2022.04.06
会社の「らしさ」を、デザインに込めて。SmartHRらしいノベルティのつくり方|nam

会社の「らしさ」を、デザインに込めて。SmartHRらしいノベルティのつくり方|nam

会社のノベルティを作りたいけど…「らしさ」を表現するのは難しいもの。そういったなか「かわいいヤギのセーター」「お楽しみBOX」などユニークなノベルティがいつも話題になるSmartHR。どう企画&デザインされている? デザイナーのnamさんに聞きました!

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なぜ、アイテムづくりをがんばるのか。

SmartHRだとオフラインのアイテムづくりにも注力していますよね。たとえば「かわいいヤギのセーター」もかわいくて好きでした(笑)。どういった意図でつくられたものなのでしょうか?

「SmartHRのダサセーターをつくりたかった」ということもあるのですが(笑)狙いもあって。SmartHRって人事・労務向けのBtoBサービスで、一見するとお堅い分野ですよね。ただ、社内はかなりオープンでフラット、遊び心も大切にしています。そのカルチャーを言葉以外で表現できないか?より広い層に知ってもらうきっかけにできればと企画しました。

Twitterがざわつき、即完売となった「かわいいヤギのセーター」
Twitterがざわつき、即完売となった「かわいいヤギのセーター」

なぜ、セーターだったのでしょうか?

こういったアイテムづくりはコミュニケーションデザイングループが担当しているのですが、社員の「こんなの作りたい」という発案からはじまって。国内のテック企業ではまだ見かけなかったし、少しダサく寄せるデザインもSmartHRらしくできそうだと想像がつきました。

いわゆるアグリーセーターと呼ばれるものですが、日本ではジワジワ来てるタイミングだったのでブームに乗っちゃった感もなくて。「やるなら今だね」と勢いもあって、有志でメンバーを集めて進めました。

「かわいい」で終わらないものを

突飛なアイテムでも「らしさ」が感じられるのがすごいなと。なぜ、その「らしさ」を形にできているのでしょうか。

まずこういったオフラインのアイテムをメインでつくる人がいる、そのアウトプットに責任を持つグループがある。ここは、SmartHRの特徴かもしれません。

ちなみにどういった組織でデザインを担っているのでしょうか?

「コミュニケーションデザイン」という16名のグループがあって。さらに4つのユニットに分かれています。

私が所属しているのは「ブランドデザインユニット」で、SmartHRらしさのあるブランド施策、アイテム制作を担当しています。

領域が近いユニットとしては「ブランドマネジメントユニット」が最近新設され、こちらはSmartHR Design Systemをはじめとするブランド資産管理を担っています。他にはサービスサイトや営業資料、オンボーディングツールなどサービス領域全般のデザインを手がける「サービスデザインユニット」、部署を横断した制作物のディレクションを担う「ディレクションユニット」の4ユニットが存在します。現在、16名の社員のほか業務委託・派遣メンバーが10名以上在籍しており、会社の成長とともにさまざまな施策にコミットできるよう制作体制やチーム連携をより強めていかなければいけないフェーズにあるといえます。

約30名近くもいるんですね…!デザインに力を入れていることがわかります。先ほどのようなアイテムづくりもチームで行なっているのでしょうか?

それでいうとまだチームと呼べるほどではなく、最近徐々にメンバーを増やして一緒にやるようになったところで、私がディレクション側にまわる機会も増えました。今後はもう少しチーム体制を強化していきたいなと思っています。

なぜ、ノベルティなどのアイテムに注力を?

SmartHRの企業カルチャーの中に「遊び心」というものがあるのですが、リアルのアイテムってそこに紐付けやすいんですよね。「遊び心」は「単にわいわいと楽しむこと」だけじゃなく、課題があった時、どうアイデアで工夫するかという意味も持っていると考えています。

だから「かわいいもの、おもしろいものが届いた」で終わるのではなく、何かしらコミュニケーションが生まれるといいなと思ってつくっていて。そういう意味だと、何を実現したいのか。基点はいつもそこです。社内向けのものでも、社外からどう見えるか、どう見せたいか。「モノ」って直感的に好きかどうか判断しやすいからこそ、会社やサービスのイメージに直結しやすい。ポジティブなイメージにつながるといいなと思っているので、質だけでなく、アイデアで工夫することにもこだわっています。

SmartHR デザイナー nam

新年会「お楽しみBOX」企画の舞台裏

SmartHRのオンライン新年会で社員のみなさんの自宅に届く「お楽しみBOX」も毎回話題になっていますよね。社員のみなさんが心から楽しんでいる様子が、Twitterなどを見ていると感じられます。

ありがとうございます。1月に代表を交代した取締役ファウンダー(前CEO)の宮田さんはじめ、社員が率先してシェアしてくれて。ノベルティやグッズに「おもしろいね」「いいね」といつも目を向けてくれています。

どういったBOXか、その企画意図も含めて伺ってもいいでしょうか。

全社キックオフ後に行われる、オンライン飲み会のときに使うBOXです。食べ物や、飲み物、ノベルティが入っています。

じつは最終的なアウトプットは完全にトップシークレットで(笑)。届く時のわくわく、驚きを大切にしたいので、社内でも本当に限られた人間しか企画の全容は知らされません。

ちなみに2022年の新年会ではどのようなBOXを届けたのでしょうか?

2022年は、食べ物や飲み物はもちろん、ノベルティ、その一式が入った巾着、ダンボール箱、そして配送業者さんまで、2020年以降、コロナ禍でSmartHRを導入してくださった企業さまのもので揃えました。そうすることで、「ここもユーザーさんなんだ」と、社員みんなが感じるきっかけになりますよね。

また、「モノ」はSNSで発信しやすいので社員がシェアするとお客さまにも喜んでいただきやすいんです。併せて、社外の方には「ここもSmartHRのお客さんなんだ」とPRできるかなと考えました。

ちなみにダンボール箱の外側のデザインが宇宙ですが…

取締役ファウンダー(前CEO)の宮田さんのSNSアイコンを少しデフォルメしたデザインにしました。ちなみに箱の内部は、新CEOの芹澤さんのSNSアイコンをイメージしたデザインにしています。ちょうど2022年1月1日付でCEOが交代となったので、そのコンテキストを盛り込んだものにしたんですね。

じつは2021年の新年会の時、色合いやロゴなどSmartHRだとひと目でわかるダンボールにしていたのですが、アンケートで「捨てるときに少し抵抗感があった」という声を目にして。プライバシー的な観点もあり、社名は伏せつつ、でもわかる人にはわかる。そういったデザインにしました。

そこまで配慮されているのがすごいですね…ちなみにBOXに同封されていたというカルタのような札は何ですか?

新年会お楽しみBOXに同封されていたカルタ

受け取った社員も「これ、なんだろう」って正体が分からないまま全社キックオフ当日を迎えて(笑)。じつは新CEOの芹澤さんをより身近に感じられるオリジナルのゲームを企画し、そこで使ったものですね。

芹澤さんですが、以前からスピーチがものすごい早口で(笑)社内でちょっとしたネタになっていて、その早口とかけたゲームを考案しました。ある書籍の一部分を1分間で読み上げてもらう。で、1分ちょうどのところで読み上げた「単語」とぴったりのカードを手元に持ってた人が「当たり」というゲームです。ちなみにカードは15種類あり、その1種類どれかがBOXに同封されている、というものです。

企画にもすごくこだわっているんですね。BOXもですが、コンテンツになぜそこまでこだわるのでしょうか?

コロナ禍の初期に比べ、オンライン飲み会ってもう新しいものじゃないですよね。というか、ちょっと飽きてきているかも(笑)なので、デザイン、ノベルティ、アイデアで飽きさせないこと、他にないものをやる工夫をしたいと考えています。

私がSmartHRに入社してから4年が経ったのですが、コロナ前も、コロナ禍も、両方ともSmartHRで過ごしているんですよね。入社当時は社員数は50名ほど。そのときオフラインでのキックオフの満足度がすごく高かったので、オンラインになったとしても、近い体験ができるように全力でやっています。

また、テレワークということもありオフラインのちょっとした立ち話もなくなってしまいました。社員数も500名を超え、ちょっとCxOに話しかけづらかったり、雲の上の存在だというふうに見られちゃうのかなと思ったり。そこの距離を少しでも近くに感じられたら良いなと、みんなで企画しています。

SmartHR 2022年 新年会・お楽しみBOX プロジェクト概要

・2021年夏頃から部署横断でプロジェクトメンバーが集まり、運営メンバーのキックオフ(初回打ち合わせ)開催。「オンライン飲み会セット」のテーマを決める。
・秋頃にテーマが決まり、中身をnamさんが選定
・冬頃にデザインまわりの制作と入稿
・配送は梱包指示書を制作して外注
・キックオフ数日前に社員宅に配達

2020年のコロナ禍以降、お楽しみBOXは3回作成されている。年間200人ほど社員数が増えるため、必要物の確保のため準備時期は年々早まっているという。オリジナルのノベルティを数百個レベルで発注するため、メーカーに直談判で発注をすることも。また、キックオフ自体も全て内製しており、人事、総務、広報、デザイナー、コーポレートエンジニアの合計約15名で企画運営される。お楽しみBOX単体では、namさんを中心に、人事、広報含めて5人ほどで準備される。

企画・ネーミングは「大喜利」で決まる!?

「お楽しみBOX」の企画含めすごくユニークですが、どのようなプロセスでアイデアが形になるのでしょうか?

もちろん自分がアンテナを高く張ってキャッチアップもしていきますし、グループでも練るのですが、企画や企画名がSlack上の大喜利で決まることもけっこう多いかもしれません。マーケティング関連のイベント名だったり、開発者向けイベントのノベルティだったり。自然と大喜利カルチャーは根付いていて、みんな楽しんでやっている印象はありますね。

SmartHR デザイナー nam

最後に、インハウスのデザイナーとして大切にしていることがあれば教えてください。

社員数50名だった時も、500名以上になった今でも変わらず、なるべく多くの社員とコミュニケーションを取ることを大切にしています。なにげない雑談で、距離を縮めていって、何かあった時に気軽に相談できる存在でありたいなと心がけています。

もともとフラットなカルチャーもあるので、インナーブランディングを強くしていこうと思ったら、社員が盛り上がる、社員だからわかるコンテキストに焦点を当てたものをつくることも意識しています。よく社内のことを知っていくうちにどういったものがウケるか、興味を引けるかのヒントがあるように思うんですよね。

少し前には日本酒を飲む升やタンブラーなどもつくったのですが、普段使いできる共通のアイテムがあることで、社員同士、自分と会社で何かつながりを感じられ、共有できるかなと思って製作しました。タンブラーにしたのは、アルコールを飲まない社員も一定数いるので、中身が見えなければ、ノンアルを飲んでるちょっとした恥ずかしさもない。みんなで楽しい時間をオンラインでも、オフラインでも平和に共有していける。そういったものをつくることでインナーブランディングにも寄与していきたいと思っています。


取材 / 編集 = 白石勝也


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