Goodpatchとエウレカの若手社員とCEOによる特別座談会企画!未経験から入社した2人に「なぜGoodpatchとエウレカを選んだのか」「なぜ主要メンバーへと成長していけたのか」をうかがいました。1年遅れで入社した彼らが活躍するまでの軌跡とは?
きっかけは、2014年12月9日Goodpatch CEOの土屋尚史さんのFacebookへの投稿だった。
エウレカ CEOの赤坂優さんとエンジニアとして働く山下さん、そしてGoodpatchでデザイナーとして働く小林さん、4名での会食の様子だった。詳細を聞くと、小林さんと山下さんの2名はもともと同じ大学・学部で、しかも元々はルームメイト。お互いに実務経験のないままそれぞれGoodpatchとエウレカへ入社し、わずか2年で自社の主力サービスを支えるエース級の活躍を見せている2人だった。
入社したのは、小林さんが2012年10月、山下さんが2013年2月。2人とも正社員登用は、2013年4月。Goodpatchもエウレカも、今日のような実績もなければ注目度も低い。にも関わらず、なぜ彼らはGoodpatchとエウレカで働くことを決意したのか。彼らの決断の背景を探るために、土屋さん、赤坂さんも交えた4名の座談会を敢行。前編では、まず小林さん、山下さんにフォーカスし、彼らが会社を選んだ経緯、成長の軌跡、そして本音に迫る。
― さっそくですが、お二人は元々ルームメイトだったんですよね?そのあたりの経歴からうかがってもいいですか?
小林:
はい。僕たちは大学も学部も同じで、そこで知り合いました。いわゆる情報系の学部だったんですけど、最初はプログラミングもやるし、デザインもやるし、情報戦略もやるし、広く浅く学んでいました。途中から興味のあるものを専門的に勉強できるようになり、僕はデザインを中心に学べるコースに進みました。
山下:
僕の場合はプログラミングのほうを勉強していたんです。でも、就職活動は1ヶ月くらいで止めてしまって。小林のほうはずっと続けていたので就職するのかと思っていたんですけど、結局止めて(笑)。
小林:
就職活動していても自分たちのやりたいことの延長線上にあるような仕事を見つけられなかったんですね。
山下:
そこで大学4年の12月くらいから「お金も無いんでルームシェアしよう」ということになり、じゃあ自分たちで好きなモノをつくって、それで挑戦してみよっかなみたいな軽いノリでWEBサービスをつくっていました。『Himapupepo』という…。でも、1ヶ月くらいでこれはヤバイということに気付いたんです。
赤坂:
どっちの”ヤバイ”?
山下:
こんなのじゃご飯を食べれるわけがない、と。最終的にユーザーが30人くらいで、ターゲットだった僕らでさえも使おうと思わないシロモノで…。
一同:
(笑)。
小林:
自分も使わないから「これどうしよう?」となったんですけど、改善する知識がないので、働きながら知識を身につけようと思いました。それで『Himapupepo』をもって、僕はGoodpatch、山下はエウレカにそれぞれアピールしにいったという感じですね。
― どうしてGoodpatchとエウレカだったんですか?サービスをグロースするための知識とかノウハウとかを学べるところへ入ろうみたいな動機はあったかもしれませんが…。
小林:
僕はもちろんサービスをグロースさせるための知識が欲しいというのもあったんですけど、実際Goodpatchがどんなことをやっているのかをフンワリとしかつかめていなくて。でも、Goodpatchのサイトをみたとき、どこか惹かれる部分があって。そこで、Wantedlyの話を聞きたいボタンを押したら、土屋さんからレスポンスが返ってきたんです。話を聞きに行って、土屋さんのビジョンに惹かれて、入社しました。
山下:
僕の知らないところでやっていて、いつの間にか入社してました。
小林:
いやいや、ちゃんと話はしていましたよ。
山下:
していたんですけど、まさか受かるとは思っていなくて。入社したらずっと忙しそうにしていて、これはヤバイと思い、Wantedlyで僕も調べていて。もうエウレカ!って、ビビッときて。すぐに連絡して、面接日を決めていただき、最初赤坂さんと1対1で面接をして『Himapupepo』を見せたんですけど、すぐに「何コレ?」って感じで言われてしまい(笑)。
でも、アピールできるものってこれしかないし、自分のキャリアとかも全く考えていなくて。正直言うと、小林が働いちゃったことへの焦りもあり、特に何のビジョンもアピールポイントもないまま面接に臨んで行っちゃってたので。
赤坂:
そんな奴、採用する訳ないじゃないですか。
山下:
その場で言われて、僕は貧血を起こしたんです。これはヤバイってなったんですけど、「ヤバイです」も言えなくて。結局赤坂さんが気付いてくれて、「大丈夫?」って。そこでトイレに連れて行ってもらい、もらったジャスミンティーを一気飲みして…。30分ほどこもった後に戻ってきたら優しく諭されて、「今日はありがとうございました」って(笑)。
土屋:
だから、僕は小林を採用したけど、赤坂さんは山下くんを採用していないんです。
赤坂:
採用してないんだけど、いつの間にかいるっていう(笑)。
― 小林さんと山下さんは、最初から正社員としてご入社されたんですか?
小林:
いや、アルバイトです。
土屋:
最初に会ったとき、当然未経験なんですよ。会社としては、まだ仕事もキャッシュも無い。本当自転車操業状態だったんですよ。で、ぶっちゃけスキルのない奴を雇う余裕なんてなくて。でも「どうしても入りたい」と。採用してくれないと帰らないくらいの勢いだったので、じゃあもういいや、と。週3の時給900円からでもいいか?と仕方なく雇ったんです。
小林:
最初は居酒屋のアルバイトと掛け持ちしていたんですけど、2週間程で居酒屋のアルバイトを辞め、フルでGoodpatchにジョインしました。
― 山下さんの場合はどうだったんですか?
山下:
最初は時給制のアルバイトです。
赤坂:
ウチも猫の手も借りたい状態でしたね。当時、Facebookのアプリの受託制作を結構やってたんですけど、その頃業界にFacebookのアプリを専門にしてちゃんとつくれる人なんていなかったんですよ。だから、自分たちで育てるしかなくて。山下にはPHPエンジニアとして、Facebookアプリの開発とAPIの完全把握をミッションに与えて。それをやりきってくれました。
山下:
もうやるしかないという感じでしたね。訳もわからず。2ヶ月がむしゃらにやっていました。バイトだったんですけど、1ヶ月で社内MVP制度で選んでいただけて。2014年の4月から正社員になりました。
土屋:
こっちは結局半年くらいアルバイトで、4月からですね。
― では、お二人とも大学卒業から1年後には正社員として登用されたということですね。しかも即戦力ということで…。あまり失敗とかも経験しないまま、今に至っているというイメージですかね?
小林・山下:
いやいやいや!そんなことないですよ!
一同:
(笑)。
小林:
僕にとって大事件があって。初めて受託の案件のデザイナーを任されて、デザインカンプを出したり、フィードバックをもらって直したり、といろいろ進めていたんですけど、「この日までにデザインを出してください」っていう期限があったんですね。でも、僕ちょうどその次の日から海外旅行へ行く予定があって、結局途中までしか終わらなかったんです。で、土屋さんに「それはあり得ないぞ!」とめちゃくちゃ詰め寄られたのですが、そのままタイへ出発したという…。
― 結局、行ったんですね(笑)。
土屋:
まぁ、ちゃんとした研修とかないわけですよ。ビジネスマナーが学べる、とか。何もわからないので、そういう普通に働いていたらあり得ないと思えるようなポカを結構やるんですよね。そういうときは結構怒ります。
赤坂:
あと、この前4人で飲みながら話してて知ったんですけど、この2人、どうやら同じタイミングで遅刻するらしいんですよ。まだ一緒に住んでるんじゃないかって思うくらい。
土屋:
入社したてのときもひどくて、遅刻しても電話に出ないんですよ。僕が電話しているんですよ?で、何度も電話してやっと出て、早く来いといったら「はぅあ、すみませえーん」って、言ったあとに二度寝するっていう。すごいですよね(笑)。
小林:
あれは死にたいと思いましたね…。
赤坂:
いやー、それはすごい。でも、山下も昔は、昼過ぎに「すみません、寝坊しました…」という連絡をしてくるパターンもありましたね。
土屋:
だから何がすごいって度胸がすごいんですよね。僕らももっと頑張らなきゃいけないなって思いました(笑)。
― 数々の成功や失敗を経験され、今や組織の中心メンバーとしてご活躍されているお二人ですが、元々は一緒にサービスつくって、ルームシェアもしていたわけですよね。お互い切磋琢磨できる関係だとか、「お前がいたから今の俺がいる」的な想いはあるんですか?
小林:
『Himapupepo』をつくることが、お互い会社に入るきっかけになったということはあると思います。お互い入社してルームシェアを解消してからは密に連絡をとっているというわけではないのですが。
山下:
GoodpatchがProttを出したときとか、メディアに出ているときとか、移転した話とかを聞くと、いい会社に入ったんだなと思いながらも、僕もがんばろうという気持ちは強まりますね。
― スタートアップも1年前、2年前と比べたら数も増えていると思うんですね。だから未経験でも入社したいとか、興味があるという方が増えてきていると思っていて。そういった方たちにアドバイスってありますか?あと、「スタートアップを志すなら、これはやっておいたほうがいい」ということってありますか?
山下:
僕はエウレカしか見たことがないんでわからないんですけど、自分はベンチャーに入ってよかったなと思います。ベンチャーは社員一人ひとりがどうしたら会社を大きくできるかということにコミットして考えなくてはいけないし、経営者も近いので。逆に「勉強したい」とかそういう気持ちじゃ続かないと思うんです。
エンジニアで言ったら、スキルがないと正直雇われないと思います。僕の場合、入社してスグできたと言われるんですけど、その前に2ヶ月くらいですけどPHPの勉強はしていました。教科書を見ながら。
小林:
まず僕は、「成長したいんですよね」と相談されたら、絶対にベンチャーに入れって言いますね。というのも、僕が入ったときって人数が4~5人のレベルなので、責任をめちゃくちゃ負わされるんです。仕事には自分なりの工夫が必要ですし、いかにうまく進められるかを常に考えなければいけない。それは必ず力になるし、だからベンチャーに入って、死に物狂いで一回働いてみるというのは成長への第一歩かなという想いはありますね。
会社選びで大切なのは、代表のマインドやパッションみたいなものを聞いて共感できるか。デザイナーでいうと、実務的なスキルはどうでもいいと思っていて。実際、僕なかったですし。自分で考えながらつくり続ければ、できるようになるんですよ。だからスキルよりも、会社や代表と同じ熱量で入社できるかが一番重要だと思いますね。
[取材・編集]松尾彰大[文]田中嘉人
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