2014.04.15
小学生プログラマ集結 ―WEB/IT業界の未来を担う子供たち

小学生プログラマ集結 ―WEB/IT業界の未来を担う子供たち

2014年3月30日、『Tech Kids School』の作品発表会が開催された。小学2年生からの子どもたちが、3ヶ月間かけてゲームやアプリのプログラミングに挑戦する『Tech Kids School』の発表だ。エンジニアの卵たちが取り組んだ成果を、緊張の面持ちでプレゼンする様子をお伝えする。

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小学生が体験した初めてのプログラミングとその成果。

小学生のためのプログラミングスクールとして、昨年に開校した『Tech Kids School』。2014年3月30日(日)に日本科学未来館にて、生徒作品発表会が行なわれた。小学生が3ヶ月間かけて取り組んだ成果を発表する場だ。本稿では、その集大成としての発表会を紹介したい。

学校の授業でも学習塾でもない、プログラミング教室。未来のエンジニアたちは、どんな思いでプログラミングに挑戦したのだろうか。経験を重ねる中で、どんなことを学んだのだろうか。作品をつくる過程で、面白かったことや苦労したこととは?

数年後、彼らがつくるWEBサービスを利用する日に想いを馳せながら、緊張と笑いに包まれた発表会の様子をお届けする。

※『Tech Kids School』については、運営主体である株式会社CATech Kids代表の上野朝大氏へのインタビューをご覧いただきたい。


21世紀を創る子どもたちに、道を切り拓く力を。

上野朝大氏

株式会社CATech Kids
代表取締役社長 上野朝大氏

株式会社CA Tech Kids代表の上野氏より開会の挨拶として、子どもたちに対する想い、事業に込めた想いが語られた。

上野:「プログラミングの学習は、世界中で広がりをみせています。オバマ大統領は『若者はプログラミングを学ぶべき』と言い、イギリスでは義務教育に導入しました。シンガポールでも義務教育に組み込む動きがあります。IT大国のインドにおいては、インド工科大に非常に優秀なITエンジニアが集まっており、世界中の名だたる企業がリクルーティングに訪れる。日本においても昨年に発表された政府の成長戦略で、プログラミングに力を入れると発表されました。世界的な高まりや日本政府の方針もあり、このようなお子さん向けのプログラミング教室を開校しましたが、真に目指すところは、プログラムがかける、アプリがつくれることではありません」

「思いついたアイデアを、実現する力を養って欲しいと考えています。アイデアを持っていても、現実とするには困難が伴う。そこで諦めるのではなく、どうすれば実現できるかを試行錯誤する。また実現したものを世の中の人に見てもらい、積極的に発信する姿勢を養うことが、21世紀では必要になると考えています。お子さんたちに、21世紀という時代を自分たちで創造していって欲しい。この壮大な夢の第一歩として、本日の作品発表会の開催に至りました。小学2年生から6年生までの57名が、取り組みの成果を自分の言葉で発表します」

緊張と笑いの小学生によるプレゼンテーション。

2Dゲーム開発・WEBアプリ開発・iPhoneアプリ開発の3コースに分かれ、小学生による作品プレゼンテーションが行なわれた。舞台に立ち、作品への想いを語る57名のキッズたち。緊張の表情と現場の様子を一部、ご覧いただきたい。エンジニアの原石が繰り広げるプレゼンテーションだ。



保護者と生徒に聞く、スクールに通った理由と感想。

― プレゼンを終えた生徒とその保護者にインタビューをしてみた。なぜ、スクールに通ったのか。作品をつくってみての感想と、将来について。大役を終えてほっとする保護者の皆さん、そして何よりも、楽しそうに語ってくれる子どもの表情から、業界の未来に明るい兆しをみた。


子:「僕は昔から、数字が大好きでした。プログラミングをして、もっと好きになって、算数も好きになりました。将来は、大学まで行きたいな。そしてプログラマになる。面白いゲームをつくりたいです」
母:「算数が好きなので、きっとプログラミングも好きだろうなと思って。海外のサイトで自習していたんですが、それはJavaScriptだったので、少し難しかったみたいです。日本で簡単なところから教えてくれるところはないかと探していたら、TechKidsCAMPを見つけました。参加してみたらとても楽しかったようで、Schoolにも通わせてみようと」
父:「親としては、将来は好きなことをやってくれたらと思っていますが、本人はプログラマになりたいみたいです(笑)。ゲームをつくると、私たちにやらせてくれるんです。自分しかわからない仕掛けにこっちが驚くと嬉しそうで。親子のコミュニケーションにもなっていますね」


子:「計算ができるゲームをつくった理由は、ビットコインのニュースを見て、お金を扱うゲームにしたら面白いと思ったからです」
母:「子ども向けの機会があると聞いたので、まずはTechKidsCAMPに通わせてみました。すごく楽しんでくれたようで。代表の上野さんとお話しをしてみて、子どもの将来のためになるだろうと思ったのと、本人がやりたいと言ったのでSchoolにも参加させてみようと。発想を形にするということは、子どもにとって面白いことなんだと思います。作品は非常にシンプルなものですが、本人が考え抜いた結果の、力強さのようなものが感じられましたね。家では何かが『動かない…』とぶつぶつ言ってましたけど(笑)、チューターのかたに質問するとすぐに解決して、ひとつずつできることが増えて、成長してくれている実感がありました」


最後にプレゼンテーションシーンの一部を、動画でご覧いただきたい。会場から笑いを巻き起こす、大人顔負けの発表だった。



教育×テクノロジー(Education×Technology)=エドテック(EdTech)という言葉が、昨年あたりから頻繁に登場するようになった。今回の発表会で上野氏が話したように、世界的にもプログラミング教育への熱が加速している。しかし日本におけるテクノロジー分野の教育は、各国と比べて遅れているのを否定できないだろう。

その中で行なわれた今回の取り組み。子どもたちに将来の夢を聞くと、「プログラマになりたい」「まだわからない」と答えてくれた。どちらにせよプログラミングを学んだ経験が、ひとつの選択肢を増やすことにつながったのは間違いない。発表会を終えて、このような取り組みが実を結び、多くのエンジニアが生まれることに期待したくなった。

世界に通用する日本発のサービスが、次々と発信される未来。そのためには、子どもに過度な期待をするのではなく、彼らが望んだ時に学べる環境を用意しておくことが、私たち大人の務めだと実感する。「将来のことは本人が、じっくり考えて決めてくれたらいい」。そう語る保護者の真剣な目も、記憶に残るイベントだった。

(おわり)

[取材] 城戸内大介 ・ 田中嘉人


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