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「打席に立ち続ける」メルペイ 鈴木伸緒の成長戦略

2018-08-31

「打席に立ち続ける」メルペイ 鈴木伸緒の成長戦略

メルペイのリードデザイナーとして活躍する鈴木伸緒さん。新人時代、30歳を目前にして何者でもない自分に焦りを感じていた。一人前のデザイナーになるために「いま鍛えるべき部分を意識すること」を徹底。焦らず一歩一歩進んでいけば成長できる。


【連載】ぼくらの新人時代
「新人時代をどう過ごしていましたか?」テック業界のトップランナーたちに、こんな質問を投げかけてみる新企画がスタート。その名も、「ぼくらの新人時代」。知識もスキルも経験も、なにもない新人時代。彼ら彼女らは”何者でもない自分”とどう向き合い、いかにして自分の現状と未来を定め、どんなスタンスで学んできたのか。そこには私たちにとって重要な学びが詰まっていた。

『メルペイ』デザイナー鈴木伸緒の新人時代

「20代で身につけたことが、今後の人生を左右する」

漠然とだがそんなイメージがある。

20代後半になり、30歳という年齢が具体的になってきた。大きな会社のなかでも組織を率いるマネージャーになったり、プロジェクトのリーダーになる人もちらほら…。スタートアップ界隈に目を向ければ自分より若くして何かを成し遂げた人がいる。

一方で、とくにこれといった”強み”を持っていない自分は、なにかを成しただろうか。

そんな「30歳を意識した焦り」を感じている方も多いはず。

株式会社メルペイ(以下、メルペイ)でリードデザイナーとして活躍する鈴木伸緒さん(35)も、30歳という年齢を意識していたという。

「大学を卒業してから海外留学に行っていて。帰国して就職したときには26歳。学部時代の友人はすでにデザイナーとして4年間の経験を積んでいました。さらに、30歳を超えたらスキルや経験というベースがある前提でもらう仕事が多くなると思っていました。出遅れた4年をとにかく早く埋めたい。どうすれば早くスキルを身につけることができるのかを考えていました

サイバーエージェントでは『Ownd』などを手がけ、メルカリ入社後はUS版とUK版のアプリをデザインしてきた。今となっては洗練されたプロダクトデザインを得意とし、第一線で活躍する鈴木さん。


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UK版メルカリは、シンプルさが意識されている。それぞれの文化に最適化されたデザインが特徴的。


新人時代、「とにかく早く成長したい」「一人前のデザイナーになりたい」と思っていた彼が、ステージを駆け上げるために意識していたこと。そして実践してきたことを解説してくれた。

どんな状況からでも成長できる。焦らず一歩一歩進んでいくためのヒントが見えてきた。


[プロフィール] 鈴木伸緒|株式会社メルペイ リードプロダクトデザイナー
京都工芸繊維大学卒業後、ニューヨーク・パーソンズ美術大学に留学。帰国後、26歳でWEB事業会社にデザイナーとして入社。27歳で制作会社を経て、2012年サイバーエージェントに入社。『Ameba Ownd』など複数のCtoCスマホサービスの立ち上げに従事。2015年11月より株式会社メルカリに入社し、US版のプロダクトデザインを担当。2017年よりUK版の立ち上げ・グロースを担当し、2018年1月からはメルペイの事業・デザイン組織の立ち上げに携わる。

「その嫉妬に意味はあるか?」ベンチマークすべき人を分析する

ぼくは26歳でデザイナーとして社会人になりました。先に社会にでて経験を積んでいる同世代のデザイナーたちとは経験として差があるのは明白だったので、それをどうやったら埋められるかということを考えていました。なので、目的を明確にせずに”もがく”ようなことはしませんでした。仕事をする中で、自分にできること/できないことを分析する。そして、ひとつずつできることを増やしていきました。

実際には、隣の席に座っていた先輩を観察して徹底的にベンチマークしました。一緒に仕事をさせてもらうことが多かったのですが、とにかくどのスキルにおいてもレベルが高く、圧倒されていました。でも、圧倒されたままではどうやってスキルアップしていくのかわからない。先輩のスキルをひとつひとつ分解して考えました。

良いアウトプットをしている人に対しては、社内外や年齢関係なく嫉妬することもありました。でも、ただ漠然と悔しいと思うだけでは正確な評価ができていない状態なんですよね。なぜ悔しいと思うのか、その人が優れているのはどういう点なのかを分析して、学びにする。成長の糧として取り入れることができます。

成長のものさしは自分の中だけにあればいい。他人と比べて一喜一憂しなくていいと思います。

ぼくは自分のタイムラインで比べるようにしています。過去のアウトプットをいまみてどう感じるか。質が低いと思うなら前よりいいものがつくれる頭になっているのではないでしょうか。条件・時間など、さまざまな制約の上でアウトプットしているので、過去を振り返ると「今ならもっとうまくできる」と思うことが多いですね。

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断った仕事はない。とにかく打席に立つ

とにかくたくさん打席に立つことが重要だと思っていた。なので、事業会社からWEBの制作会社に転職をして。とにかく手を動かさないといけない環境に身を置くことにしました。一人前になるためには1万時間の実践が必要だっていいますよね。2年間で1万時間をこなすことを目標にしていました。

単に時間で仕事をしても意味がないと思っていたので、時間目標とともにどれだけ短期間で吸収できるかということも意識していました。ぼくは頼まれた仕事を断ったことは一度もありません。自分より仕事ができるひとは他にもいる。そんななか自分ができることは信頼を積み上げることでしたし、どんな仕事からも学ぶことがある。選んで機会を失いたくなかったので、ぜんぶやろうと決めていました。

あと、納期よりも前に仕上げられるよう常に意識していました。納期が短い案件もたくさんあったのですが、同時にやれる仕事量にはもちろん限界があります。目の前の仕事をどんどん仕上げないと次の面白そうな仕事をもらえない。どれだけ早く次の打席に立てるかを考えていました。

これは今でも変わらずにやっていて。依頼主が期待しているより早く返すように意識しています。初めて一緒に仕事する人にとって自分がどんな人かを理解してもらうのって時間がかかる。でも、早さってわかりやすい判断基準ですよね。次にまた任せてもらいやすくもなります。

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見返したときにためになるノートをとる

内省のために学生の頃から現在もノートをつけています。日記ではなく、仕事から学んだことなど、「未来の自分が引用できること」を意識しています。とにかく気づいたときに書き残すことが大事。毎日書くわけではなく、負担にならないようにして。イラストを入れたりすることも継続のコツです。

今では、だれかにアドバイスをするようなときに読み返します。どういう風に悩んでいたのか全部残しているので、同じような悩みを抱えているひとにアドバイスするときに役立つんです。

たまにハッとすることが書かれていて。当時は何とも思ってなかっていなかったことも、今改めて読むといい気づきになる。読んでみて発見があると、また見返そうと思いますし、未来の自分に向けて書くモチベーションにもなっています。

▼鈴木さんのノート術
1,起こった出来事を書く
2,どう思ったか、そのときの感情を書く
3,なぜそう思ったか、理由を考える
4,自分ごと化して伸ばすスキルに分解して落としこむ

過去のノートを見返してみると面白いです。「悔しい」とか「辛い」とか、なかなか芽が出ない自分のネガティブな心情もたくさん書いてある。ただ、ぼくが乗り越えてこれたのも、焦らず自分との対話を続けてきたからだと思います。これからもノートに残す習慣は続けていきたいですね。

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