2021.04.28
12名が厳選!新入社員にオススメしたい一冊

12名が厳選!新入社員にオススメしたい一冊

テック・スタートアップの領域で活躍する12名の方々に「新入社員にオススメしたい一冊」を伺いました。これからの仕事人生において拠り所となる一冊に出会えるかも!? 今年のGWはステイホームで読書を楽しもう!

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[本をご紹介してくださった方々]
※人名の50音順に掲載。

Hotspring 有川鴻哉さん
YOUTRUST 岩崎由夏さん
ZOZOテクノロジーズ 金山裕樹さん
中国トレンドマーケター こうみくさん
コーチェット/Cotree 櫻本真理さん
hey 佐俣奈緒子さん
Goodpatch 土屋尚史さん
Finatextホールディングス 林良太さん
SHE 福田恵里さん
ビービット 藤井保文さん
カンカク 松本龍祐さん
ANOBAKA 森 真梨乃さん

Hotspring 有川鴻哉さん

禅マインド ビギナーズ・マインド (サンガ新書)

▼オススメポイント
駆け出しのデザイナー/マーケターとして朝も夜も無く仕事に打ち込んでいた頃、どんなに忙しくても定期的に旅行に出かけていました。そんな道中に読んでいたのがこの本です。

禅の思想に触れ、立ち止まって自分やとりまく環境に思いを馳せることの重要性を感じていました。つかの間、生活の中心であるインターネットから離れて、ひなびた旅館の温泉に浸かりながら、一歩引いた視点で日々を振り返って自分を客観的に捉えると、今やるべきことや未来のことが少しずつ鮮明になっていく・・。逆説的かもしれませんが、自分の仕事のスタイルや考え方はそんな余暇の時間から生まれ、現在は『こころから』という旅行サービスを運営しています。

今でも重要な選択の場面では必ず一度立ち止まって、自分を客観的に捉えながら判断することを大切にしています。そんな風に「禅の思想」はあらゆる形で多くの方の役に立つのではないかと思い、この一冊を選ばせていただきました。

▼プロフィール
株式会社Hotspring 代表取締役CEO 有川鴻哉

1992年東京出身。2011年よりWebデザイナー/マーケターとして、名だたるスタートアップ企業にて初期フェーズを経験。2013年よりペロリ創業メンバーとしてMERY立ち上げ時よりデザイン/SEOを統括。2017年にHotspringを創業。エンジェル投資家として18社への支援も行う。


YOUTRUST 岩崎由夏さん

ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~

▼オススメポイント
元マッキンゼーの人がやっているカフェが食べログ上位になった経営の極意が書いてある本です。

GIVE&TAKEと考える人が世の中には多いのですが、実際はGIVEを先にした人のところに想定以上の見返りがあるのかも、ということが具体例を持って書いてあります。

社会にでるとドライな意思決定や定量的な判断を求められることも増えますが、最終的に判断するのは人間であるという前提の社会では、これがもっとも大事な経営方針だと私は考えています。

▼プロフィール
YOUTRUST 代表取締役 岩崎 由夏

大阪大学理学部を卒業後、2012年株式会社ディー・エヌ・エーに新卒入社。 新卒、中途の採用を担当。2016年子会社ペロリに出向し経営企画を担当。 2017年株式会社YOUTRUSTを設立。


ZOZOテクノロジーズ 金山裕樹さん

本を読む本 (講談社学術文庫)

▼オススメポイント
新社会人のみなさまおめでとうございます。みなさまの新しいスタートを心からお祝い申し上げます。

私が新社会人のみなさまにまず推薦したい1冊は『本を読む本』です。この本はざっくりいうと「効率的な本の読み方」を教えてくれる本です。インターネットとスマホの普及で様々な情報がいつでも好きなときにほぼ無料で手に入る時代になりましたが、本に記載されている情報やコンテンツは未だ色褪せなく価値のあるものが多く存在しています。

しかし私達の多くは読書という行為を我流で行っていることが多く、それ故に情報取得の効率性に関して向上させる余地が多く残されていると思います。この本に書かれている4つのレベルの読書法を習得することでみなさんの読書効率がグンとあがり質量ともにハイレベルな読書ができるようになると思います。

新社会人だけでなく未読の方はこの1冊をまず手に取り、技術を習得し読書にレバレッジをかけることをおすすめします!

▼プロフィール
株式会社ZOZOテクノロジーズ 代表取締役CINO 金山裕樹

AppleとGoogle、両社のベストアプリを受賞した唯一のファッションアプリ「IQON」(アイコン)を運営する株式会社VASILYを創業後、2017年10月に「ZOZOTOWN」 を運営する株式会社ZOZO(旧スタートトゥデイ)に売却。売却後は同グループの技術開発を担う株式会社ZOZOテクノロジーズ(旧スタートトゥデイテクノロジーズ)のイノベーション担当代表取締役として、ZOZO研究所の発足などR&Dと新規事業の創造を行なっている。著書に「いちばんやさしいグロースハックの教本」(インプレス)など。


中国トレンドマーケター こうみくさん

孫子の兵法―――考え抜かれた「人生戦略の書」の読み方 (知的生きかた文庫)

▼オススメポイント
どんな仕事・キャリアを築くことになったとしても、大切になってくるのが戦略性です。がんばって働く、スキルを身につける、といったことの前に、「どの業界・会社・ポジションで働くのか?」といった前段階の戦略が非常に大切になってきます。そして、戦略とは「戦いを略すこと」であり、如何にムダな戦いをしないか、勝てる試合しかしないかを見極めることが8割だということを解いているのが兵法です。わたしは仕事で悩むことがあれば、何回も立ち止まって、この兵法を読み返しています。

また、本でもいいいのですが、THE GUILD代表 深津貴之さんのnoteがとてもわかりやすいので、入りはこちらを読んでいただいてもいいと思います。

▼プロフィール
中国トレンドマーケター 黄 未来(こう みく)

1989年中国・西安市生まれ。6歳で来日。早稲田大学先進理工学部卒業後、2012年に三井物産に入社。国際貿易及び投資管理に6年半従事したのち、2018年秋より上海交通大学MBAに留学。現在は、ZVentureCapitalでキャピタリストとして働く。その他『中国の今を知れば日本の未来がわかる』をコンセプトとしたオンラインサロン中国トレンド情報局を運営中。


コーチェット/Cotree 櫻本真理さん

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

▼オススメポイント
学生時代には、自分の思うままに行き先を設定し、道を選び、独りで歩むこともできたかもしれません。社会に出て組織の一員となったとき、初めて他者と目標を共有し、役割分担をしながら進んでいくことが求められて「理不尽に思える他者」「わかりあえなさ」に苦しむことも多いものです。

他者と関わることは、他者の持つ物語に思いを馳せることです。そして他者の物語に気づくためには、自分自身の物語という「枠」を自覚し、いったん手放すことが必要になる。本書で語られるこのような前提を持っておくことが、他者との関わりにおける困難を超えていく強力な武器になるはずです。

▼プロフィール
株式会社コーチェット・株式会社cotree  代表取締役 櫻本真理

京都大学教育学部卒業。モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス(株式アナリスト)を経て、複数のスタートアップ立ち上げに関与。2014年に株式会社cotreeを設立。同社代表取締役。エグゼクティブコーチ・システムコーチとしても200社以上のスタートアップ・経営者向けのコーチングを実施。


hey 佐俣奈緒子さん

人を動かす 新装版

▼オススメポイント
変化の激しい時代において、いろんな手段やツールは頻繁にアップデートされ、その度にラーニングとアンラーニングを継続してできる人が成果を出し続けることができますが、そんな中で大きく変わらないものに関しては初期的に知識も時間も投資をしておいた方が複利が効きます。

では、変わらないものは何かということを考えると、人の本質でしょう。誰かと協業する、チームで成果を出す、ということは今後の社会人人生において大きな時間を占めるかと思いますが、そんな中で「人を動かす」ということはどういうことなのかというのを理解しておくというのは、とても良い投資だと思います。

▼プロフィール
ヘイ株式会社 取締役, VP of People 佐俣奈緒子

2009年より、米PayPalの日本法人立ちあげに参画。加盟店向けのマーケティングを担当し、日本のオンラインサービス/ECショップへPayPalの導入を促進。その後、2012年にCoineyを創業。2018年にCoineyとSTORES.jpを経営統合してheyを開始。以後、採用組織全般を担当。


Goodpatch 土屋尚史さん

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代―――富を約束する「6つの感性」の磨き方

▼オススメポイント
ダニエル・ピンクの「ハイコンセプト」は、2006年出版にも関わらず、現代で求められる人材や企業について記されている本です。

1「機能」だけでなく「デザイン」
2「議論」よりも「物語」
3「個別」よりも「全体の調和(シンフォニー)」
4「論理」ではなく「共感」
5「まじめ」だけでなく「遊び心」
6「モノ」よりも「生きがい」

僕が「ハイコンセプト」を読んだのは2019年のことで、出版から13年が経っていましたが、読んだ時には衝撃を受けました。デザイン会社グッドパッチを経営する上で、大切にしてきたことが見事に言語化されていたからです。

この本には、新たな価値を生み出し、これからの社会で求められる人材になるために必要なマインドセットがまとまっています。グッドパッチの新卒にも、まず読んでもらいたいと思っている一冊です。

▼プロフィール
株式会社グッドパッチ 代表取締役社長 / CEO  土屋尚史

2011年9月に株式会社グッドパッチを設立。「デザインの力を証明する」というミッションを掲げ、様々な企業の事業戦略からUI/UXまでを支援し、企業価値の向上に貢献。ベルリン、ミュンヘンにもオフィスを構え、世界で200名以上のデザイナーを抱える。2020年6月、デザイン会社として初の東証マザーズ上場。


Finatextホールディングス 林良太さん

影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか

▼オススメポイント
まとめると「どうやって他人を動かすか?」を教えてくれる一冊です。どういう職種であれ、1人だけで成功することは絶対にできません。アーティストでさえ、周りの人たちに認められるためにキーになるような人に動いてもらわないといけません。

意気揚々と社会人になってやる気満々な今だからこそ、顧客や同僚や先輩や上司含めた他人をどのように動いてもらうのか?という基礎を理解することは非常に大事です。本書はそれなりのボリューム感ありますし、電子書籍がないのが難点ではあるのですが、具体例も交えて解説してくれるし、真理に近い話なのでぜひまずは手にとって読んでみてください。

▼プロフィール
株式会社Finatextホールディングス 共同創業者 / 代表取締役CEO 林良太

2008年東京大学経済学部卒業後、英ブリストル大学のComputer Scienceを経て、日本人初の現地新卒でDeutsche Bank Londonに入社。ロンドン、ヨーロッパ大陸全域にて機関投資家営業に従事した後、ヘッジファンドを経て2013年12月に株式会社Finatext(現・株式会社Finatextホールディングス)を創業。現在は持株会社であるFinatextホールディングスの傘下にフィンテックソリューションを開発・提供するFinatext、オルタナティブデータ解析のナウキャスト、証券プラットフォームのスマートプラス、次世代型デジタル保険のスマートプラスSSI等を擁し、「金融を“サービス”として再発明する」をミッションに、パートナー企業とともに金融におけるデジタルトランスフォーメーションを推進している。


SHE 福田恵里さん

内定者への手紙 ー「仕事が遅い人」と呼ばれないための、10のチェックリスト (DayOne書店)

▼オススメポイント
コンパクトなので読書習慣が普段ない人でも一瞬で読めます。「天才を殺す凡人」等の著者の北野さんが、自社の新卒に対して、自身の仕事術や普段仕事で意識している事を余す所なく公開した、超実践的な本です。

チェックリストがシンプルに10個にまとまっており、覚えやすい。新卒のうちはまずこの10個のみを徹底的に意識して継続するだけで、圧倒的なスピードで成長できると思います。新卒だけじゃなくて、もう何年も社会人をやっている人でも、改めて自分の仕事の仕方を振り返り、学びになる要素が沢山あるので、おすすめです。

▼プロフィール
SHE株式会社 代表取締役CEO/CCO   福田恵里

学生時代に初心者の女性向けのWebスクールを立ち上げ、300名以上が受講。リクルートホールディングスに新卒入社し、ゼクシィやリクナビのアプリのUXデザインに携わる。26歳の時に、ミレニアル女性向けのキャリア支援を行うSHE株式会社を設立。主要事業である「SHElikes」は累計受講者2万名以上を突破。プライベートでは一児の母。


ビービット 藤井保文さん

NEXT GENERATION GOVERNMENT 次世代ガバメント 小さくて大きい政府のつくり方〈特装版〉

▼オススメポイント
アフターデジタルの上級者向け行政版ともいえる、私が2を書く上で土台にもなった本です。新たな環境変化に、政府・行政もそこに追くべきと提起しているのですが、デザインも構成も、こんな本を作りたいと思えるような作品です。

▼プロフィール
株式会社ビービット 執行役員CCO 兼 東アジア営業責任者 藤井 保文

1984年生まれ。東京大学大学院修了。上海・台北・東京を拠点に活動。国内外のUX思想を探究すると同時に、実践者として企業の経営者や政府へのアドバイザリーに取り組む。著作『アフターデジタル』シリーズは累計15万部を突破。アフターデジタル時代のUX/DXの道標を示している。AI(人工知能)やスマートシティ、メディアや文化の専門家とも意見を交わし、新しい人と社会の在り方を模索し続けている。2021年5月、UXの有識者が世界中から参加するオンラインフェス「L&UX2021」を開催。https://liberty-ux.com/


カンカク 松本龍祐さん

具体と抽象

▼オススメポイント
職場の上司や先輩から「話をもっと簡潔にまとめるように」「わかりやすい報告を心がけて」というようなフィードバックを受けた時にオススメしたい書籍です。そういった場面では、TPOごとに求められている事象の「具体化」と「抽象化」の目線のズレが原因のひとつだったりします。

とくに仕事におけるコミュニケーションでは、この「具体化」と「抽象化」を何度も行き来しながらやりとりされることが多いので、本書がヒントになるのではないかなと思います。よく「頭の回転が早い」という風に表現される能力は、「具体化」と「抽象化」との行き来の精度が高く、限られた情報や置かれている状況に合わせてそれらを臨機応変に操ることができている状況なのだと感じています。『具体と抽象』を通して、ぜひ早めにこの能力を鍛えてみてください。きっと役に立つと思います。

▼プロフィール
株式会社カンカク 代表取締役 松本龍祐

2006年2月、コミュニティファクトリーを設立し代表取締役に就任。2012年9月、ヤフーへ事業売却。2015年5月、メルカリに参画。メルカリグループにて、ソウゾウ代表取締役社長、メルペイ取締役CPOを歴任し、複数の新規事業立ち上げに従事。2019年6月、メルペイ取締役CPOを退任。その後、カンカクを設立し代表取締役に就任。現在、渋谷や六本木など都内複数箇所で完全キャッシュレスのパーソナライズドカフェ『TAILORED CAFE』を展開し、専用のモバイルオーダーアプリ『COFFEE App』ではサブスクリプションプランも提供中。


ANOBAKA 森 真梨乃さん

世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)

▼オススメポイント
まずは新社会人の皆様、ご入社おめでとうございます。選書のお話を頂いたとき、おすすめできるビジネス書ねぇ…と考えましたが、いや、おそらくわたくしが求められている役割はそうではないな?と思い直し、こちらの1冊を選びました(そうですよね、キャリアハックさん)。社会人としての心得やビジネスにおけるtipsが詰まった本は他の方々がご紹介くださっていることでしょう。

「世界音痴」は、穂村弘さんの実体験に基づくエッセイです。36歳実家暮らし、ベッドで菓子パンを食べ、年賀状は元旦を過ぎてから書き始め、スーパーで半額になった大トロを買おうか否か迷いに迷う……え、大人ってこんな感じなの?大人ってかっこよくてスマートで、なんでもできるんじゃないの?タイトルの通り「世界」とどうしても足並みが揃わない著者の日常が、哀愁&ユーモアたっぷりに綴られています。

前途洋々な新社会人の皆様の中にも、すでに理想と現実のギャップに苦しんでいる方がおられることでしょう。そんな方々に背後から忍び寄り「世界音痴」を片手に肩を抱いて「大人って意外とこんなもんだよ」と囁き、ニヤッと笑いたいです。

▼プロフィール
株式会社ANOBAKA 広報 森真梨乃

商社の物流部門にて貿易事務・役員アシスタントを経験後、2016年10月、KLab株式会社入社。社長室秘書グループにて社長秘書を担当後、同年12月よりKVPに参画。広報として、投資先の情報発信や広報サポートに従事。


編集 = 野村愛


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