2016.02.19
グッドパッチ・NewsPicksのキーマンが語る!前例のない新しい職種・チームの作り方とは?

グッドパッチ・NewsPicksのキーマンが語る!前例のない新しい職種・チームの作り方とは?

先日開催したイベントCAREER HACK BASEMENT Vol.5「グッドパッチ・NewsPicksのキーマンと考える2016年の働き方・ムーブメント」レポート記事をお届け!登壇者のプレゼン&セッションから見えてきた、あたらしい職種・あたらしい組織の作り方とは?

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【登壇者】
株式会社ニューズピックス
櫻田 潤 氏(インフォグラフィックス・エディター)

株式会社グッドパッチ(Goodpatch, Inc.)
ひらいさだあき氏(CTO)
竹田哲也氏(PM)

趣味を突き詰めて出会った、あたらしい仕事

まず「趣味と仕事」というテーマで登壇いただいたのは、CAREER HACK OF THE YEAR 2015の個人賞を受賞したNewsPicksの櫻田潤さん。インフォグラフィックス・エディターというあたらしい職種を創り出すまで、そして今後のキャリアを語っていただきました。




もともとエンジニアだった櫻田さん。そこから趣味としてイラストを描くようになり、今のキャリアにつながったそうです。たとえば、2011年に震災があった時にボランティアの種類をピクトグラムで表現してみたり、Googleが過去買収した企業を調べてどのサービスに統合されたかグラフィックで表現したり、さまざまな作風でイラストを作成。

2010年にVISUAL THINKING というサイトを立ち上げ、自分のプラットフォームを持つことで好影響が生まれたといいます。

株式会社ニューズピックス_櫻田潤さん


そこから、WIREDから「アメリカの大統領選挙、どの州からどれだけ献金が候補者にあったかマッピングして表現する」という仕事の依頼が。その時「はじめて趣味が仕事になると思った」と語る櫻田さん。続けて北米発Webメディアの媒体資料、世界最大級テック系メディアの仕事などにつながっていたそうです。

2015年はこういう賞を頂いたタイミングで振り返ってみると、趣味が自分の段階を上げてきたなとすごく感じました。趣味を突き詰め、没頭していくと、何かあたらしい環境、景色、仕事に出会えるのではないかと。だから今後も趣味的なことをもっとやっていこうと思っています。そうするとことが個人的なスキルアップにつながったり、興味の幅が広がったりするのではないかと。もちろん会社でやることにもいい影響があると思っています。


今年に入ってからはInstagramでその日のニュースにまつわるイラストをアップしているそう。今後、こういった取り組みがどう仕事につながっていくのか、非常に楽しみです。

偉大なプロダクトは偉大なチームから生まれる

続いて登壇いただいたのは、CAREER HACK OF THE YEAR 2015のチーム賞を受賞したグッドパッチの竹田さん。グッドパッチの現在地とこれから、強み、デザインカルチャーについて語っていただきました。

株式会社グッドパッチ(グッドパッチ, Inc.)_竹田哲也さん

サービスコンセプトから考えるところからデザイン、エンジニアリングまで一緒にやるところがグッドパッチの強みですね。受託に加えて、自社プロダクト「Prott」も好調で世界140カ国・ユーザーが5万2000ユーザーに使われるまでに成長しています。サービスづくりに深く入り込み、プロセスをより良いものにしていく。そして良いプロダクトを多く世に送り出すことで“デザインの力を信じる仲間”を増やしていきたいと考えています。


具体的にグッドパッチらしい部分として「チームビルディング」「プロトタイプ」「レビュー」を挙げていただきました。

グッドパッチ


チームビルディングについては「偉大なプロダクトは偉大なチームから生まれる」という共通の認識があり、良いも悪いも何でも言えるチームづくりをしています。たとえば、プロジェクトがスタートするとき、クライアントとも決裁者を交えて約3時間にわたる濃いミーティングを行なっているんです。そうすることにより、現状が丸裸になる。具体的には「問題を可視化にする」「目指すゴールを共有し、共通認識を持つ」「互いを理解してコミュニケーションの距離を縮める」ということを前段階で行うようにしています。


ゴールの共有などに加えて、とくにユニークだったのは、互いの理解を深めるにセッションを行っているところ。クライアントも交えて何が好きか、どういったこだわりがあるか、ざっくばらんに話すパートを設けることもあるのだとか。また、プロジェクトがはじまってからはクライアントも交えて「Slack」で日々コミュニケーションを取っているのというのもあまり他にはない手法かもしれません。

グッドパッチ


その他にも、スピーディーに作ったプロトタイプをもとにコミュニケーションしたり、デザインのみならず進行や運用なども含めて週1回必ずレビューを行う機会が設けられていたり、独自の制度・カルチャーについてお話いただきました。

グッドパッチ


グッドパッチ


そして2016年。グッドパッチでは行動指針を明確にし、目標設定や評価制度を組織として構築していくというフェーズへ。今後、チームとしてどのような取り組みを行なっていくのか、進化していくのか、とても楽しみとなるお話でした。

クロストーク「職種をつくろう」

CAREER HACK BASEMENT

イベント後半はセッションのコーナーに。登壇者同士がお互い聞いてみたいこと、事前アンケートを合わせて6つ挙げてクロストークを展開。また会場から飛び出した質問にもお答えいただきました。その様子をご紹介します。



▼アウトプットとしての「デザイン」をどう評価するのですか?【櫻田さんから】

竹田さん:
定性的、定量的どちらの側面もあると思います。忘れてはならないのは、ビジネスとして寄与しなければいけないこと。ユーザーの獲得や、利用時間の拡大、売上げなどは外せないひとつの指標。今後は、評価制度などにも紐付けられればと思っています。


▼エンジニア出身の櫻田さんは、どうしてデザインを趣味として選んだんですか?【竹田さんから】

櫻田さん:
たまたま、ちょこっとずつかじったところを混ぜると、今やっているインフォグラフィックみたいなところができるようになるんです。システムでもウェブデザインでも自分よりすごい人がたくさんいて。実は「逃げてきた結果」だったりします(笑)


▼ベルリンオフィスも構えているグッドパッチ。海外のチームと一緒にプロジェクトをすることはありますか? 【会場から】

竹田さん:
現在進行形で、ベルリンのチームと一緒にプロジェクトを進めています。

ひらいさん:
ベルリンと日本では2時間くらいしか営業時間が被っていないんです。なので、タイミングを合わせてミーティングを開いたり。あとは、時差がある分、こちらが夜に出しておくと、向こうがその間にやってくれて、こっちが朝に何かが出来上がってきたりするので、そういったところを組み合わせると、うまい具合に進んでいったりしますね。


▼ひらいさんへ。海外のチームと一緒に仕事をするメリットがあれば。【編集部から】

ひらいさん:
グッドパッチでつくっているプロダクトは、対日本のマーケットだけというより、対グローバルという意識を常に持ってやっています。その点、ベルリンのメンバーにグローバルの視点でレビューをもらって、それをネタにもう一度ブラッシュアップする習慣が根付いてきているのはとても貴重です。


▼櫻田さんへ。趣味も突き詰めると仕事になる、一方で仕事にしたくない趣味というのもあるのではないかと。どういう趣味が適しているのか、その趣味の見つけ方、仕事との関係性をどう見極められているのでしょうか。【会場から】

櫻田さん:
絶対に仕事にしたくないものは僕にもあります。たとえば、映画や小説に関することを直接仕事にしたくなくないんです。なぜかというと、やっぱり、ボーッとできる、没頭できるような事が大事だと思っているんですね。趣味が仕事になったという経緯はあるのですが、自分の中での「聖域」みたいなものは持ち続けています。

どんな趣味が仕事になるのかということですが、できれば好きなことを続けて仕事にすることって、本当にちょっとした工夫でできるんじゃないかと思います。それが、「職種を作っちゃえ」ということだと。きっとグロースハッカーとかもそうですよね。

僕自身も、最初から仕事につなげようと思っていなかったんです。続けていくうちにいろいろ見えてくるものがあって、仕事につながって。続ける。何か勝手に命名してみるといいかもしれません。


▼グッドパッチは組織として、仕事のメリハリをどうつけているんでしょうか?【会場から】

竹田さん:
始業時間の10時に全員朝礼と、定時19時の終礼が仕掛け、キーになっていると思います。定時になると、自然と作業が分断されるので、そのまま切り上げようという方もいれば、もう1回集中し直す方もいます。 以前、CAREER HACKさんでも取材いただいた「ムダな残業をしない」というのもまさにこう言ったメリハリのことで、グッドパッチらしい働き方のひとつですね。


株式会社グッドパッチ(グッドパッチ, Inc.)_竹田哲也さん_ひらいさだあきさん

グッドパッチ PMの竹田哲也さん(左)と、CTOのひらいさだあきさん(右)


▼これまでにない職種、チームをつくるために必要不可欠なことは?【編集部から】

竹田さん:
新しいチームを作っていく上で一番大事だと思うのはベクトルですね。崇高なビジョンじゃなくていいと思っていて、メンバーそれぞれが一緒に同じ方向を見てまっすぐ進めることが大前提になるのではないかと。

ひらいさん:
CTO、エンジニア側の立場からいうと、新しい職種というより、ひとつの職種が持つスキルや業務の幅がどんどん広がっていくんだと思います。それが結果的に基本的な職種、職能から枝分かれしていくのではないかと。自分のことで言えば、エンジニアとして、システム側のデザインやIA(Information Architect:情報設計)の領域に対して改めて興味を持っています。

櫻田さん:
あたらしい職種でいうと、自分や他人のコピーではなく、違う職種やスキル、経験の組み合わせを持った人にはすごく惹かれますね。スキルや経験も100点満点でなくていいんです。複数の50点の掛け合わせでもいい。そういう人たちとチームを組めば、自ずとあたらしい職種、あたらしいチームができあがっていくのではないかと思います。



大盛況のうちに終了したCAREER HACK BASEMENTVol.5!次回もお楽しみに!

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文 = CAREER HACK


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