2012.06.21
話題の教育系スタートアップ「schoo」代表に学ぶ、“怠け者”のための仕事術。

話題の教育系スタートアップ「schoo」代表に学ぶ、“怠け者”のための仕事術。

「WEBの世界に、誰でも学びの体験ができる学校をつくる」という志のもと2011年に立ち上がったschoo(スクー)。代表はリクルート出身の森健志郎氏、まだ25歳の若者だ。自らを“根っからの怠け者”と言い切る彼を、注目のスタートアップを率いるトップたらしめている仕事術に迫った。

WEB時代の新しい学校「schoo」をつくった、リクルート出身の25歳。

schooキャプチャ

国内外を問わず教育系スタートアップの設立ラッシュが続いているが、schooには他の教育系WEBサービスと明確に違う点がある。講師から生徒への一方通行の授業ではなく、生徒から講師や他の生徒への情報発信が可能であり、そのコミュニケーションを最も重視していることだ。

授業を単なるコンテンツとして捉え、それをWEBで展開することのみを目的としているのではなく、学ぶという行為と、学びの場で生まれるさまざまなシナジーまでを含めてWEB上で実現しようとしているわけで、実はかなり野心的な取り組みだと言える。

代表の森健志郎さんはリクルート出身。新卒で入社し、SUUMOのプロモーションを担当した後、「WEB上に誰でも通える学校を」というアイデアを実現すべく、24歳で独立した。

華々しいキャリアを歩んでいるように見える森さんだが、本人は自らを“アホ”だと言い切る。


「僕は大学も三流で、学生時代は寝てるか遊んでるばかりだったし、そんなに頭が良いほうでもない。Wantedlyの仲暁子さんやソーシャルランチの上村康太くんとか、“86世代”という括られ方で同じ土俵にあげられるんですが、彼らのようにホームランを狙えるエリート選手じゃないんです」


考える時間を捻出するのではなく、いかにして考えずに仕事をするか。

森健志郎

そんな森さんが、並みいるエリートを唸らせるようなアウトプットを出し続けている背景には、彼がリクルート時代から守り続けている、仕事のルールがある。


「僕、ものすごい怠け者なんですよ。だから、歯磨きするとかメシを食うとか顔を洗うのと同じ所作で仕事ができるようにしたい。とにかく自分を“考えなくても仕事ができる状態”にもっていくようにしているんです」

そのためには、一にも二にも徹底したタスク分解が必要だと森さんは言う。それも、自分以外の誰であっても消化できるレベルまで細かく。

例えばサラリーマン時代、森さんは“電車に一人で乗ったときは必ず本を開く”というタスクを自分に課していたという。泥酔していようと体調が悪かろうと、読まなくてもいいから必ず本を開く。その結果、乗車中の読書だけで年間150冊近い本を読破していたそうだ。

ポイントは、「電車で本を読む」ではなく「電車に入ったら本を開く」というところまでタスクを分解していること。読書というタスクを、もう一階層下の「本を開く」というタスクに砕いたことで、あれこれ考えることなく自動的に本に触れる機会を作ることができたわけだ。

ルールを、習慣化する。

森さんの場合、翌日の仕事を細かくタスク分解するために、毎晩就寝前に必ず一時間ほど時間をとっているという。実際に森さんがEvernoteにまとめているタスクリストを見せていただいた。

タスクリスト


取材に伺った日は、ちょうどCAMPFIRE(ハイパーインターネッツが運営するクラウドファンディングサービス)を通じてschooに出資してくれた方々へのお礼を準備する予定だったようで、「ステッカーを封筒に入れる」「ボールペンを発注する」など、細かなタスクがずらりと並んでいる。

だが森さんに言わせると、これでも十分ではないのだそう。ボールペンを発注するといっても、どのメーカが良いか分からない。“筆記具メーカーを10社調べる”“実際に使ってみる”、とそこまで細かくすべきだと。

リクルートで学んだ、エリートに負けない戦い方。

森さん左

怠け者であっても、このタスク分解さえ徹底すれば、ビジネスの第一線で戦える。森さんにその自信を与えてくれたのは、リクルートだった。特に上司との出会いが大きかったという。


「もともとこの仕事のやり方は、社会人になって初めての上司に教えていただいたものです。タスクを書き出すのに加えて、各タスクにかかった時間を全部きっちり測って記録しろといつも言われていました。

例えば、封筒にステッカーとボールペンを入れるとして、1つあたり2分かかるなら30個で60分。全部数字で書いて計算するということを、当時は徹底的にやってましたね。社会人最初の1~2年は常に自分のタスクを書きだして、砕いて、ストップウォッチを持って仕事していました」


ひょっとしたら、森さんと同じような指摘を受け、一度はチャレンジしてみたことがある方も多いかもしれない。だが重要なのはやってみること以上に、やり続けること。森さんの場合、徹底してやりきることで道が開けた。

怠け者だからこそ、シンプルに“本質”のみを追うことができる。

帽子

森さんの仕事のルールを単に「タスク管理術」と言い捨てることは簡単だ。だが、そのタスク管理術が、森さんの中で「ものごとの本質を正確に捉える力」につながっていることを見過ごすべきではないと思う。

「僕は本当に怠け者なので、何事もシンプルにしたいんです。“これさえやってたら大丈夫だろう”というものだけをやりたいし、考えるとしても“何をやれば大丈夫か”だけ。

タスク管理は、まさにそのための技術です。どんな仕事もとことん絞り込んでいけば、誰にでもできるタスクに落とせるし、その作業をどれだけ速く正確にできるかが、仕事のパフォーマンスを決めるんだと思います。

だからこそ、特殊なことはしない。とにかくシンプルに、やるべきことを徹底してやるだけです」


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