原 誌央理さん(25歳)は、ドリコムで人気アプリのサーバサイドを担当するエンジニアだ。社内でサークルを立ち上げたり、プライベートでも活発に行動したり。もともと学生時代にはダンスや学園祭の実行委員に没頭していた彼女が、なぜエンジニアに?
― 原さんはドリコムに新卒で入社されたんですよね。1年目からサーバサイドのエンジニアとして働かれていると伺いました。バリバリ学生時代からプログラミングをやっていたのでしょうか?
いえいえ、そんなことないんです(笑)
じつは、女子高から理系の大学に進学したんですけど、勉強より、ダンスのサークルや学園祭の実行委員のほうが忙しかったくらいで…あまり大きな声では言えないのですが、そんなに真剣に勉強したというわけではなかったんです。なんていうんだろう、何でも出来るときに全力でやり切りたいと思ってしまうタイプで(笑)
― でも、理系の大学だったらプログラミングは勉強したのではないでしょうか?
もちろん、大学の授業では多少やりましたが、カタカナ単語がたくさん出てきますし、実践と授業は違うので、仕事としてやっていけるなんて全然思っていなかったです。
大学にいても、教室や研究室にいる時間よりも、外でダンスの練習をしたり、休みの日は休みの日でイベントに参加したり…ホント、そういう活動にばかりチカラを入れていた気がします(笑)
とにかく、たくさんの人を楽しませるエンターテイメントが大好きで。そういったきっかけもあって、テレビ局だったり、アプリの会社だったりを就活では探していました。
― その中でもドリコムを選んだ理由とは?
軽い気持ちで面接に来たのがきっかけです(笑)
エンジニアのマネージャーが面接官だったのですが、「エンジニアがより働きやすい環境、開発しやすい環境づくりになるように全力で取り組んでいる。それはすごい重要な役割で…」と聞いて、「エンターテイメントって自分一人でつくるだけじゃないし、つくる人を支える、ここも凄い大切なんだ」と新しい視点に触れることができました。
自分ひとりの力でできることって、たかが知れていますよね。いま思うと大学時代のダンスサークルも、学園祭も、たくさんの人達と協力するからこそできること。
エンジニアとして働いている今も、プロジェクトで何かを達成することが好きなんだと思います。みんなのために何ができるだろう?と考えていって。その結果、よりたくさんの人に楽しんでもらえるモノになるんじゃないかな…なんて、理想を語ってしまったのですが、まだまだ一人じゃできることが少ないので、「よーし、みんなで協力していこう」と「ちゃっかり」なところがあるだけかもしれないですね(笑)
― いえいえ、「自分なんて何もできない…」とネガティブにならないのが凄いです。
やっぱり前向きにいきたいですよね。
もちろん、入社したばかりの頃はエンジニア同士の会話についていけなかったですし、どのタイミングで話しかけていいかさえわからず…今もですが…ぜんぜん自信はなかったです。
なので、集中する際には音楽を聴きながら仕事する人もいますけど、私はあえてヘッドホンやイヤホンはしないで…先輩エンジニアの会話を盗み聞きしていました。
わからない単語が出てきたら、こっそりで調べて、タイミングを見て個人攻撃で「さっきの話ってどういう意味だったんですか!?」と詰め寄ったり(笑)そうやってちょっとずつ知識をつけてきたところはあるかもしれません。
― そこから今ではどういったところまで担当されているのでしょうか?
今はひとつのネイティブアプリで、サーバサイドの大部分のプログラムは任せてもらっている状態ですね。データをちゃんと管理できるように、スクリプトを書いたりもしています。
― おお!それってすごい成長ですよね。伺ったかぎり、貪欲に学ぶ姿勢があったからこそ、今、活躍されている部分も多そうですね。
あともう一つ、ホントに周りの方にはお世話になりっぱなしで。隙間時間に上司が教えてくれたり、初歩的な質問でもイヤな顔せずに答えてくれたり。恩返しじゃないですけど、もっとみんなの役に立てるようになりたいですね。
― そういえば、業務外のところで、社内のダンスサークルを立ち上げたと伺いました。そういう活動も「楽しく働く」という意味で、モチベーションにつながりそうですね。
そうですね。あまり普段の仕事上は話をしないチームの人と知り合えるのもすごく楽しいです。たとえば、別チームのエンジニアとサークルで知り合って、普段から気軽に質問できるようになったり。
― 仕事にもいいフィードバックがある?
それはあると思います。サークルなどで話した別チームのエンジニアと仕事をすることになってコミュニケーションが円滑になったり、時間やタスク管理もそうですね。その日の状況に合わせて常に考えて動くようになりました。例えばサークルがある日は「今日は、この時間までに帰ります」って宣言したりします。チームのメンバーも割とそういうメンバーが多いですね。メリハリをつけることって重要だと思うようになりました。
あとは「ダンス」って一つのコンテンツですよね。お客さんに見てもらって喜んでもらう。フィードバックがある。サービスやエンターテイメントの本質として「楽しんでもらう」というのはアプリ開発も同じだと思います。事業だと数字に目がいきがちですけど、お客さんの存在もちゃんと意識しないといけないなぁ、と。
― お話を伺っていて感じたのが、すごく広い視点で見ていらっしゃいますよね。そういった意味でも、これからのキャリアについてはどう考えていらっしゃいますか?
どちらかといえば、技術を掘り下げるより、マルチにいろいろできるようになりたいですね。また、マネジメント側にもいきたいというのはあります。
エンジニアという職種の軸で見ちゃうと、どうしても先々の道って「技術的に深く掘り下げる人」か「プロジェクトや人をマネジメントする人」か、白か黒か、二つしか選択肢がないイメージってありますよね。でも、もっといろいろな「カラー」を持った人がいてもよくて、グレーとか、ピンクとか、黄色とか(笑)
私の場合、仕事は「やりたいコトを大きな規模で叶える場所」だと思っています。だから、エンジニアという「職種のラベル」にこだわりすぎない方がよくて、個人的には「コンテンツを生み出す一人なんだ」という見方をするようにしています。そう捉えることで、これからはもっと女性にも活躍の場がたくさん生まれてくるのかもしれませんね。
― 確かに「エンジニア」という職種のイメージにとらわれず、自分が何をしたいのか、向き合うことはキャリア選択の上でもヒントになりそうですね。本日はありがとうございました!
[取材・文]白石 勝也
編集 = 白石勝也
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