GoogleやFacebook、Twitter、Appleなど、世界的にプロダクトを展開する海外テック企業のダイバーシティレポート(従業員の多様性報告)の男女比にフォーカスを当てたまとめ。その傾向、彼らがダイバーシティレポートを公開する理由とは。
GoogleやFacebook、Twitter、Appleなど、海外のWEB・IT企業自ら「ダイバーシティレポート」という従業員のGender(性別)・Ethnicity(人種)などを発表する動きが高まっている。
最新のダイバーシティレポートで開示されたデータから、部門別の男女比にフォーカスを当て、まとめてみた。そこからどんな傾向が読み取れるのか。
(※グラフは全て各社ダイバーシティレポートよりCAREER HACK編集部が作成)
傾向として読み取れるのは、エンジニアなどのテック系人材では大方のイメージ通り、男性が大半を占めていることだ。最も高い比率でTwitter社の90%。平均すると各社男女比が約8:2と言った形だった。近年、欧米ではインフォメーションテクノロジーを専攻する女性が増加傾向にあると言われているが、まだまだ絶対数として少ない事が影響しているのかもしれない。
一方で、ビジネスデベロップメント部門や管理部門などの非テック系人材では男女比が平均して6:4と目立った差はない。管理職はすべての企業で20%以上の割合を女性が占めている。こちらはまだまだ低い割合ではあるが、日本女性の社会進出の遅れからすると高くも感じるのではないか。
ところで、海外のWEB・IT企業はなぜ自ら進んで「ダイバーシティレポート」を公開するのだろうか。
一つは、各社が手がけるプロダクトやサービスがグローバルなものであるからではないか。多様なバックグラウンドを持つ各々のユーザーに、より高い満足を提供するためだろう。多様性に対する理解や受容性(インクルージョン)こそ、グローバルに価値を提供するチームには必須の条件であり、そんなチームこそ新しいアイデア、イノベーションをもたらすと確信しているからではないか。
最後に、Twitter社がダイバーシティレポートで述べている一文をご紹介しよう。
Building a Twitter we can be proud of
― Research shows that more diverse teams make better decisions, and companies with women in leadership roles produce better financial results. But we want to be more than a good business; we want to be a business that we are proud of.
To that end, we are joining some peer companies by sharing our ethnic and gender diversity data. And like our peers, we have a lot of work to do.
自ら誇れるTwitterに。
より多様なチームであるほうが、良い意思決定を行なえること、管理職の女性はより良いビジネス面での成功を企業にもたらす、ということが研究で明らかになっています。しかし、Twitterは"良い”ビジネス”以上に、"自分たちが誇りに思える”ビジネスをしたいと思っています。
そのために、同じ業界にいる他社と同じく、自社の従業員の民族や性別の多様性データを共有します。他社同様、私たちはこれまで以上に、この課題に取り組んでいかなければなりません。(抄訳)
[編集] 松尾彰大
文 = 松尾彰大
編集 = CAREER HACK
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