クラウドソーシングプラットフォーム『ランサーズ』が発表した新サービス「Lancers Open Platform」。その背景と今後とは?
国内最大規模のクラウドソーシングプラットフォーム『ランサーズ』が新事業戦略発表会を開催し、「Lancers Open Platform」の提供開始を発表した。
クラウドソーシングプラットフォームとして国内最大規模を誇る会員データベースを、外部パートナーに公開する業界初の取り組み。パートナー企業がランサーズ上のオンラインワーカーを活用したサービス提供を可能にする。
初期の認定パートナーとして、コンテンツライティングカテゴリではイノーバの「Innova Business CMS」やサイバーバズの「Doctors Me」、モデルキャスティングカテゴリでは、BIJIN&Co.「ビジンキャスティング」、WEB開発ではファストメディアの「Yappli」、システム開発を手掛けるオルトプラスなど、計14社が参画。今後、年内に100社のパートナー、1億/月の受注を目指していくという。さらに2015年以降には、全パートナー企業にAPIを公開し、クラウドプラットフォームのオープン化を推し進める。
また、現状データも公表された。会員数は36.5万人、クライアント企業数は91,000社。1Q(4~6月)の契約金額(実際に成約した金額)は4.5億円、直近の月次見込みは2億円、今年の通期見込みは30億円とのこと。
2018年度には1800億円規模の市場成長が見込まれている国内のクラウドソーシング市場。国内でいち早く参入し、ユーザー数・依頼総額No.1のポジションを維持するランサーズは、なぜオープン化戦略を推し進めるのか?
その背景には、会員(ランサー・受注者)・クライアント企業(発注者)の両者とも順調に増加しているにもかかわらず、専門的なスキルを持つ個人に発注するにしても、クライアント企業にも一定の専門知識やディレクションスキルが求められ、成約に至る案件が少ないという課題があった。
そのディレクション部分をパートナー企業が巻きとることで、クライアント企業にはより質の高いサービスを効率的に、会員に仕事を得る機会をそれぞれ提供することを目指している。なお、会員への支払いはパートナー企業を通して行なわれるとのこと。
「東京オリンピックが開催される2020年までに、1000万人が働くプラットフォームを実現する」と語った同社CEOの秋好氏。来年以降には、全ての企業に対してAPIを公開予定と新たなサービスも期待される。より一層ランサーズが創業から掲げる「時間と場所にとらわれない新しい働き方」を実現する大きな一歩になるかもしれない。
[取材・文] 松尾彰大
編集 = 松尾彰大
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