2020.02.18
デザイナーからPdMへ。2度の挫折が、私を強くしてくれた|日比谷すみれの5年間

デザイナーからPdMへ。2度の挫折が、私を強くしてくれた|日比谷すみれの5年間

資産運用サービス『Funds』PdM/UIデザイナーである日比谷すみれさん。2014年~2019年の5年間を、彼女はどう過ごしてきたか。5年間のモチベーショングラフともに振り返ってくれた。

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※2020年1月に開催された「UI Crunch 5th Anniversary Party - UIデザイン業界の軌跡 -」よりレポート記事をお届けします。この5年間で大きく変化したデザイン業界。活躍するデザイナーたちは、どのような場面でキャリアの転換を考えるのかーー。
※UI Crunchに関する記事一覧はコチラ

「伸びる」と感じた市場に自分自身をベットできるか

5年間を振り返るということなんですが、ちょうど5年前、2015年1月にグッドパッチに転職したんですよね。新卒入社したのはウェブコンサル・SEOの会社だったのですが、その会社に約1年在籍し、グッドパッチへ。新人時代は、ほとんどグッドパッチで過ごしました。

そのあと、2017年にファンズ株式会社(2020年1月23日付で株式会社クラウドポートから社名変更)に入社しました。今は『 Funds 』っていう資産運用サービスを作っていて、PMとUIデザイナーをしています。

もともと大学でマーケティングの勉強をしていたのですが、小学生の時からマークアップ(*)が好きで。マークアップができるという足がかりと、ロジカルに考えていく且つ、自分の感性で戦えるデザインがおもしろいなとWebデザインへ興味が湧きました。

原点として大きかったのは、大学4年でペロリの中川綾太郎さんに出会ったこと。当時のペロリでインターン兼雑用係をしていて。ペロリがまだ『 MERY 』をはじめる前のサービス作りをお手伝いしていました。

その時、ご本人は覚えているかわかりませんが、「今、WEBサービスを作る仕事に就かないのは、大海賊時代に乗り遅れるようなもの」と綾太郎さんに言われたんです(笑)

何かはじめる時って「今から伸びる」と感じた市場に自分自身をベットできるか。綾太郎さんの言葉と自分の直観があり、WEBの世界でデザイナーになろうと決意しました。

(*)マークアップ…文書構造(テキスト)や視覚表現(装飾)などの情報を、コンピューターが正しく認識できるようにタイトルや見出しなどの各構成要素に「タグ」と呼ばれる識別のための目印を使い、意味付けを行なっていく。

先輩のデザインを模写した新人時代

いわゆるUIデザイナーとしてのキャリアがスタートしたのは2015年。グッドパッチに入ってから。デザイナーがたくさんいるコミュニティを知り、UIを専業するデザイナーの存在が近くなりました。

じつは、当時こっそり先輩のDropBoxの中にあるデザインファイルを覗き見していて(笑)。すごい!って思いながら模写しつつ、がむしゃらにやる。デザイナーとしての修業した時期でした。

最初のうちって自分の至らないところが明確にわかるんですよね。ただ、うまくカタチにできない。それが楽しいけれどすごく大変で。モチベーショングラフで波がある部分ですね。

そして入社1年後、メンバーが2倍くらいに増えているフェーズ。圧倒的にPMが足りていませんでした。そこから私もPMをやることになっていくのですが…このあたりから一気にグラフが下がります(笑)

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マネージャー、そしてPMになるも挫折

2016年、ここでマネージャーも任せてもらったんです。そこで大きく挫折を感じました。

受託チームのマネージャーとしてエンジニアさんもいるチームをまとめていた。実は…苦い思い出が多くて。自分の案件をやりながらメンバー16人をまとめて、月の予算も達成して...みたいなことは正直、結構辛かったですね。はじめてのマネージャーで16人って意味が分からないですよね(笑)自分自身の限界を感じ、マネージャーを辞めさせてもらい、部署異動をお願いしました。

で、PdMとしてプロダクトの立ち上げをやらせてもらったのですが、それもかなり大変でした。

今だから思う大きな反省は、自分に覚悟がなかったこと。結局、そのプロダクトはクローズしてしまった。

その時、すごく悔しくて。同時に次に挑戦することを考えていました。「どれだけ自分が覚悟を持って取り組めるか」ここを軸に決めたのがクラウドポート(現ファンズ)でした。

ただ、いきなり転職したわけではなくて。必ず副業してから行きたいなと思っていたので、ファンズの他、割り勘サービスの「ペイモ」で副業をするなど、FinTechスタートアップを見ていました。

特に資産運用領域を選んだのは、自分が興味を持てる市場ですべてを賭けたかったから。

5人くらいのタイミングで業務委託を始めその後入社しました。創業当初から現在のFundsの構想はあり、2017年末ごろからデザイン・開発をスタートしました。ところが、このビジネスをやるにあたっての金融庁からのライセンスがなかなか下りず。何度もリリースが延期になっていた時は先が見えずモチベーションも下がっていたのですが、2019年1月ついにリリースをすることができました。お客様から想像以上の反響をいただき良かった。これを育てていこう、と今がとても楽しいですね。

やっぱりずっと私のなかで残ってるのが、グッドパッチでマネージャーとして全うできなかったこと。それと、PdMとしても失敗したこと。その悔しさが糧になっている部分って大きいんです。まずはプレイヤーとしてやり切りたいという想いが強かったのですが、たとえば、今、会社として次のフェーズが来た時には、失敗を活かしたい。まずは現在の役割をやりきった上でもしまたチャンスがあったらマネージャーとしての挑戦も視野に入れていきたいですね。


取材 / 編集 = 白石勝也


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