2020.04.02
「自分で考えて決める」場数を増やそう。デザイナーのスキルアップにとって大切なこと|大島聖恵(きよえ氏)

「自分で考えて決める」場数を増やそう。デザイナーのスキルアップにとって大切なこと|大島聖恵(きよえ氏)

小さな会社であればあるほど「社内で唯一のデザイナー」となることも多い。そういった環境で5年以上働いてきた大島聖恵(きよえ氏)さん。社内にロールモデルのいないデザイナーがいかにスキルアップしていくか。大切にされてきたことを伺った。

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全3本立てでお送りいたします。
【1】「デザイナーは私だけ」の環境が、私を強くしてくれた
【2】「自分で考えて決める」場数を増やそう。デザイナーのスキルアップにとって大切なこと
【3】私、空回りしちゃってたかも。SHOWROOM デザイナー・大島聖恵(きよえ氏)が転職で学んだこと

悩む暇もないくらい忙しく働いていた

いま、私はSHOWROOMで働いているのですが、前職は「ママリ」を運営しているコネヒトで働いていたんですよね。で。じつは入社してすぐ「社内で唯一のデザイナー」になってしまったんですよね。先輩デザイナーが3ヶ月で辞めてしまったので(笑)

正直、スキル的にはすごく不安がありました。社外の勉強会で出会った人たちの活躍が、すごく華々しく見えて。自分なりに勉強したり外のコミュニティに参加したりしていましたが、自分とのギャップ、スキルの差をずっと感じていました。

ただ、2018年当時、コネヒトってめちゃくちゃ忙しかったんです。朝早くに出勤して夜遅くに退勤して、また勉強もする。とにかくがむしゃらに働いていました。

仕事をすれば新しい経験ができるし、後ろ向きな考えを持つ暇もない(笑)時間を忘れて没頭できるほど「良いサービスをつくりたい」という思いがあったのは良かったと思うんです。

とくにデザイナーは私ひとりだったけど、周りのメンバーが私以上の熱量を持ってサービスをつくっていた。このサービスからこんな世界をつくりたいと描きながら日々の仕事に励んでいた。それに見合う自分になろうと背伸びしたい気持ちが、努力の原動力になっていたと思います。

これまでは「私がデザイナーとして何をできるんだろう」という思いが強かったのですが、コネヒトに入ってその意識が変化したんですよね。自分一人で見たらできることは小さいけれど、チームでサービスをつくることで社会に価値を届ける一人になれる。ここに自分がデザイナーでいる意味を見出せたんです。

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【プロフィール】きよえ氏/大島聖恵(おおしま・きよえ) 1991年生まれ。SHOWROOM株式会社のデザイナーとして、新規事業立ち上げやデザイン戦略を担う。専門学校在学中からインターンとしてWhyteboard incにてデザイナーの仕事を始め、コネヒト株式会社に転職。ママの一歩を支える「ママリ」のロゴデザイン、サイトリニューアル、ブランディングなどデザイン全般を担う。2019年にSHOWROOMへ。

「自分で考えて決める」場数を増やそう。

とくに大きな経験になったのが、「自分で考えて決める」場数が多かったこと。コネヒトに入社して1年目の頃に、「ありがとうボタン」という機能をつくったことがありました。SNSの「いいね!」のようなイメージで、Q&Aコーナーに投稿した質問に対して他のユーザーが投稿してくれた返信に、ボタンを押して簡単に感謝を伝えられる機能です。

もちろんチームで話し合いながらですが、デザイナーとして機能実装のところまで一緒にやらせてもらえたんですよね。この機能をつくったのは、回答をくれた人達は、「ありがとう」を言ってもらえないと嫌な気持ちになる。だから簡単に感謝が伝えられるようにするといいんじゃないかと考えたから。

ボタン一つで解決できる機能があれば便利じゃない?と、みんなで話してつくってみました。

ただ…リリースしてみたらものすごく不評だったんです(笑)「まるでわかってない」と不満のリアクションもありました。理由は「そんなボタン一つで軽い感謝を返してほしくない」というものでした。すごくいい機能を発明したと思ってリリースしたので、思わぬリアクションを受けて驚きました。悲しくもあった。

でも、サービスの使われ方やユーザーが本質的に求めているものを掘り下げる経験ができた。これも「意思決定」に関わったからこそ重さが理解できた。不満も納得できました。デザインにも、もっとユーザーがサービスを使う意図を汲み取るのが重要なんだ、と気づかされて、反省した出来事でした。

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サービスと向き合えば、スキルは後からついてくる

コネヒトでも先輩がいなかったのですが...どうやってできることを増やしていったのかなと振り返ってみると、「サービスを誰よりも考える」ことに尽きるのかなと思います。

デザインを学ぼうとすると、どうしてもツールの使い方やUIの技術などのスキルの話に偏りがち。でも私がコネヒトで働いてきた日々を振り返ると、サービスの未来や、サービスを利用するユーザーのことをずっと考えてきたと思うんです。

どうやったら「ママリ」がより多くのユーザーに使ってもらえて、人の人生を支えるサービスになるのか。

自分で考えて決断するプロセスを踏むと、どんな結果が返ってきても自分の責任だと思えますし、振り返りをその後に活かせる。だから先ほどの「ありがとうボタン」の話も鮮明に覚えているんだと思います。

「周りが言っているからつくる」「頼まれたからやった」ではなく、意識的に頭を動かして自分で決めて、手を動かす。その積み重ねが、サービスの成果にもつながりますし、結果的に自分を成長させてくれる大きな糧になっています。

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全3本立てでお送りいたします。
【1】「デザイナーは私だけ」の環境が、私を強くしてくれた
【2】「自分で考えて決める」場数を増やそう。デザイナーのスキルアップにとって大切なこと
【3】私、空回りしちゃってたかも。SHOWROOM デザイナー・大島聖恵(きよえ氏)が転職で学んだこと

文 = 菊池百合子
取材 / 編集 = 野村愛


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