 文 = 野村愛


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