2018.03.08
高校生のインスタから情報インプット?女性の心を捉えてはなさない、『SHE』福田恵里の仕事道具

高校生のインスタから情報インプット?女性の心を捉えてはなさない、『SHE』福田恵里の仕事道具

気になる「あの女性クリエイター」はどんな仕事道具をつかってる? 今回教えてくれたのは『SHE』福田恵里さん。とくに彼女がすごいのは毎日SNSでシェアされる動画や画像のクオリティがとにかく高いこと。いきいきと働く女性たちの心をとらえて離さない。そこには仕事を楽しむ魔法があった!?

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【プロフィール】SHE取締役/CCO 福田 恵里

1990年生まれ 27歳。自分でアイデアを形にできる女性を増やしたいという想いから、学生時代に女の子のためのWebデザイン講座「DesignGirls」を立ち上げ、累計300人以上の初心者の女性が受講。その後、新卒でリクルートホールディングスに入り、ゼクシィ/リクナビ等のアプリのUXに携わる。2017年7月から独立し、株式会社SHEを設立。昨年10月にオープンした表参道の女性限定キャリアスクール「SHElikes」を中心に、自分の好きなことを活かして活躍する女性を支援する事業を行なっている。「SHElikes」はTwitterトレンド1位を取ったり、日経やforbesなど様々なメディアで取り上げられている。Twitter:@eri_razapii

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一眼レフいらず。 「iPhone X」と「Focos」が画像加工の新定番に?

福田さんが運営しているのは、21世紀を生きる女性のためのキャリアスクール「SHE likes(シーライクス)」。「わたしだけの”好き”を見つけよう」というコンセプトを掲げ、デザインや広報、ブランディング、マーケティングなど、月に25程あるスキルアップレッスンの中から、自分が目指すキャリアに適したものを、カスタマイズ受講することができる。

とくにステキなのが、SHEのクリエイティブ。SNSでは、イラストでレッスンのレポートを更新していたり、写真・動画の世界観は「自立した大人の女性」をテーマにトーンやカラーが統一されていたり。


SHE株式会社の公式アカウント

福田さんをはじめ、なぜ、SHEのメンバーたちは、これだけのクオリティでのコンテンツを毎日作りつづけられるのだろう?


「SHEらしいレッスンの内容や雰囲気を少しでも伝えたい。だからクリエイティブを作る際も写真やイラストなどのトーン&マナーには特に気を遣っています。ただ、私はすごくめんどくさがり屋なので(笑)SNS投稿など毎日継続することに関しては、いかにさくっと短時間でハイクオリティなものをつくれるか。ここがすごく大事」


そんな彼女が普段使っている道具。まずはじめにSNS投稿用の撮影は「iPhone X」を使うことがほとんどだという。その使い方にひと工夫が。


iPhone Xのポートレートモードと加工アプリ『focos』のセットでいつも撮影しています。単焦点レンズ顔負けのボケ写真が撮れるので、一眼レフいらず。加工も『VSCO』を使えば、色味もphotoshopを使わずにカンタンに調整できます。レッスンの様子の撮影も気軽に撮影できて、すぐに加工してそのままSNSにアップできちゃうのでオススメです」


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iPhone Xのポートレートモードと『focos』で撮影し、『VSCO』で加工した写真。

動画・画像のエモさを、どう演出する? 必須アイテムは「GoPro」「Osmo」

すこし意外だったのが、よくスポーツ動画・画像の撮影などにつかわれる「GoPro HERO5」も、彼女の必須アイテムだということ。どうつかっている?


「もうひとつ、GoProも写真撮影でつかうことがあります。躍動感や一体感がでるので、写真がエモくなるんですよね。開催したイベントの会場全体の撮影に使ったり、参加者の集合写真に使ったり。平面の写真では表現しきれないので重宝しています」


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福田さんがGoProで撮影した写真

写真に加えて、動画撮影にもこだわりが? 彼女が使っているのが「Osmo mobile」だ。


Osmoは、動画をライトに撮りたいときに使います。とくに歩きながらの撮影、手振れをちゃんと補正してくれる。Osmo×iPhoneXポートレートモードで動画素材撮影したものをPremiere Proで編集するだけで、結構プロ並みのクオリティ高い動画が撮れちゃう。すごく便利です」


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GoPro HERO5(左)とOsmo mobile(右)

高校生のストーリーもチェック?アイデアのタネはスクショして保存

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ただ道具があっても、「どんな動画をつくろう」といった発想の種のようなものも大切になるはず。そこには意外な情報ソースが。


10代の子たちがSNSにあげている動画や画像はいつもチェックしています。見せ方がすごく斬新で、参考になるアイデアが溢れてる。たとえば、インスタのストーリー。フォロワー数の多い中高生をフォローして、気になったら、スクショしたり、その子達が使っているアプリを実際に触ってみたり。新しい切り口って、いつも10代から生まれている気がするんですよね」


とくに最近、気になっているSNSなどでの発信とは?


今は写真よりもイラスト。最近はよくTwitterでイベントレポートがグラフィックレコーディングでまとめられたものとか見かけますし、ゆうこすちゃんのバズっているTweetも写真に手書きで注釈を入れていますよね」

ゆうこすさんのツイート
ゆうこすさんのツイート

「SNSのタイムラインだけを見ていても、毎日いろんな表現方法が出てくる。そういう変化を見ていると、みんな”自分にしかない表現方法”を探している気がするんです。そこに隠されたみんなの戦略とか意図などのウラ側を考えてみる。点と点で見えている各所で起こっているバズを自分なりに抽象化して、法則をみつけていくのが楽しいですね

メモも、スケッチも、読書も。仕事の必需品は「iPad」と「Apple Pencil」

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こうして日々アイデアの種をストックしている福田さん。さらに思考を深めたり、メモしたり、iPadとApple Pencilを駆使する。


iPadは私の相棒的な存在ですね(笑)。日々のメモを書き留めたり、イベントレポートをまとめたり。デザインのスケッチにもKindleでの読書にも使ってます」


一体どんなふうにメモを取っているのだろう。福田さんのメモを見ると、図やイラストが多いことに気づく。


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SHEのレッスンの内容は一枚のイラストにしてまとめて、SNSで発信しています。グラフィックレコーディングをもっとシンプルにした感じ。参加できなかった人たちにこの講座でなにが学べるのか、知ってもらえる機会になればなと思っています」


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福田さんが良く使うメモアプリは『paper』、『sketches』、『Adobe sketches』

とくにiPadは、Apple Pencilでの書き心地の良さが、福田さんをとりこにしたそう。


「Apple Pencilのぬるぬるした書き心地が最高に使いやすいですね。以前、Wacomのペンタブ持ち歩いていたけれど、それに比べると格段にイラストがカンタンに手軽に書けるようになりました」

いい案が思い浮かばない…そんなときは「ノート」で思考整理

もうひとつユニークなのが、「考えがまとまっていないとき」の思考整理法について。いったんデジタルなモノから離れてみる。


「ゼロからアイデアを考えるとき、スケッチのラフ案はノートを使っています。でも、最後は必ずiPadのほうで清書しています。全てデジタルデータとして保存していたいんです」


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前職を退職するときにもらった万年筆。

シンプル機能とかわいいUIが、継続のモチベーション|タスク管理アプリ『Quest』

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もちろんSNS運用などはシゴトのごく一部。アイデアが求められると同時に、CCOである福田さんは、会社全体のブランディングを考えたり、ほぼ毎日あるレッスンのコンテンツ開発、ときには講師として生徒たちにデザインを教えたり、とても多忙だ。一体どうタスク管理している?


「タスク管理アプリ『Quest』を使っています。タスクをクリアするたびにポイントがもらえて、まるでRPGをしているような気分になれるUIでかわいいんです。シンプルな機能で、かわいいUIが継続のモチベーションになっています」

新しいものはまず自分で試す。Amazon echo, Air pods

もちろん道具を選ぶとき、パッと手にとって、すぐに自分に合うとは限らない。福田さんはどんどん新しいガジェットや道具を試してみるのも習慣化している。


「最新のガジェットが出たら、すぐ購入しちゃうんですよね。Kickstarterとかで買っても使い物にならなくて、引き出しに眠ったままになることもありますが・・(笑)でも、それ以上にまず自分で試してみることこそが価値になると思っています。あとは単純に自分のできることが拡張される感じがして、なんだかワクワクするんです(笑)。小さいころからガジェットが大好きで、電卓とかにもテンションあがってました


当然、新しいものであれば、なんでもかんでも購入しているわけではない。


テックブログとかYoutubeで情報収集して、似たような製品はそれぞれどんなメリットがあるのかしっかり比較検討してますね。でも、そこまで時間をかけず、スピーディーに決めてます」


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とにかく接続がシームレス!オンラインMTGの時なども重宝。他のワイヤレスイヤホンも持っているが、圧倒的にAirPodsが◎iphoneも最新の「iPhone X」だ。

新しさ…といえば、スマートスピーカー。『Amazon echo』も購入したそう。どんな使い方をしている?


「家でとってもお世話になっています。たとえば、HUEと連携させて「Alexa、電気消して」といった具合に、音声でコントロールできたり、毎朝ニュースをお知らせしてもらったり、Amazonでの買い物をしたり。あとは、作業用のBGMの再生もすごくシームレスですね」


これからは音声で日記などが書けるようにしたいと、福田さんは新たな使い方の模索を続けているそうだ。

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番外編。大好きな匂いで気分をリフレッシュ| ハンドクリーム

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ここまでシゴトと直結しそうな道具について教えてくれた福田さん。もうひとつ、おまけとして“その他にいつも持ち歩いているものがあれば…”と伺えたのが、彼女がいつもカバンに潜ませている持ち物について。


「カバンの中にはいつもAesopのハンドクリームとSHEの会員さんにプレゼントで頂いた練り香水を持ち歩いています。一日のはじまりにつけたり、途中仕事で煮詰まったときにつけています。大好きな匂いで気持ちがリフレッシュされる。意外とこういうのも大切かな(笑)」



取材後記

取材当日、次から次へと目新しいガジェットを机の上に並べて見せてくれた福田さん。そのひとつひとつは、「めんどくさがり」を自称する彼女を支える大切な仕事道具。楽しく効率的に良いアウトプットを生み出すための知恵と工夫があった。

どうしたらめんどくさくなくなるだろう?どうしたら楽しく前向きに取り組めるだろう?毎日のちょっとした創意工夫が、自分が心地よく働ける環境を整えることにつながっていくのだとおもう。

とはいえ、自分ひとりではなかなか立ち止まってしまう。たとえば、福田さんが講師を勤めている「SHElieks」のレッスンに足を運び、毎日の仕事をちょっと楽しくするきっかけを見つけてることからはじめてみてもいいかもしれない。


文 = 野村愛


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