2020.04.01
「デザイナーは私だけ」の環境が、私を強くしてくれた|SHOWROOM 大島聖恵(きよえ氏)

「デザイナーは私だけ」の環境が、私を強くしてくれた|SHOWROOM 大島聖恵(きよえ氏)

「社内に先輩デザイナーがいる環境が羨ましかった」と語るSHOWROOM デザイナー 大島聖恵さん(きよえ氏)。今でこそ前田裕二さんと新規事業にも挑戦する彼女だが、新人時代は「不安だらけだった」と振り返る。なぜなら「ずっと社内唯一のデザイナー」という時代が長かったから。どうスキルを高め、キャリアを歩んできた?

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全3本立てでお送りいたします。
【1】「デザイナーは私だけ」の環境が、私を強くしてくれた
【2】「自分で考えて決める」場数を増やそう。デザイナーのスキルアップにとって大切なこと
【3】私、空回りしちゃってたかも。SHOWROOM デザイナー・大島聖恵(きよえ氏)が転職で学んだこと

ググりまくって、なんとか仕事はこなせるけど...

まず新卒ですが、学生の頃にインターンをしていたファッションEC系サービスを運営する会社に入社しました。創業まもないスタートアップで、社員数は4名ほど。その中でデザイナーは私ひとりだけ。デザインのことを教えてくれる先輩が社内にいない状況でした。

WebサイトのUIデザイン、バナー制作、LP作成、コーディング...デザインにまつわる全ての業務が私の仕事だったんです。ただ、当時のスキルはIllustratorとPhotoshopが触れて、HTML・CSSは少し書ける程度。ほんとに分からないことだらけでした。

社内に聞ける人もいないし、でもとにかくやるしかない(笑)いま思えば数分で終わるタスクに何時間もかかっていたと思います。とにかくググりまくってなんとかこなせていました。

ただ、いちデザイナーとして自分は成長できているのか、ずっと不安で。同い年のデザイナーと比べて、自分は劣っているんじゃないか。今のスキルじゃ自分がいいなと思う会社には到底いけないよなぁ、なんて考えていました。

目の前の仕事と向き合うなか、自分の力不足を感じる瞬間も多くありました。もしあのデザイナーさんが自分の会社にいたら、もっといいサービスになるんじゃないかとか。近くにロールモデルや、相談相手がいてくれたら...とか。思い悩んでばかりいたと思います。

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【プロフィール】きよえ氏/大島聖恵(おおしま・きよえ) 1991年生まれ。SHOWROOM株式会社のデザイナーとして、新規事業立ち上げやデザイン戦略を担う。専門学校在学中からインターンとしてWhyteboard incにてデザイナーの仕事を始め、コネヒト株式会社に転職。ママの一歩を支える「ママリ」のロゴデザイン、サイトリニューアル、ブランディングなどデザイン全般を担う。2019年にSHOWROOMへ。

「もっと外に出て勉強してみたら?」

転機になったのは、同じ会社の上司の一言でした。

「きよえさんさ、悩んでばかりいないで、もっと外でいろんな人に会って勉強してみなよ。月に1回、勉強会かイベントに参加するの宿題ね」って。

私が悶々としているのを、上司はなんとなく察知したんでしょうね(笑)。でも、たしかにそうだなと思って、勉強会とハッカソンに参加しまくりました。常にTwitterで「# デザイン、HTML/CSS、ハッカソン」と検索したりして、イベント情報をウォッチしていたと思います。

私はもともと人見知りで...最初は、怖くて誰とも話せずに帰ってくることもよくあったんです。でもだんだん、怖さよりも得られるものが大きいとわかって。懇親会にも積極的に参加するようになりました。

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勉強会はハッカソンに出るようになって、得られたこと2つがあって。1つは手を動かしてつくる楽しさを再確認できたこと。エンジニア、デザイナー、プランナーで小さなチームを組んでサービスをつくるようなハッカソンに参加していくうちに、あらためて「自分はものづくりが好きなんだな」と実感しました。

社外での学びを社内に持ち帰って、サービスの機能やデザインを見直したりチームに新しいアイデアを提案したり。ハッカソンのおかげでものづくりへのモチベーションが高まって、仕事にもいい影響がありました。

もう1つが、たくさんのデザイナーに出会えたこと。それぞれどんな強みを持っているかを知れて、キャリアを考えるヒントをもらったんです。自分の不安を相談できたり、スキルアップの方法を教えてくれたりする人との出会いは、先輩のいない私にとってありがたかったですね。

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社外の「大好きな仲間たち」が私に力をくれた

ただ、私がコネヒトに入って3ヶ月後…デザイナーの先輩が退職されて(笑)またまた「ひとりデザイナー」になってしまいました。結局、2015年に転職してから2018年までずっとデザイナー1人で仕事してきました。

どうしても小さな会社だと「社内にデザイナーがひとり」っていう環境、あると思うんです。でも「なんとかなるよ」って伝えたい。上司がデザイナーでなくても大丈夫。デザインの細かなスキルに関しては既存の書籍を参考にすればいいし、チームみんなでサービスに向き合う経験が必ずデザインにつながります。

デザイナー以外から学べることがたくさんある。同じような熱量でサービスを良くしていけるチームとの出会いこそが大切なんだろうなって。あとはその環境のなかで一つひとつ試行錯誤してみて、フィードバックからデザインそのものの考え方を深めていけばいいと思います。

それでも不安になったら、ぜひ他社のデザイナーに気軽に相談してみてほしいです。他の会社でも同じ悩みを抱えている人はたくさんいる。SNSを通じてお互いに相談できる関係をつくれます。私に連絡をくれてもいい(笑)どんな状況でも自分で道を切り拓いていけるし、がむしゃらに進んでいれば誰かが仲間になってくれる。そう信じて、一つひとつ扉を開けていきましょう。

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全3本立てでお送りいたします。
【1】「デザイナーは私だけ」の環境が、私を強くしてくれた
【2】「自分で考えて決める」場数を増やそう。デザイナーのスキルアップにとって大切なこと
【3】私、空回りしちゃってたかも。SHOWROOM デザイナー・大島聖恵(きよえ氏)が転職で学んだこと

文 = 菊池百合子
取材 / 編集 = 野村愛


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