バンクのデザイナー河原香奈子さん。事業会社と制作会社の双方で働いた経験を持つ彼女。「キャリアパスは考えすぎないほうがいい」と語ったその真意とは?
※2017年2月に開催された「Service Design Night vol.4」よりレポート記事をお届けします。
「個人的にキャリアパスは考え過ぎないほうがいいと思っています」
こう語るのは、株式会社バンクのデザイナー 河原香奈子さんだ。彼女は新卒で出版社のウェブ制作の部署に入社し、その後、ウェブの制作会社に転職。そして、オンラインストア作成サービス「STORES.jp」を運営する株式会社ブラケットに入社するなど、事業会社と制作会社の双方で働いた経験を持つ。
自身のキャリアを振り返って、「制作会社から事業会社に転職したことがキャリアの転機になったのかなって思います」と河原さんは語る。
制作会社では、映画のサイトや華やかなキャンペーンサイト、証券会社のサイトなど幅広いジャンルのウェブサイトのデザインを手がけていた。その仕事を通して、案件によって瞬時に頭の切り替えを行う能力、「明日の朝までにお願いします」というクライアントの要望にも応えていく反射神経が鍛えられていった。
「制作会社で働いていたときは、恩師から言われた『一番調子の悪い日でも合格点を出すのがプロのデザイナーだ』という言葉を大切にしていて。調子が悪いな、と思う日でも合格点を出し続けられるように、体力のベースを底上げしていくことも大事だと思って、日々仕事をしていました」
その後、事業会社へ転職した河原さん。制作会社と比較して、事業会社で得られる経験は何だろうか?彼女の見解はこうだ。
「自社サービスが成長していき、多くの人に使ってもらえるようになる嬉しさを感じられるのが事業会社で働く醍醐味のひとつ。また、さまざまな職能の人が集うチームの一員として、ひとつのサービスを作って盛り上げていく楽しさも事業会社ならでは、と思います」
それ以外にも他社のデザイナーと話をする際に、「あのサービスを手がけている人なんですか」と認知されやすくなり、情報交換がしやすくなったことも事業会社に転職してきたメリットとして挙げた。
「全然計画的ではなかったけれど、制作会社と事業会社の両方を経験できて良かったなと思ってます」
自身の経験をもとに、キャリアパスは分からない方が面白いと言う。進むべきキャリアはこうだ、と決め打ちするのではなく、いろんな可能性を残しておく。目の前にある物事を全力でやりきった先に何かが見えると信じ、走りながらキャリアを考えていく。
「自分がやりたいこと、周囲の環境、デザイン業界のトレンドなどはめまぐるしいスピードで変わっていきます。だからこそ、最近はその時々でやりたいことができる状況に身を置く判断力、やりたいことができる状況を作り出す力を持ち続けることが大切なんじゃないか、と思っています」
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