2018.04.05
月1500本のレシピ動画を、世に送り出す。DELISH KITCHEN 編集長の仕事道具

月1500本のレシピ動画を、世に送り出す。DELISH KITCHEN 編集長の仕事道具

月1500本以上もの料理レシピ動画がアップされる『DELISH KITCHEN』。1日換算で約50本、約30名で考案しているというから驚きだ。同メディアを28歳という若さで率いるのが菅原千遥さん。彼女の「7つの仕事道具」からアウトプットし続けるヒントを探る。

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パネル

雑誌購読アプリ

アイデアは、料理と全く関係ないジャンルの雑誌から

菅原さんが毎日欠かさずチェックしているのが「雑誌購読アプリ」。じつは、ティーン向けのファッション誌から、男性ライフスタイル誌まで幅広く見ていく。『DELISH KITCHEN』のメインユーザーは20~40代の女性・ママ世代だが?


ママ世代のみなさんは、誰のためにご飯をつくるのか? たとえば、高校生の娘さんだったり、30代・40代のお父さんだったり。真のエンドユーザーは動画を見てくれるみなさんの向こう側にいる。そういう人たちにどんな料理やお弁当が喜ばれるのか、多ジャンルの雑誌から探るようにしています」


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菅原千遥さんが手がけているのは、レシピ動画サービス「DELISH KITCHEN」。たった1分の動画にまとめられた、誰もがカンタンにおいしくつくれるレシピは主婦や料理初心者に評判が高い。

レシピ本

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実際にDELISH KITCHENではアプリを開くと、全画面でレシピが提案すると出るようにしていたりと、アイデアにもつながっている。

レシピと出会う体験のために「レシピ本」は購入する

彼女は紙のレシピ本を購入する習慣がある。それはレシピを参考にするためだけではない。


デジタルの枠だけではなく、紙などアナログな体験にもサービスのヒントがあります。紙のレシピ本でいえば、なんとなくページをめくるという体験。何をつくろうか、考えながら良いレシピに出会える。WEBの検索とは違ったレシピの出会い方を分析するようにしています」

Slack

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インプットした情報やメモは、社内にオープンに共有

菅原さんはレシピのアイデアから撮影のポイントまで、社員全員に最新情報を共有している。DELISH KITCHENの「調理スタッフ」たちは、管理栄養士や栄養士、ベテラン料理研究家など、全員が食のプロ。

毎日全員がレシピを生み出し続け、レシピ動画をより良くアップデートしていくため、菅原さんは情報共有の仕方にひと工夫をしている。


「slackで、気になった記事を共有するチャンネルを設けていて、チームのメンバーはもちろん誰もが見れるようにしています。そうすることでコミュニケーションのきっかけが生まれたり、アイデアのブレストができたりします」


ちなみに、ユーザーの食卓に今届ける最適なレシピを考案するため、毎朝調理スタッフはスーパーマーケットに立ち寄り、旬の食材や価格トレンド、注目されている商品などをチェックしているそうだ。

Stockclip

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企業業績、ビジネスモデルを分析する

菅原さんは「DELISH KITCHEN 編集長」の他に、事業全体を統括するカンパニー長という肩書きがある。DELISH KITCHENが、広告主や流通・小売店やユーザーにとって信頼され、世の中に無くてはならないサービスであるために、日々新しいビジネスの模索と実現を繰り返す。その際に、企業ニュースや決算資料などがまとめられている「Stockclip」を参考にしている。


「業界関係なく、業績が伸びている企業はどこか。なぜ伸びているのか。マネタイズの仕組みはどうなっているか。プロモーションの施策は何か。さまざまな企業の動きをみながら、日々勉強しています」


編集長という立場はコンテンツやクリエイティブに責任を負うイメージがあるが、彼女はカンパニー長としての役割を担うことで、ビジネス・事業へのコミットを深めている。

欅坂46の音楽

菅原さんの好きな欅坂46

毎朝、欅坂46の音楽を聴いて気合を入れる

編集長としてカンパニー長として、とても多忙な日々を過ごしている菅原さん。そんな彼女の背中を推しているのが、通勤中に聴いている「欅坂46」。


「いつも欅坂46の曲を聴いてます。「大人たちに支配されるな」「主張を曲げたら生きてる価値ない」など強い歌詞にすごい鼓舞されるんです。しかも、欅坂46はグループ結成がエブリーと同じ年。スタート時期が同じの彼女たちが人気になっていく姿を見ながら、欅坂46のみんなが頑張っているんだから、自分たちも頑張らないとダメだ!と背筋が伸びます」

グミ

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デスクには必ずお菓子を常備

仕事に集中したあと、一息つくときの時間にも菅原さんのこだわりが。しっかりリフレッシュできるように大好きなお菓子を常備している。


お腹が空くと集中力が切れるので、常にデスクの横にお菓子を常備してます。グミは満腹感を感じられるので特に好きです。お腹が空いてしまうと、仕事が手につかなくなるので...(笑)いつでもすぐに食べられるように準備しています」

丸メガネ

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【プロフィール】株式会社エブリー DELISH KITCHEN編集長 菅原 千遥(すがわら ちはる)2012年、慶應義塾大学を卒業後、大手IT企業へ入社。’15年9月、株式会社エブリーを共同創業。編集長として料理動画メディア『DELISH KITCHEN』を立ち上げる。

自分の顔を覚えてもらう一工夫

最後に伺えたのは、菅原さんのチャームポイントにもなっている「丸メガネ」について。


メガネで私のことを覚えてもらえることも多いので、仕事のときは常にメガネを掛けています。イベント登壇や展示会など、多くの方にお会いする場ではお一人お一人のお顔を覚えるのはとても大変ですよね。私自身それに苦労することもあるので、少しでも自分のことを記憶に残していただけるように、特徴的なメガネをかけるようになりました。常にクリアに世の中が見えるように、メガネ拭きもいつもデスクにおいて毎日拭いています」


編集後紀

菅原さんの膨大な情報インプットは、じつはまだまだ他にもある。料理番組は毎日全て録画し、土日休みにまとめて一通りチェックする。つくり方のポイントや取り上げている料理などからヒントを得ることがあるのだそう。その他にもKindleで、レシピ本やビジネス、マーケティングに関する本も読み、気づきはEvernoteにまとめてメモを残す。まるで息を吸うようにインプットをし、メモをしてストックする。地道の日々の積み重ねこそが、仕事のアイデアを豊かにしていく近道なのかもしれない。


文 = 野村愛


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