2021.12.15
ホスピタリティだけじゃ失格? ホテル勤務を経て、SmartHRで学んだ「カスタマーサクセス」の本質

ホスピタリティだけじゃ失格? ホテル勤務を経て、SmartHRで学んだ「カスタマーサクセス」の本質

新卒でホテルや旅館を運営する会社に入社し、現場でのサービス業務や人事を担っていた児玉桃也さん。次のキャリアに選んだのはカスタマーサクセスだ。約1年半前にSmartHRに入社し、すでに社内外から信頼を集める存在に。そんな彼がカスタマーサクセス1年目にぶち当たった壁とはー。

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※記事内では職種として「カスタマーサクセスマネージャー(CSM)」のことを「カスタマーサクセス(CS)」と表記しています。

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旅館でのサービス担当・人事を経て、カスタマーサクセスへ。

ー もともとはホテルや旅館を運営する会社で、サービス業務や人事を経験されていたと伺っています。なぜ次のキャリアに「カスタマーサクセス」を?

転職を考えはじめた当初は、人事職を考えていました。ただ、いろいろな企業の求人を見ていても、なかなかピン!とくるものがなくて...一度じっくり自己分析をする時間を取ったんです。

「ホテルや旅館で3年間働く中で、楽しめたことってなんだろう?」と、改めて思い返したとき、思い浮かんだのは「お客様との関わり」でした。お客様の滞在の目的をヒアリングし、ご期待いただいていることを想像して、その期待を超えられるように自分なりに考えてご提案していく。同じようなことをまた違ったフィールドでチャレンジしたいなと思って。

その当時、「カスタマーサクセス」という職種の存在すら知らなかったのですが、いろいろな求人を見ているなかで偶然目に留まって。業務内容を見て、「まさにこれだ!」と直感で思ったんですよね。旅館でのサービス業務とカスタマーサクセスって、一見縁遠い仕事に思えるかもしれないのですが、僕の中では「お客様の期待を想像し提案をしていく」点で、近しいところがありそうだなと。

そこからカスタマーサクセスで絞って就職先を探しはじめて、ご縁があったのがSmartHRでした。既存の枠組みをガラッと変えて、世の中に新しいスタンダードを創っていくような、そんな可能性をSmartHRに感じられたことが大きかったです。

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手厚いサポート ≠ 良いカスタマーサクセス

ー カスタマーサクセスといっても、業務範囲も幅広く、企業によっても役割が様々ですよね。SmartHRに入社してからは、どんなお仕事を?

「エンタープライズ(Enterprise)CS」として入社し、従業員数の多い大手企業のお客様に対してカスタマーサクセスの業務を担当してきました。具体的には、SmartHRの導入支援、活用促進、利用機能拡大に向けてのプランニング、契約の更新など。お客様との関係性を深めながら、課題解決のためにさまざまなご提案をしています。

ー 実際に業務の中で、どんなことに苦労しましたか?

最初に苦労したのは「お客様との関係性」ですね。当時の僕は「親切心で手厚いサポートをすることが良いカスタマーサポート」だと勘違いしてしまって...。担当していたお客様に「分からないことがあったらなんでも聞いてくださいね」と伝えて、それからどんどん連絡がくるようになり、僕も付きっきりの状態に...。

本来であれば、お客様自身でSmartHRを上手く活用して業務を改善していける状態が理想です。お客様にも問い合わせの時間と労力をかけさせてしまいますし、その分課題解決のスピードも遅くなります。

途中から、このままだと持続的な関係性ではないかも...と思って、一度立ち止まって、役割を見直しました。僕が関与しない方がいいコトに関しては、できるだけお客様自身に解決いただくように促したり。他にも、SmartHRにはお客様に活用いただくためのサポートコンテンツがたくさん用意されているので、コンテンツへのアクセス方法をご紹介したり。ただ、一度築いた関係性を軌道修正するのは時間がかかりました...。

周りで活躍しているカスタマーサクセスの同僚や先輩を見ていると、お客様とフラットな関係性を築いている人が多い印象です。改めて当時の自分を振り返ると、カスタマーサクセスになったばかりで自信もなく、「お客様の要望になんでも応えなくちゃ!」と思っていたのかもしれません。いまは「お客様=同じゴールに向かって協働するパートナー」と捉えるように心がけています。

エンタープライズCSに求められる、幅広い関係者と良好な関係を築くチカラ

ー 児玉さんはエンタープライズ企業を担当されてきたとのことですが、エンタープライズのお客様を相手にすることの難しさはどういったところにありますか?

エンタープライズ企業のカスタマーサクセスの特徴として、導入の難易度が高く、プロジェクトが長期化するケースが多いです。導入難易度が高くなる要素はさまざまあるのですが、その中でも複数のステークホルダーとの関係構築、各所との調整に苦労しました。

たとえば、人事・労務担当は導入に前のめりだけど、情報システム部門的にはそうでないということはよくあるケース。「ご契約いただいたお客様は、誰しもSmartHRを推進したいと思っている」と思っていたのですが、それは勝手な思い込みでした。

改めて冷静に考えてみると、情報システムの方はセキュリティを担保することが第一優先事項。その観点で懸念事項が出てくるのは当たり前ですよね。同じ会社でも立場や役割によっては求めていること、考えていることが異なるのだとその経験を通じて学びました。

ー 関係者が多い分、それぞれの立場を理解することも重要ですね。合意形成もひと苦労しそうですが、プロジェクトを前に進めていくために、なにか心がけていることはありますか?

どんな仕事でもそうですが、関係者が多いとボールの所在が不明確になりがちですよね。複数いるステークホルダーの中から「このプロジェクトを進めていきます!」という推進役を見つけ、良好な関係を築こうと意識しているかもしれません。

SmartHRを導入するためには、お客様自身に業務フローを大きく変えていただく必要があります。僕たちはサポートはできるけれど、直接業務に介入できるわけではありません。お客様にきちんと実行に移していただけるようにするためにも、プロジェクトの推進者の方を見つけて、信頼関係を構築していくことが大切です。

そのためにも、営業と連携してお客様の情報収集をしたり、オンラインの打ち合わせの場ではお客様にできるだけビデオオンにしてもらい、表情や相槌から少しでも空気感や参加者の温度感を察知しようと心がけています。

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お客様がサービスと向き合える環境を整える

ー 導入していただいても、その後なかなか活用が進まないケースも。スムーズに活用促進していくために、児玉さんは普段どんなことを心がけていますか?

導入段階で、お客様のリソース、スケジュールの確保をするように心がけています。

SmartHRの導入は、既存の業務オペレーションを全部再設計し直すので、お客様によっては変化を求められる、いわば痛みを伴うプロセスだと思うんですね。人は大きな変化を嫌う生き物なので、やるべきことを後回しにしてしまいがち。きちんとお客様がサービスと向き合える環境を整えるのもカスタマーサクセスの役割のひとつだなと感じています。

ー お客様のリソースやスケジュールを確保することに対して、必ずしも前向きでないこともきっとありますよね。

そうですね、たくさんあります。とくに「SMB」といわれる従業員数が数十〜数百名の企業だと人事・労務担当の方も少なく、さまざまな業務を兼務されており、十分な時間を割いてもらうことがなかなか難しいです。

そういうときに僕が意識しているのは、「キックオフミーティングで、最終的なゴールを参加者全員で認識をそろえること」です。

・お客様にとって理想の状態はなにか。
・現状どのような事業・業務課題を抱えているのか。

このあたりを洗い出した上で、「SmartHRを入れることでこんないいことあるんだ」と納得した状態を醸成します。やっぱり、人は課題感が大きいものに対して行動を起こすものだと感じています。

サービスの価値をお客様に届ける喜び

ー 最後にこれからCSにチャレンジしたい方に向けて、メッセージをいただけると嬉しいです。

カスタマーサクセスは、プロダクトやサービスの価値をお客様に直接届けることができる仕事です。売って終わりではなく、ちゃんと活用いただいてこそ僕らの仕事。プロダクトやサービスの価値を感じ続けてもらえるようにコミットする、お客様からの対価としてご継続につながる。とてもフェアなところが、やりがいに感じる部分でもあります。

また、お客様から喜びの声をいただくと大きなモチベーションになりますし、逆に要望や改善点などをいただくと、事業や会社の成長にとって大事な情報をいただくことでもあるので重要な役割を担わせてもらっているなと感じます。

僕自身も未経験からのスタートでしたし、SmartHRでも未経験から入社される方がほとんどです。たとえばセールスや人事をされていた方もいれば、最近だとキャビンアテンダントをやられていた方もいますね。業界業種関係なく、「お客様の期待を想像し、喜んでいただくために考え、提案をしていく」ことにやりがいや楽しさを感じたり、得意だなと少しでも感じる方ならカスタマーサクセスでも活躍していけるのではないかと思います。

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(終わり)

画像提供:SmartHR 


取材 / 文 = 野村愛


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