2021.04.14
前澤ファンドよりシリーズAで資金調達。大学生限定SNS『Penmark』の躍進

前澤ファンドよりシリーズAで資金調達。大学生限定SNS『Penmark』の躍進

2020年12月、前澤ファンドよりシリーズAで資金調達した履修管理SNS『Penmark』。全国750大学に対応、さらに2021年3月に「コミュニティ」「タイムライン」機能等を携え、実名SNS・仮想キャンパスに進化。大学生活をDX化し、大学生を孤立から救うーー代表である横山直明さんにお話を伺った。

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「大学生の孤立」は、大きな問題

2019年4月。ある大学生の、こんな実体験から履修管理アプリ『Penmark』は生まれた。

「私自身、必修科目を見逃し、うっかり単位を落とし、留年してしまったんです」

こう語ってくれたのが、横山直明さん。仲間たちと共に『Penmark』を立ち上げた張本人。ペンマーク社の代表であり、現役の慶応生。

いかに履修のぬけもれをなくか。かんたん時間割を管理するか。

こうして誕生した、慶応生による、慶応生のための『Penmark』は、瞬く間にユーザー数を伸ばし、1ヶ月で1万人以上(約2.8万人いる慶応生の約40%)が登録、履修管理のスタンダードとなっていった。

そして2021年4月――履修管理に特化してきた『Penmark』は、いわば“大学生限定の実名SNS”として進化を遂げる。全国750大学に対応、「コミュニティ」「タイムライン」など機能を実装する。

「新型コロナの影響でキャンパスが閉鎖され、ほとんどの授業がオンラインになりました。新入生のなかには東京の大学に進学するも、上京はせず、地元でオンライン授業を受ける人もいる。サークルにも入れないし、同級生の友だちが一人もできない。これでは通信の予備校に通っているのと同じ。ここを解決するために私たちは大学生活をDX化する。仮想キャンパスをつくります」

そこには横山さん自身の強い思い、さらにコロナ後を見据えた「大学からはじまる新しいつながり」の構想があった――。

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株式会社ペンマーク 代表取締役CEO 横山直明
1997年生まれ。奈良県出身。慶應義塾大学経済学部4年。高校時代からフリーランスとしてウェブ制作やアフィリエイトなどの活動を行う。大学進学後はSNSマーケティングや株式投資などに活動の幅を広げ、2018年12月に株式会社ペンマークを設立。自身が留年した経験を元に履修管理SNS『Penmark』をリリースし、1年で慶應生の約60%が利用するサービスに成長する。2020年12月には前澤ファンドよりシリーズAラウンドの資金調達を実施。現在は大学生活のDXを推進するべく、大学生に特化したウェブサービスを複数展開。

大学生活をDX化する

もともと、慶応生たちの情報格差を解消するためのメディア運営や、履修管理SNS『Penmark』を手掛けてきた横山さん。その『Penmark』を、いわば大学生限定の実名SNSへと進化させていく。

これまでの『Penmark』は授業内トークが最大の特徴でした。同じ授業を受けている人たちとコミュニケーションがとれ、情報交換プラットフォームとして機能していた。DXという言葉が一般的になるにつれて気づいたのが、『Penmark』は教室のDX化だよな、と。であれば、その先にある大学生活そのものをDXしていけるのではないか。コロナもあり、一気に授業がオンライン化されていくなかで、目指す方向性が決まりました。

+++ コミュニティ機能とタイムライン機能などを追加し、進化した『Penmark』。大学生は自由にアプリ上でコミュニティを作ることができる。たとえば、サークルのコミュニティをつくり、新入生からのリクエスト・承認が可能。さらにサークル運営おけるやりとり、団体ごとのコミュニケーションに活用。オフラインで当たり前にあった「新入生歓迎会のビラ配り」などの機能をオンラインで代替する。なお、コミュニティのカテゴリーには他にも「サークル」「授業・クラス」「ゼミ・研究室」「就活・バイト」「趣味・その他」などがある。公開、非公開ステータス分けも可能。「たとえば、公開されている法学部2年生コミュニティがあったとして、同じ法学部2年生であれば参加ができ、当然、履修の相談もできます。また、就活21卒の◯◯業界といったコミュニティに参加すれば、業界情報も入ってくる。これらを実名で行なっていきます」

ビジネスとしても、勝算はある

大学生、若い人たちに向けの次世代SNSでいえば、先日キャリアハックでも取り上げた『Yay!』が連想される。大きな違いは「実体のある大学」をベースしている点だ。

『Penmark』は、かなりリアル寄りのコミュニティサービスを目指しています。あくまで、大学に紐づくコミュニティにて、それまでに発生していたコミュニケーションをオンラインに置き換えていくもの。

事業としても、専攻、履修、時間割など、学生のさまざまな属性データを基点に展開し、収益を確保していきます。

大学生という市場に区切ったとしても、ある程度の売上は見込めると考えています。たとえば、そのうちのひとつは、大学生協のビジネスモデルをアプリ上で再現する「大学生協のDX」があります。

一般的に、生協って売店・学食のイメージがありますが、就活・アルバイトの斡旋、旅行や語学研修の紹介、免許合宿の案内、パソコン・ネット回線販売など「学生向けサービス」を多岐にわたり提供しており、さまざまなキャッシュポイントで企業と提携し、拡大してきたんですよね。

ちなみに、生協は全国約200の大学にあり、売上規模は2000億円と言われています。新型コロナによって、その役割はどんどんネット上に流れていて。であれば、生協がやってきたビジネスを『Penmark』がオンラインで行ない、さらに進化させていけばいい。

たとえば、

「法学部生に対し、司法試験の対策講座を紹介する」
「時間割から水曜日に予定が空いている人に、水曜日の単発バイトを紹介する」
「統計学を学んでる学生にリーチしたい採用企業がいたら説明会情報を届ける」

といったことが可能になります。大学生にとっても、企業にとっても、ストレスの少ない広告モデルを成り立たせたい。そうすることで収益性も高いものにできればと考えています。

前澤友作さんとのコラボキャンペーンも展開中

「大学生活」では終わらないその先がある

とはいえ、大学生活は多くが「4年間」で終わってしまい、市場は限られる。その点に関して「大学生活では終わらないその先」を横山さんは見据える。

中長期でみれば、大学生活では終わらないその先がありますよね。LTVを4年に限定しない事業戦略を模索する。

たとえば、アラムナイ(同窓生)です。たとえば、大学卒業から間もない新卒1年目のコミュニティを『Penmark』で作れたらどうか。 就職後、同級生たちが一斉に全国に散らばり、さらにリモートワークで人間関係の構築がうまくいかず、不安を抱える人も多い。そういったなか「新卒1年目」という枠のなかで、『Penmark』に居場所があれば、不安も和らぐはずです。

ウィズコロナおいて「OB・OGとのつながり」もオンラインにシフトする。慶應でれば「三田会」が有名ですが、こういったOB・OG会でも使っていただき、同窓生と在校生がつながれる場所を作りたい。

社会人になってからも利用可能になれば、大学生協のDXと同じく、広告モデルでLTVを伸ばしていくことができます。

ちなみに、実名SNSであれば、Facebookでもいいのでは?と思うかもしれませんが、大学生は、日常生活ではFacebookをほとんど使っていない。誰でも閲覧できるようなオープンな場、実名を公開していくSNSに対し、抵抗感を持つ大学生も多いのではないか?というのが仮説です。

その点、『Penmark』の場合は、大学メールアドレス、または学生証による学生認証が必要なので、同級生しかいない環境が担保されます。実名制でありながらクローズな環境が実現される。同じ大学、コミュニティに属する濃いつながり、出会い、きっかけがある。新しいカタチのOB・OG とのつながり、コミュニティが持続されるようにしていければと思います。

大学生活を、コロナ前より良いものに

そして取材の最後に伺えたのが、この4月から大学1年生になる学生に向けて。いきなりのオンラインがベースとなる大学新生活、横山さんはどういった体験を大学生たちに届けようとしているのか。

大学生活って学問を学ぶことはもちろん大事ですが、それだけでないですよね。慶應でいえば、約2.8万人の学生がいる。さまざまな考え方、思考、価値観に触れることで人生の可能性は広がると思うんです。

バイト、サークル、部活動、就活…失敗も、うまくいったことも、あらゆることが糧になる。どんどん成長できる、人生でかけがえのない時間です。学問と同じぐらいコミュニケーションも大切です。同級生たちとつながれて、選択肢が広がる。『Penmark』でそんな理想を実現したいです。

大学そのものも、これまでも、属するコミュニティによる情報格差が課題だと感じてきました。1年でサークルを選び、3年でゼミを選ぶ。慶應の場合、生徒が2.8万人いても4年間で交流できる学生はせいぜい100〜200人程度でしょう。出会える学生も少なければ、もちろん選択肢も少なくなる。

私自身、大学に関して、行きたい人は行けばいいし、行きたくなければ来なくてもいいといった考え。そして大学に入ってすぐに人生の方向性を決めなくていいと思うんです。ただ、せっかく大学に入ったのであれば、いろいろな情報に触れた上で、どう過ごすか、どんな道を歩くのか、選べたほうがいい。

多くの同級生がいるのだから、多様な考え方に触れ、コミュニケーションをし、可能性を、選択肢を広げてほしい、というのが強い思いです。

私自身も完全に大学で人生が変わりました。はじめにサークルの同期3人で学生団体立ち上げ、事業をスタートさせました。大学での出会いがなければ、今の人生はなかったし、そこから前澤友作さんとまでつながり、『Penmark』を応援してもらえている。

そもそも今はコロナのせいで、リアルで大学の同級生と交流する機会が制限されていると思います。どうかキャンパスに行けないから、と悲観しないでください。『Penmark』でこれまで以上に多くの学生と交流できる、いい出会いがある場所をつくります。新しい文化を作り、コロナ前の大学生活より、もっといい場所にしてみせる。そこで選択肢を広げ、自分の最適解、自分の幸せを見つけてほしいですね。


取材 / 文 = 白石勝也


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