2019.10.29
ビジネスサイドと連携とれてる?新米PMがハマりやすい落とし穴|OYO LIFE  伊藤友也

ビジネスサイドと連携とれてる?新米PMがハマりやすい落とし穴|OYO LIFE 伊藤友也

「OYO」1人目のPM、伊藤友也さん(31歳)を直撃取材。入社当初、プロダクトはローンチしたばかり、社内には人が全く足りてない状態だったという。まさにカオスだったOYO LIFEをどう整備した!? 彼が乗り切るために大切にしたのが、ビジネス側との連携だった。

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「伊藤さん、好きにやっていいですよ」

OYO LIFEに、1人目のPMとして入社した伊藤友也さん。入社初日、まず着手したのが採用活動だった。

僕が入社した当初のOYO LIFEは、プロダクトマネージャーがおらず、ビジネス側のメンバーとエンジニアしかいませんでした。プロダクトはそのタイミングでローンチされたばかりで、まさにこれからという状態。入社初日、CEOの勝頼から「何もないと思って好きにやってほしい」と言われて(笑)。

そこで、まず最初に取り掛かったのは、採用でした。社内システムも含めてプロダクトのラインナップをヒアリングし、ワークフローを決めて、必要な人員を割り出しました。入社初日の30分後くらいには、採用に向けて外部のエージェントとコンタクトをとり、翌日の面接アポイントをとっていましたね。

OYO LIFEは、立ち上がったばかりでどんどんスケールしていかなければならない状態。やることがたくさんあるからこそ、重要なのは、いかに優先順位を決めて素早く実行するか。

そのための意思決定はスピーディーに。あまり厳密に考えすぎても、逆に時間がもったいない。とはいえ当時はプロダクト組織の人事担当がおらず...自分で優先度の高いポジションから採用活動をはじめました。

ビジネスのドライバーを見極める

「明日までに、プロダクトのロードマップをプレゼンしてほしい」。入社初日、日本法人の社長 勝頼博則さんから依頼された伊藤さん。一夜にして、ロードマップとプロトタイプのデモ画面まで仕上げ、その場でGOが出たという。わずか1日にして、なぜ精度の高いアウトプットを?

まず「ビジネスとしてなにが大事なのか」を押さえました。

そもそも、プロダクトをつくる上で、ビジネスとしてのゴールを達成できることが重要です。とくにプロダクトマネージャーはユーザーオリエンテッドに考えすぎてしまいがち。でも、プロダクトとしての成果を出すためには、ビジネスとしての視点は欠かせません。

今後スケールしていくためのドライバーはなにか。ここをまず理解し、自分の中で言語化しました。

「OYO LIFE」の場合、ビジネスのドライバーは「ユーザー満足度」。Amazonが徹底的にユーザーに向き合うように、僕らもユーザーエクスペリエンスこそが、ビジネスとしても重要な点です。

「プロダクトのロードマップをつくるには、ビジネスのドライバーをおさえる他にも、ユーザーの課題となるファクトを押さえること、プライオリティをつけることを心がけています」

プロダクトとビジネスのKPIが噛み合っているか

伊藤さんが注力したのは、ビジネス側とプロダクト側の連携。そのキーファクターは、「KPI」にあるという。

大事なことは、プロダクト側とビジネス側でKPIの目線が揃っていることだと思います。

たとえば、プロダクト側で「ユーザー数」をKPIとしていて、ビジネス側では「クライアント導入数」をKPIにしていた場合、やるべきことや優先度が変わってしまう。お互いの要望が噛み合わず、摩擦が生まれてしまいます。

プロダクトも良くなるし、ビジネスとしてもインパクトが出る。両者が噛み合ったKPI設定とはなにかを考え、明確にしておくことが非常に需要です。

また、ビジネス側の目標と、進捗状況についてもアンテナを立てるようにしています。ビジネス側の状況によって要望は変わるのもなので、先回りして検討しておくことで、事業の成長を加速できると思います。

信頼構築の一歩は、「できてないこと」を伝える

ビジネス側との連携は、信頼関係があってこそ。日々のコミュニケーションのなかで、伊藤さんが心がけていることがある。

「できていること」だけでなく、「できてないこと」もちゃんと伝えるようにしています。

信頼関係が崩れてしまうのは、「期待値」にズレがあるからだと思うんです。相手に対して「こうしてくれるはずだ」と思っていたのに、それが叶わなかったときにがっかりしてしまう。先に「できてないこと」を明示化していれば、相手との期待値を調整することができます。

「できる」と言ったことに関しては、いつまでにどの精度までできるのかも一緒に伝えておくと相手もイメージしやすいと思います。

また、「ビジネス側の要件を漏らさず把握すること」も心がけていることの一つ。たとえばミーティングの場面で、「あれ、この前言ったことが入ってない...」となったら、その瞬間に「言っていることをちゃんとやってくれない人だ」と信頼を失ってしまいますよね。

ビシネス側とのコミュニケーションを頻度高くとることも意識してます。自分から週1回の1on1などで時間を取っておくと、認識のズレが生まれにくくなるんです。

PRDをつくることがPMの重要な仕事

ビジネス側で得たフィードバックは、プロダクト開発に落とし込まれている。デザイナーやエンジニアがブレることなく、良いプロダクトを生むために、OYO LIFEでは「PRD」が重視されている。

PMの業務って、データ分析やユーザーヒアリング、ステークホルダーとのマネジメントとか、多岐に渡ってあると思うのですが、特に重要なことは手を動かしてPRD (Product Requirements Document)を作ることだと思っています。

PMは上流のワークや組織マネジメントを中心にしているケースもあると思います。PRDが明確に作られてなければ、何のために、何をするのかが、プロダクトチームが理解できません。PRDがきちんと作られていることこそ、プロダクトが正しく成長していくために重要だと思うんです。もちろんPMの仕事は多岐に渡り、求められる役割もその組織によって異なると思いますが、自分が手を動かしてPRDを作成することは欠かせないものではないかなと。

何でやるのか、何をやるのか、具体的にはどうするのか、スコープはどこまでなのか、どこまでがデッドラインなのか、何か制約があるのか。誰もが理解できるように細かいところまで書くようにしています。


取材 / 文 = 野村愛


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時代は平成から令和へ。そして訪れる「2020年以降」の世界。2020年からの「10年」をいかに生きていくか。より具体的に起こすべきアクションのヒントを探る連載企画です。お話を伺うのは、常に時代・社会の変化を捉え、スタートアップと共に"一歩先”を見据えて歩まれてきた投資家のみなさんや、未来を切り拓く有志者のみなさん。それぞれが抱く「これから10年間で現実的に起こり得ること」と「新しい生き方」の思索に

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