ベイジのアートディレクター 荒砂智之さん。スキルアップのためにはアウトプットが必須だという。5000はてブ超えのブログを生み出した荒砂さんが語った、デザイナーがブログを書くことで得られる効果とは一体?
※2017年2月28日に開催された「Service Design Night vol.4」よりレポート記事をお届けします。
新卒から14年間、制作会社でキャリアを積んできた株式会社ベイジのアートディレクター/デザイナー 荒砂智之さん。彼の口からは制作会社の視点から、「デザイナーのキャリアパスとスキル」について語られた。
冒頭、荒砂さんは制作会社で働くことの魅力について説く。
「さまざまな業種のウェブサイトやサービスに携われるのが制作会社の醍醐味です。また、デザイン表現の幅を広げられるのも魅力。自分自身、事業会社のような、限られたサービスやWebサイトを制作する環境に身を置いたこともありました。しかし、それよりもいろんな業種に関われて、そこで培った様々な表現を応用していく制作会社の方が、今は魅力的であると感じています」
では、制作会社のデザイナーはどのようにキャリアを考えていけばいいのか?荒砂さん自身、20代では“デザイン力”という自分の主力武器を磨き、30代は相手に自分の言葉で伝える力を磨いたという。
「“デザイン”ってウェブサイト制作における一部分の工程ですよね。制作に特化したスペシャリストのキャリアパスを歩むのではなく、より上流工程に関われるデザイナーのほうが市場価値を上げやすいと考えています。いろんなキャリアパスがありますが、私自身はデザインもできてビジネスへの理解も深い、ゼネラリストになることを目指しています」
市場価値の高いデザイナーになることが分かったところで、どのようにスキルアップしていけばいいのだろうか?荒砂さんが所属する株式会社ベイジでは明確にスキルアップに対する行動指針があるという。
それは、アウトプットなき学習は学習にあらず。スキルとは知識量とアウトプットで決まる」というもの。自分の考えをアウトプットし、他人からフィードバックを得る。それが自分自身の気づきになって、学びになるそうだ。
この学習サイクルをどれだけ速く回転させ、失敗の回数を増やしていくか。これを繰り返していくことで経験値がどんどん溜まり、スキルアップのスピードが速くなっていくという。
具体的な方法として、荒砂さんが提示したのはブログを書くこと。
「スキルアップしていくには、出来るだけ広い対象に向けて継続的にアウトプットをすることが大切になります。そういう意味ではブログは自分の思考をアウトプットすると同時に、不特定多数の人からフィードバックを得られる良いツールです。特にデザイン制作のフェーズから少し上流に携わる人であれば、論理的な物事の考え方や伝え方を学ぶことが特に重要になるので、なおのことオススメです」
実際、荒砂さんはデザインスキルを社内のスタッフに共有するために記事を書いたところ、まさかの5000はてなブックマークを超える大ヒット。しかし、次の記事では60はてなブックマークという結果に。
「このショックこそが学びのチャンス。この経験から、やはり、ユーザーメリットが明確でないコンテンツはいかに時間をかけて作っても響かない、ということを身をもって学びました。自分のハートを削って得たフィードバックから学んだことは絶対に忘れない。これこそがスキルアップにつながっていくんです」
キャリアパスはデザインをマスターした後、どうやって市場価値を上げていくか。そしてスキルアップはキャリアパスを踏まえて自分が身につけるべきスキルを広範囲に向けて継続的にアウトプットする。この2点を意識しておけば、事業会社、制作会社のどちらに行っても食いっぱぐれることのない強いデザイナーになれるそうだ。
▼「Service Design Night vol.4」で、その他の登壇者が語った内容はコチラ
・調子が悪くても、必ず合格点を出す。デザイナーとしてキャリアアップするコツ|バンク 河原香奈子
・横断的スキルを身につけるために制作会社へ|root デザイナー 古里祐哉の選択
※使用されたスライドはこちら↓
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